秋の風物詩のひとつ、「金木犀(きんもくせい)」。花を咲かせる時期は、9月~10月、まれに11月にも咲くこともあります。
「2度咲き」とも言われ、一旦花が咲き終えた後に新しい花が開花することも良くあり、2021年は11月に3度咲きをした地域もありました。開花期間は一週間ほどと短めながらも、あの独特な香りで秋を感じる方も多いのではないでしょうか。
薬膳では古くから、金木犀の花は「桂花(ケイカ)」と呼ばれる生薬として重宝されてきました。
乾燥させたお茶は、温中散寒(腹部を温め寒さを散らす)・理気化痰(気の巡りを良くし、痰を取る)など冷えを散らし血流を促す効能があり、金木犀のお酒は胃炎からくる食欲不振やお腹の張りの緩和や低血圧症、不眠症対策として愛飲されています。
金木犀のオレンジ色の花に対し、とても似た樹に「銀木犀」と呼ばれる、少し白みがかった花を咲かせる樹があります。銀木犀は金木犀は銀木犀の変種とも言われています。
金木犀・銀木犀ともに、その花を中国ではお酒(桂花陳酒)にしたりお茶(桂花茶)にして良く飲まれていますが、今回は、そんな金木犀を使ったシロップの作り方をご紹介します。レシピは金木犀ですが銀木犀でも同じように作ることができますので、身近で摘むことができる花がある方は是非試してみてください。
【材料】
金木犀 7~10g
白ワイン 100g
砂糖 120g
+耐熱瓶
※はじめに耐熱瓶を熱湯消毒し、水気が完全に飛ぶように半日以上乾かします。
瓶の準備ができたらスタートです。
【作り方】
1.金木犀を摘む。
金木犀は意外と繊細で、花に触れるとすぐに枝から落ちます。
ザルやボウルなどを花の下に置き、花に触れて落とすと簡単に集めることができます。
2.摘んだ金木犀を掃除する。
摘んだ金木犀には枯れかかっている花や茎、小さなゴミや虫がついていることがあります。枯れかかった花や茎をひとつひとつ丁寧に外し、花についている汚れを取り除きます。
※ここで丁寧に作業をしておくことで、後の作業が楽になり綺麗に仕上がります。
3.花びらを洗う。
ボウルに花びらを入れ、水で優しく洗い花びらについた埃や汚れを落とします。花びらが潰れると色が悪くなるので優しく洗いましょう。
4.水気を切って乾燥させる。
洗った花をザルにあげて水を切り、キッチンペーパーの上に広げて水気を取りよく乾かす。
5.小鍋に白ワイン・砂糖を入れ一煮立ち(約3分)させる。
今回の砂糖は甜菜糖を使用していますが、きび糖や上白糖でも同じように作れます。白ワインは沸騰してから3分程度でアルコールがほぼ飛びます。
6.花びらを加え、煮る。
「5」に金木犀の花びらを加え、弱火でコトコト3分ほど火を通す。
※火を通しすぎると金木犀の風味が抜けてしまうので注意しましょう。
7.瓶に移して冷蔵保存。
「6」で出来上がったシロップが熱いうちに耐熱瓶に注ぎ、蓋をしてできあがり。冷えたら冷蔵庫で保存。日持ちは冷蔵庫で約2週間ほどです。
できあがったシロップは、ヨーグルトに入れたり、白ワインに加えてサングリア風にしたり、紅茶の甘みとして加えたり。
自家製ドレッシングの甘味として加えたり、パンケーキのシロップにもおすすめです。
お菓子作りにチャレンジしたい方は琥珀糖もとても綺麗にできますよ。
この時期ならではの季節を閉じ込めたシロップ、ぜひ楽しんでみてください。