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「女の賞味期限」に焦って暴走した、20歳のわたしへ|チョーヒカル連載#とびきり自分論
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そうしてやっとわかったのは、私は「若い女」になんてなりたくないということだった。「若い女失格」なのではなくて、そもそもなりたい人間像と、理想とされる若い女像がかみ合っていないだけだったのだ。若い女を全うできなかったのではなく、私の求めるものがそこになかっただけなのだ。「女という価値」なんて本当は最初から欲しくなかった。
小さい頃から「若い女であるだけで価値がある」と私たちは刷り込まれている。一年一年歳を重ねる度に、何かを失っているのではないかとビクビクする。何かを成し遂げれば若い女だからだと揶揄されたりもする。若い女の方がモテるかもしれない。若い女の方が奢ってもらえるかもしれない。若い女の方が理由もなく優しくされるかもしれない。だけど若い女であるだけで貰ったものにはやはり価値なんてない。私は私であるから愛されたい。私は私らしいまま愛されたい。それに気づくのに25年もかかってしまった。
今ははやいところ、若い女じゃなく、かっこいい人間になりたい。
ライター/趙燁(チョー ヒカル)
1993年東京都生まれ。2016年に武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科を卒業。体や物にリアルなペイントをする作品で注目され、衣服やCDジャケットのデザイン、イラストレーション、立体、映像作品なども手がける。アムネスティ・インターナショナルや企業などとのコラボレーション多数。国内外で個展も開催。著書に『SUPER FLASH GIRLS 超閃光ガールズ』『ストレンジ・ファニー・ラブ』『絶滅生物図誌』『じゃない!』がある。twitterやinstagramでも発信。
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