環境問題に積極的に取り組むパタゴニア|ハワイ・ホノルルでフラッグシップストアをオープン
お店で商品を買う時、先進国に住む私たちはものを手にとってお金を払って終わりになりがちです。どのような工程で作られているのか、どのような人がどのような環境で作っているのか、そこで働く人たちは十分に生活できるほどの収入を得ているのか、健康被害にさらされていないのかなど、遠く離れた国で何が起こっているのかあまり考えることがありません。 パタゴニアはモノを売る責任として使用している素材やどのような工程を経て商品ができているのかを消費者の私たちに知らせる責任がある、そして消費者である私たちも現状を知る必要があると主張しています。
パタゴニア・ホノルル店2021年に拡張移転オープン
アウトドアウェア、スポーツカジュアルウェアなどでおなじみのパタゴニア。ワード地区にあった小さな店舗は日本人環境客にも人気でしたが、2021年2月18日に敷地面積を大きく拡張して新しい店舗がオープンしました。
同じくワード地区にある古い建物をそのまま使い、ローカルの建材を作って内装が作られています。全米で最も商品数の多いフラッグシップ店です。
今回パタゴニアが拡張移転した建物は、1928年に建てられたもの。カカアコ地区にある建物の中で唯一、第二次世界大戦前に建てられました。歴史的建造物に登録されているため許可なく取り壊しができないことになっています。
パタゴニア ハワイ限定グッズ「Pataloha」
観光客に大人気のPatalohaグッズも健在です。エコバッグ、ポーチ、ウォーターボトル、Tシャツなどハワイらしいデザインのグッズがたくさん!
実用的で機能的な衣類やグッズを取り扱うパタゴニアですが単なるアパレル企業ではありません。サステナブルで賢い消費活動ができるように消費者への啓蒙活動も行なっています。
パタゴニアの取り組み①:オーガニックコットンを使用
1988年パタゴニア・ボストン店で製品を棚に陳列した直後、店内にいた社員が頭痛を訴え始めました。その原因の一つが衣類が放出するホルムアルデヒトであることが判明し、そこからパタゴニアはコットンを含む衣料繊維について検証を開始。その結果、綿花の栽培をしている畑が農業全体で使用されている化学防虫剤の22.5%と殺虫剤の10%を使用していたことが判明しました。
コットンは「ピュア」で「ナチュラル」なイメージがありますが、実際は農薬、化学肥料、土壌調整剤、枯葉剤などの化学物質が使用され、土や水、空気を汚染し、周辺の植物や生物に影響を与えていることも指摘されているのです。
1994年パタゴニアの創業者は同社のスポーツウェアを18ヶ月以内に100%オーガニックコットンに移行するように社内に指示を出しました。その決断は会社の存続にも関わるため社内から反発の声も上がることになりました。
驚くことに地球上で生産されるコットンのうちオーガニックコットンはたったの1%
百聞は一見にしかずということで、社員が綿花の栽培地への見学ツアーを実施したところ、到着した途端に目がヒリヒリし、吐き気を催す人も。それは戦争で使われた神経ガスと同じ化学薬品が使われていたのでした。そこで働く農場労働者はその化学物質に長い間晒されて健康被害が出ていました。畑の上空には農薬散布のための飛行機が枯葉剤を噴射。注を舞った枯葉剤が周りの農場、水路、他の農作物を詰んだトラックの上にも降り注ぐのを目にします。
またこの農場で採れた化学物質にさらされたコットンの種は、人間が食べる食品に加工されたり、家畜の餌となったりします。その餌を食べた家畜から採取される乳製品を私たちは口にしています。
このツアーを通し社員を啓蒙し続け、1996年にパタゴニアは製品全てをオーガニックコットンに移行しました。化学殺虫剤、除草剤を使用せず、遺伝子組み換えをしていません。オーガニックコットンの栽培によりCO2eが45%減少し、水を87%削減できます。
パタゴニアの取り組み②:服を再利用・リサイクル・修理して長持ちさせる
モノを買うのは簡単なのに、捨てることはあまり容易ではありません。2015年にアメリカで発生した廃棄物の容量は2億6200万トン。これはスクールバスの1750万台に相当します。そのうちリサイクルや再利用されたのはわずか35%弱。残りは埋め立てるか焼却するかしかありません。
近年まではその一部が中国など他の国に輸出されていましたが、2〜3年前から中国とインドが固形廃棄物の輸入を禁止したため、行き場を失ったゴミがその他の東南アジア諸国に輸送され始めました。焼却に伴い放出された二酸化炭素は過去最高記録。カラス、カモメ、クマなどの自然の生物が行き場を失い、人間の住む都会へと降りてくるようになりました。
衣料業界は地球環境を悪化させる要因の10%を担っていると言われています。この15年で衣服を購入して捨てるまでの所有期間と着用回数が激減したそうです。買ったのにクローゼットの奥に眠っていたり、数回しか着ないで捨ててしまった洋服がある人も多いのではないでしょうか。
私たちにできることは所有しているものの寿命を伸ばすこと。必要なものは買わないことにして消費を減らす。まだ使えるものは修理して使う。再利用したり共同使用できるものはする。衣料の寿命を伸ばすことにより、炭素排出、水の使用量、廃棄物を20〜30%も削減できることになります。
パタゴニアの取り組み③:フェアトレード
アパレル業界で働く人たちの賃金は世界最低水準であると言われています。それは発展途上国での危険な就労環境、女性労働者への過酷な労働、低賃金、長時間労働、雇用差別へと繋がっています。ファストファッションの台頭がこの問題をさらに悪化させているのが現状です。パタゴニアがホームページで配信しているこの動画を見ると、発展途上国のアパレル産業の労働環境にショックを受けるかも知れません。
パタゴニアはフェアトレードを実施し、労働者の賃金を補足し、彼らの生活をサポートしています。この取り組みで世界中の10カ国5万人以上の労働者に恩恵をもたらしてきました。今後はパタゴニアの衣類を作る全ての労働者が生活賃金を稼げることを目的として恒久的な方法を模索し続けています。
パタゴニアのビジョン
ウェブサイトからはパタゴニアがどのようにサステナブルビジネスを目指しているかの企業努力が事細かに記事にされています。環境問題、ゴミ問題、生態系保護、労働環境の保護、人権の向上など、この記事で紹介したこと以外にも世界中で起こっているさまざまな問題に取り組んでおり、将来のビジョンも掲げられています。
パタゴニアのような会社の企業理念に賛同して私たち自身の行動を変えていくことが、地球の環境改善につながっていくのです。
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