摂食障害だった私が「ダイエット沼」から抜け出すまで|極端な"煽りダイエット情報"とどう付き合うか
あなたは、今の自分が好きですか?「もう少し痩せたら好きになれる」「もう少し胸が大きかったら...」そんなふうに、今の自分ではない"理想の自分"ばかり追い求めて、理想と違う"現実の自分"を傷つけていませんか? 「ボディポジティブ」とは、ありのままの自分の体型や外見を受け入れようというもの。欧米を中心に世界的な盛り上がりを見せています。「痩せていた頃の自分より、今の自分が好き!」そんな吉野さんが考える「ボディポジティブな生き方」とは。
かつて自分のぽっちゃり体型に悩んで大幅な減量をし、摂食障害の経験を経た私が、特に気をつけるようになったもの。それは巷にあふれるダイエット広告やダイエット情報です。過去の私のように「痩せたい」と思うほど過食症がひどくなり、どんどん摂食障害の深みにハマっている人も多いのでは無いでしょうか?
そこで今回は、元・ダイエット沼の住人として、ダイエット情報との向き合い方についてお話していきたいと思います。
SNSでダイエットについて検索してみたら…
15年以上前にさかのぼる高校生の頃、私は雑誌や本やテレビやインターネットからダイエットに関する情報を集めていました。そして色々な方法を試しては失敗し、食べるものを徹底的に制限していった結果、ふつうの食事をとることに嫌悪感や罪悪感を抱いたり、カロリーや体重の数値にこだわりすぎたり、自分のボディイメージを常に悪く捉えて人の目が気になりすぎてしまったり、「ゼロか100か」という思考に陥り、摂食障害になっていきました。
摂食障害から回復していく時には、メディアに溢れるそういった「偏ったダイエット情報」や「自分の体に対してネガティブなイメージを持たせるもの」が私にとってよくないものだと気付き、視界に入ったら意図的にシャットアウトしていきました(私はこのシャットアウトが回復していく上でとても重要だったと感じています)。
そんな私が先日、主催したワークショップのためにダイエット広告について考える機会があり、試しにInstagramでダイエットについて検索してみたところ、ダイエットに関する様々な投稿が出てくるようになりました。
「○○だけダイエット」「1週間でマイナス5kg!」「女優の○○が痩せた方法」「運動なし!食事制限なし!」などパッと見てインパクトがある投稿が多く、アカウントを見てみると、何千・何万人ものフォロワーがいて多くの人が参考にしている様子。すでに痩せているのに「もっと痩せなくては」と思わされてしまうような投稿も多く、時にはキツイ言葉で太っていることを罵るもの、「太っている人が食べるもの、痩せている人が食べるもの」というような投稿もありました(痩せている人、と言っても何をしても体質的に痩せてしまう人もいますし、一概に定義できないもののはず)。
私は今ボディポジティブを支持していますが、誰かを無理に太らせようとか、ダイエットをしたい人を止めようとは思いません。でも、ダイエットについて調べようとすると、どうしてもこのように極端なメッセージや怪しいダイエット商品などの情報を目にすることになります。
無意識にそれらの情報に触れるうち、自分のボディ・イメージに対する認知が歪み、ダイエット依存や摂食障害に繋がってしまうようなものが多いことに危機感を覚えているのです。
2020年になった今、私がダイエットしていた当時よりもさらにSNSが発達して、『いいね』や『リツイート』の機能によって自分以外にどれほどの人がその情報に対して興味を持っているのかも分かるようになりました。さらにどんな情報でも1度「いいね」をしたり投稿をじっくり見ると、似たような投稿が出てきたり関連する広告が出てくるシステムになっているので、これらは情報の沼と言っても過言ではありません。
ポジティブな情報なら良いのですが、それがネガティブな情報だったら…?
今でこそ一歩ひいた視点でそれらの情報を見れますが、もし私がまだ摂食障害で悩んでいて、痩せたい痩せたいと思いながらダイエット情報を探していたら、怪しい情報でもとても影響を受けてしまうだろうなと思うのです。
怪しい情報からどうやって自身を遠ざけるか
次に、どうやってこの極端で怪しい情報から距離をとるか、について考えてみます。
視界からシャットアウトすることや反応しないことももちろん手だと思いますし、「誰が何の目的でその情報を発信しているのか」という視点で考えてみると目先の情報に振り回されることが減るかもしれません。フォロワーを増やしてダイエット商品をPRしていたり、営利目的のサービスに繋がっていることも多いですし、営利目的では無いけれどダイエット依存に陥っているかも?と感じられる人もいます。
そして特に私が気をつけた方がいいと思うようになったダイエット情報は、食事だけを極端にコントロールする方法や、飲むだけで痩せる!と謳う、ダイエットサプリなどの情報。食事をコントロールするものは例えば、○○だけを食べる、断食(ファスティングする)、ドリンクで置き換えをする...など様々あり、効果があったという人もいると思いますが、私は摂食障害の時にこれらの方法を取り込もうとしてかなり悪循環に陥っていきましたし、専門の医師の指導の元でやらないと体調を崩すものもあります。
ダイエットサプリなども、本当に効果のある薬なら病院で処方されたり、世界中でこれだけダイエットに悩む人がいるはずがありませんよね。
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