【決定版】太陽礼拝の歴史・効果・やり方・深めるヒントを世界のトップヨガ講師が徹底解説!

David Martinez

【決定版】太陽礼拝の歴史・効果・やり方・深めるヒントを世界のトップヨガ講師が徹底解説!

ヨガジャーナルアメリカ版の人気記事を厳選紹介!毎日のサンサルテーションのプラクティスで、内から輝き出すような穏やかさと健康を。

太陽礼拝が、現代社会で生きる私たちに「もたらしてくれるもの」

クリストファー・キー・チャプルは、長年8時半からのヨガクラスを8ラウンドのスーリヤナマスカーラ(サンサルテーション太陽礼拝)から始めていた。カリフォルニア州サンタモニカのヒルストリートセンターの生徒たちは、古代のヨギたちが命の源である太陽のエネルギーへの敬意を表したように、太陽に平伏するかのごとく空へ向かって手を伸ばし、大地へと体を折り曲げた。

4つの方向それぞれに向かってシークエンスを繰り返しながら、生徒たちは静かだがパワフルな感謝の儀式を行った。このシークエンスは、体を目覚めさせるだけでなく、「マインドとスピリットを世界の隅々まで引き伸ばすよう呼びかけ、体の動きの中で、宇宙の巨大な広がりを感じ取ることができる」と、ロヨラマリーマウント大学でインドの神学と比較宗教学の教授を務めるチャプルは言う。

チャプルにとって、スーリヤナマスカーラは、太陽への聖なる祈りであるガーヤトリー・マントラの体現に劣らないものだ。「腕を横から上へと伸ばし、体を前へ倒しながら、大地、天、その間にあるあらゆる生命へ敬いの気持ちを向けるんだ」と彼は言う。「体を下げる時に大地とつながる。大地から体を起こす時に、もう一度空中を通って体を空へと伸ばす。手を合掌する時には、自分の体が天と大地の間の中心点となっているのを感じ、天の空間を自分のハートと呼吸に集めるんだ」

こういった深い意図を持って指導されるわけではないが、サンサルテーションはいつどこで行っても、大変パワフルなプラクティスだ。「体からスピリチュアルなところまで、自分という存在のあらゆる側面に再び活力を与えるの」。グローバル・マーラ・プロジェクトの設立者であり、プラーナ・フロウ・ヨガの創始者であるシバ・レイは言う

レイは、「サンサルテーション」という英語訳は、原語の持つ意図や感じを捉えきれていないと考え、サンスクリット名のほうを好む。「ナマスカーラは、お辞儀をし、全存在で認めるという意味なの」と彼女は説明する。「最終的には、体に生命力が吹き込まれるという至福の経験をすることになるわ」
スーリヤナマスカーラは、西洋におけるヨガのスピリットを体現したものでもある。体を強く使いながらも、そこに献身の念を込めることができるのだ。また、昨今のヨガでよくあるように、そこには古代の考え方と、現代的な革新の両方が反映されている。歴史とその意味合いを理解することで、太陽の癒しのエネルギーと神的なものとのつながりがプラクティスにもたらされるのだ。

太陽礼拝の歴史

スーリヤナマスカーラの原形は、ポーズのシークエンスではなく、聖なる言葉の連なりだった。古典的なヨガから数千年前までさかのぼるヴェーダの伝統では、太陽は神的なものの象徴として敬われていた。インドのチェンナイ在住のヴェーダとヨガの研究者、教師であるガネッシュ・モハンによると、伝統的には、日の出とともに太陽を敬うヴェーダのマントラが唱えられていたそうだ。プラクティス全体で 132節あり、実践者は太陽のほうへと横たわることで献身を表し、完全に平伏する。 ところが、現代のハタヨガにおけるスーリヤナマスカーラの起源は、もっと謎に包まれている。モハンは「伝統的なヨガの経典には、サンサルテーションというアーサナへの言及はない」と言う。

それでは、よく知られたこのシークエンスはどこから来たのだろう? サンサルテーションについて言及されている最も古いテキストは、現代のハタヨガの父と称されるT・クリシュナマチャリアによって1934年に書かれた『ヨガ・マカランダ』である。彼が何かの資料からこのシークエンスを学んだのか、それとも、彼自身が考え出したのかは、よくわかっていない。ヨガの研究者であるN・E・シェーマンは、『 The Yoga Tradition of the Mysore Palace 』の初期のテキスト『 Vyayama Di pika (エクササイズに降り注ぐ光)』の中に、クリシュナマチャリアのスーリヤナマスカーラに酷似した動きが含まれる、インド人レスラーのためのアスリート用のエクササイズが描かれているのを見つけている。

