普段私たちが足首と呼んでいる部分は足関節と呼ばれ、足関節は
● つま先をすねに引き付ける背屈
● つま先を下に振る底屈
● 足裏が外側に向く外がえし
● 足裏が内側に向く内がえし
● 第2中足骨(足の人指し指に繋がる足の甲の骨)が内側に向く内転
● 第2中足骨が外側に向く外転
● 底屈・内転・内がえしからなる複合運動の回外
● 背屈・外転・外がえしからなる複合運動の回内
と、多方面へ動かすことができます。これらの動きの中でもつま先をすねに引き付ける背屈の動きは段差などでつまずかないためにつま先を上げる重要な動きになります。
しかし、運動不足やデスクワークなどで歩く時間が少ない、ハイヒールを履いて常に底屈状態になっているなど日頃足首を使っていないと足首まわりの筋肉が硬くなり、つまずきやすくなってしまいます。
「足首を柔らかくする」「かかとをつけてしゃがめるようにする」ためにはふくらはぎのストレッチが良いと考える人が多いですが、それだけで改善しない場合もあります。そんな時は反対側にあるスネにもアプローチしてみましょう。
ふくらはぎの筋肉である下腿三頭筋は足関節の底屈時に働きます。逆にスネの筋肉である前脛骨筋・後脛骨筋・長腓骨筋・短腓骨筋は底屈、第三腓骨筋は背屈に働くため、スネ・ふくらはぎ、どちらが硬くても足首の硬さに影響が出る可能性があります。
年齢を重ねて「何もないところでつまづきやすくなった…」と感じている人もいるかもしれませんが、年齢とともに運動量が減ったり筋肉が硬くなりやすいのが原因の一つ。つまづいた拍子に骨折…なんて大惨事にならないために、ぜひ知っておきたいのが更年期のこと。
女性は更年期に入ると女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減少します。エストロゲンは女性らしい丸みのある体形をつくったり、肌を美しくしたりする作用もあるホルモンなのですが、減少すると月経量に変化が起きたり動脈硬化、認知障害などのリスクが高まると言われています。
そして、骨折しやすくなる骨の病気である骨粗しょう症のリスクもあり、更年期に入るとつまずいて手や肘をついたら骨折したなどのようなちょっとした衝撃で骨折しやすくなってしまうのです。
運動不足や加齢など何らかの原因で足首の硬さがある人が、そのまま更年期に突入するとちょっとした段差でもつまずくことが増え、骨折などの可能性が高まります。
「更年期なんてまだ先」と思わず、プレ更年期(プレ更年期は医学的な定義はないですが、35~45歳が当てはまると言われています)の段階から早めに対策をしていきましょう。
<やり方>
1)脚を前に軽く伸ばしてマットの上に座り、ほぐす方のふくらはぎの下にローラーを置く。反対側の脚は膝を曲げて外側に倒すなど楽にしておく
2)ふくらはぎの一番盛り上がった部分のすぐ下にローラーを当て、両手をお尻の後ろについて、ローラーを前後にコロコロ転がす(30秒程度)。圧が足りない場合は反対脚を上に乗せるか、手で上から圧をかける
3)その場で脚を左右に揺らす(30秒程度)
4)ローラーを少し上に移動し、同様に行う
5)ローラーを外して、ほぐしていた方の膝を曲げて足裏を掴む(反対側は膝を曲げて外側に倒す)
6)背中を伸ばしたまま足裏で手を押し出し、つま先を自分の方にむけてふくらはぎをストレッチする
7)反対側も同様に行う
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<やり方>
1)ローラーをマットの上に置き、ほぐす方の膝を曲げて脛の骨を避けながらローラーに当てる。反対膝は床についておく
2)ローラーの向こう側に両手をつき、少しずつ体重を乗せていく
3)ローラーに当てながら足首を内回し、外回しする
4)つま先をスネに近づけたり離したりする
5)最後はローラーを前後に小さく揺らす(30秒程度)
6)反対側も同様に行う。
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