ヨガ的に考える「現代のフェミニスト」という生き方

フェミニストの定義

「フェミニスト」とは、シンプルに言うと男女権利を平等にするという考え方を持った人のこと。フェミニストの根底にある考え方には「女性が男性よりも優位に立つこと」を目的にしているわけではなく、性別に関係なく平等な機会が与えられることや、各々が自由に生きられる権利を主張します。つまり、女性でも男性でもそういった考え方を持った人は「フェミニスト」ということになります。

ここ数年「#Metoo運動」や「#Kutoo運動」などで注目を集めるようになったフェミニストたちですが、実はその歴史はとても長く19世紀までさかのぼります。しかし、時代が進むにつれて生き方が多様化しそのフェミニストの考え方、在り方も変化を遂げていきます。

現代のフェミニストは多様性を認めることを主張する

性別を問わない権利の尊重を掲げたフェミニストたちの運動は、19世紀からアメリカ・イギリス・フランスなどで始まったと言われてます。日本では、大正デモクラシーなど近代国家へ向かう過程において、女性の参政権を求める運動が起きたことがフェミニストの始まり。初期のフェミニストの主張は、男性や特権階級のみに認められていた権利を取り戻すという意味合いが強い傾向があります。

1990年代に入ると、アメリカのフェミニストを中心に、女性の地位向上だけでなく、性別・人種・価値観などの違いを認め合う社会を主張するようになりました。それが2020年現代のフェミニズム運動に繋がります。

「男性だから、女性だから」という考え方、固定概念にとらわれない生き方を提唱しているのが現代版のフェミニストと言えるでしょう。

フェミニズムをヨガ的に考える

ヨガの経典には「他人に対しても自分に対しても、暴力的な言動を慎む」といった意味を持つ「アヒムサ（非暴力）」という言葉があります。ヨガ的な考え方では、物事や起こっていること、全てのことに対して「善し悪し」とか「正誤」を判断することはしません。これは自分にも他人にも優しくするというアヒムサの教えにも繋がります。

生きていれば何かしらの差別や偏見を味わったことがあるという方は少なからず存在します。しかし、それも人によって考え方や価値観が違うということも理解しなくてはいけません。100人いれば100通りの考え方があり、自分が「不平等だ」と感じることが隣の人にとって不平等とは限らないということ。たとえ、自分が良いと思っている行いや考え方でもそれまでの環境や生き方によって異なる考え方を持った人もいるということを覚えておくと、アヒムサの教えに沿って他人にも優しい生き方をすることができます。異なった考えを持った人のことも受け入れながら、自分の生き方や考え方はしっかり持ち、主張すること。それがヨガ的フェミニストとして平和を保てる楽な生き方に繋がるのではないでしょうか。

ライター／桑子麻衣子

シンガポール在住8年のライター/Webクリエイター/ヨガインストラクター（全米ヨガアライアンスRYT200保持）。3歳の娘Emmaと夫と3人暮らし。妊娠、出産、育児を経験しヨガを深めたいとインスタクターの資格を取得。Webメディアを中心に記事を執筆しながら、人にも地球にも優しいサステイナブル（持続可能）な暮らしの実践を目指すウェブメディア「House of Emma」を運営。ヨガの教えに基づいた「誰でもどこでもできる」をキーワードに、それぞれの暮らしに寄り添ったエコフレンドリーなファッション、ビューティー、ライフスタイル、ヘルスケア、旅行の提案をしている。 House of Emma: https://house-of-emma.com/

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。