どうやら、クリシュナマチャリアは運動競技とスピリチュアルのプラクティスの両方から影響を受けたらしい。呼吸と信仰が重要視されるところが、彼のヨガのアーサナの教えが単なる運動のための練習と区別されるゆえんだ。『From Here Flows the River : The Life and Teaching of Krishnamacharya 』 の(父である、A ・G ・モハンとの)共同執筆者であるモハンによると、クリシュナマチャリアが気にかけていたのは、スーリヤナマスカーラがどんな態度を持って行われるか、ということだった。教えているのがマントラでも、ポーズのシークエンスでも、彼が生徒に伝えようとしていた意図は同じなのだ。プラクティスをする人は、曇ったマインドから闇を取り除く光の源であり、体から病を取り除く生命力の源である、神の象徴としての太陽に礼拝をしているのだ、とモハンは言う。

クリシュナマチャリアは、スリ・K・パタビ・ジョイスアシュタンガヨガの創設者)、B・K・S・アイアンガーアイアンガーヨガの創設者)、インドラ・デヴィ(世界でヨガを教えた初めての西洋人女性)を含む、彼の生徒たちにこのシークエンスを教えた。生徒たちは、国際的に知られる有名な指導者となり、西洋におけるプラクティスに大きなインスピレーションを与えた。その結果、サンサルテーションは現代のプラクティスに欠くことのできないものとなったのだ。

太陽礼拝を深めるヒント

スーリヤナマスカーラを完全に行うためには、4つのことをするべきだとシバ・レイは言う。まず始めは、呼吸に合わせて動くこと。息を吸ったり吐いたりするごとに、ポーズに入ったり、次のポーズへと移るべきであり、決まったペースに無理やり合わせてはいけない。「呼吸を追うという状態に入れたときに、源泉となるものを追っているの」と彼女は言う。「それがヨガの神髄なのよ」。また、スーリヤナマスカーラの意味合いについて考え、太陽への心から感謝する気持ちを感じ取ってみるといい。「太陽の生命力についてじっくり考えることで、シークエンスをより深い次元で行えるようになるの」とレイは言う。

レイは、動きにマントラを加えることもすすめている。「ナマスカーラのスピリチュアルな部分が動きだすのが感じられるの」と彼女は説明する。息を吐くとき、オームのような聖なる音を唱えたり、プラクティスの始まりと終わりにガーヤトリー・マントラを唱えたりするといい。
最後にレイは、時々でも、野外の太陽のもとでプラクティスをするようにとすすめる。「日が昇る時に、太陽の光を体で感じる経験をすることが、とても大切なのよ」

日の出前に行おう

サンサルテーションのプラクティスは、1日のどの時間にも行えるが、特によいのは早朝の時間だとされている。日の出直前の、ブラーマ・ムールタ(神の時間)と呼ばれる時間帯だ。「マインドが最も落ち着いている時間だと言われているんだ。アーユルヴェーダの教えでは、毎日この時間に起きるようすすめている」モハンは言う。
私たちの多くにとって、早朝はあれこれ言われず、気を散らさずに一人になれる時間だ。少し早く起きることで、内側の静けさを感じ、その日のためのより大きな志にエネルギーを注ぎ込むことができる。「1、2時間長く寝たところで、太陽からのエネルギーにはかなわないわ」とレイは言う。「生を祝うことは、スピリチュアル経験のエッセンスなの」

日の出前に起きてヨガのプラクティスをするのが難しかったり、それが不可能だと感じるならば、起きた時間にシンプルな朝の儀式を行うことで、スーリヤナマスカーラの持つ雰囲気を感じ取ることができる。マインドとハートでサンサルテーションをするときの態度を感じ、太陽が昇る方向へ向き、感謝の意を示す正式なお辞儀をしてみよう。「長い冬の間でも、太陽のほうを向くことはできるわ」。レイは言う。「自分のハートの内側に太陽を思い描いてみて。スーリヤナマスカーラのプラクティスの一部は、自分の内側に本物の太陽を見ることなのよ」

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

text by Kelly McGonigal, PhD photos by David Martinez
model by Sarah Tomson Beyer, Cortney Cantrell styling by Lyn Heineken
hair&Make-up by Veronica Sjoen & Tamara Brown / Artist United translation by YUKO
yoga Journal日本版Vol.71掲載

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