【減少するミツバチ…その理由は?】はちみつを作るだけじゃない!ミツバチの偉大な仕事と環境問題

 【減少するミツバチ…その理由は?】はちみつを作るだけじゃない!ミツバチの偉大な仕事と環境問題
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Akane
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2021-04-29

「カラダに良い」「栄養価が高い」と言われる、はちみつ。私も毎日のように摂取し、その高い効果の恩恵を受けています。ある時、養蜂家の友人からミツバチに関する想像もしていなかった話を聞き、「はちみつを楽しむ」から「ミツバチを介して地球を考える」ことになりました。これは是非知っていただきたいと思い、今回記事にしました。

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ミツバチが私たちにもたらしてくれる恩恵とは?

突然ですが、問題です。私たちは暮らしの中でミツバチにお世話になっています。それはどんなことでしょうか?

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Unsplash

多くの人が「はちみつを作ってくれる」と答えたのではないかと思います。私もまた、以前訊かれた時にはそのように答えました。それも、正解のひとつです。しかし、実はそれだけではありません。むしろ、はちみつをつくる以外の役割に私たち人間は生死すらも意識するような多大な恩英を受けています。

答えの前に、改めてミツバチとは何者なのかということについて、おさらいしていきましょう!

ミツバチとは

ミツバチ科の昆虫で、ご存知の通り、花の蜜を加工して巣に蓄え、はちみつを作ってくれます。また、ミツバチは体内合成でミツロウという物質を分泌します。ミツロウは昔からロウソクの主原料となったり、ワックスや石鹸、クリームや口紅などの材料として使われています。

人間とミツバチの関係は1万年以上前に遡り、古代からの壁画にもその姿は残されており、そこからも人々との長い関係が垣間見えます。

ミツバチは今、危機を迎えている

さて、そんなミツバチが今、危機を迎えているというのはご存知でしょうか。

その危機とは「ミツバチの減少」です。なんと、半世紀前に比べると半分程に。その原因は、農薬、ダニ、感染症、自然林の減少、養蜂家の減少、そして近年では異常気象や温暖化などの気象変動など、ひとつではありません。複数の要因が重なり合っているというのは同時に解決が難しいこととも言えます。

はちみつを作る以外の大きな仕事、「受粉」

冒頭の問題、「私たちは暮らしの中でミツバチにお世話になっています。それはどんなことでしょうか?」の正解は、「様々な農作物の受粉」です。

植物は動物のように自らの足や羽などを使って動くことができません。そこで、他の動物や自然の力(風など)を借りて受粉をしています。その強力な担い手としてミツバチも存在しているのです。

しかし、先の通り、現在ミツバチに限らずハチ全体の数が減っています。それはつまり、受粉の担い手が減っているということでもあります。

このままいくとどうなるのか?

少し前のデータではありますが、2011年に国連の補助組織である国際連合環境計画では食用農作物の約7割はハチが受粉を担っていると報告しています。

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ということは、ハチがいなければ世界の農作物の収穫量は減り、今、困ることなく手にしている食材も手に入らなくなってしまうかもしれません。そこまでとはいかなくとも、需要と供給のバランスをとって価格が上がり滅多に目にすることができなくなってしまう可能性もあります。スーパーに並んでいる、キャベツや玉ねぎ、いちごなど日常的に使う野菜や果物も、毎日飲むコーヒーも、ハチの受粉行為に大きく依存しているのです。

私たちができること

大変なのはわかったけれど、話が大きすぎて何をしたらいいのかわからない。そんな風に思うかもしれません。農業に携わっている訳ではない消費者の立場からできることというのは、実際限られています。しかし、できることはあります。

まず一番はじめにできることは「知ること」です。私はこの現実を知った時に、心臓がドキドキしました。そして、なるべく忘れないようにハチミツを毎日摂るようになりました。ハチミツはご存知の通り、多くの良い作用があるので身体のためでもありますが、意識のためにも摂るのです。

知った後の行動としては、直接ミツバチに関わる人たちを介してアクションを起こすことができます。

例えば、東京・清澄白河のはちみつ屋さん beeslow ではミツバチ目線のアイディアを用いて、都市で地球温暖化の防止や生物多様性を促進するための活動やサービスを展開しています。

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東京・清澄白河のはちみつ屋さん beeslow

気軽に始められるビルの屋上緑化サービスやワンコインから環境問題へのアクションを起こせるサービスなどがあり、眺めていると遠かった地球の問題が、少し身近に感じます。すぐにとは言わなくても、いずれ必ず目の前にやってくる私たち「ひと」が作った、私たちの「地球」の問題。「思い立ったが吉日」といいますが、問題に気づいた時が、行動のはじめ時かもしれません。

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Akane

Akane

「ゆるいオーガニック」を提案するライフスタイルブランド「HEY!LUCY」の裏方。IT企業の会社員から一冊の本を読んでオーガニックに興味を持ち、ブランドを立ち上げることに。フリーランスエンジニアとして独立し、ブランド運営とのパラレルワークを開始。本とパンと睡眠が好きな、少々面倒くさがりの30代。 Instagram: @atou.organic / ブランド https://www.heylucy.life/



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