精神科医・臨床心理士が語るヨガの話|心理学とヨガ哲学は違う?ヨガ講師に必要なメンタルの知識・前編
精神科医の中野輝基さん、麻酔科医の中野陽子さん、そして教育現場を中心として活動する臨床心理士の太田千瑞さんと、太田さんと同じく臨床心理士の筆者。様々なバックグラウンドを持つ4人の共通点は、ヨガ講師である事。メンタルヘルスの現場に関わる専門家という立場から、ヨガとメンタルヘルスの関係性、メンタルヘルスとヨガをどうつなげていくかということについて鼎談している様子を、シリーズでお伝えします。
メンタルヘルスの知識、どれくらい伝える?
南(以下、南):今日は、【ヨガインストラクターはどれくらいメンタル関連の知識を持っておくべきなのか?】というテーマでお話ししていこうと思います。輝基先生はこれまでもヨガの先生を目指す方にメンタルヘルスの知識を伝える機会があったと思いますが、実際伝えていく中で、感じた事や考えた事って何かありましたか?
中野輝基さん(以下、輝基):そうだね。ヨガとメンタルって親和性があるものだと思うけど、メンタルについてヨガの世界で取り上げられるようになったのは、最近なのかな?ヨガの先生たちに伝えていくに当たって、どこまで詳しいことを言うのかは、毎回相当悩みます(笑)。例えば、僕が持っている知識を詰め込むような感じになっても、生徒さんに還元できるのかって言ったらそうではないからね。
南:知識を得るのと、それを実践していくのとでは、伝える内容も伝え方もちょっと変わりますよね。
輝基:教える側からすると、こうやって診断して、こういう症状であればこういう薬飲むんですよって言うような知識を詰め込むことの方がラクなんですよ。でも、それを聞いている方はどうだろうなって。
中野陽子さん(以下、陽子):それがヨガとどう繋がるの?ってなりそうですよね。
輝基:どんな形でメンタルの知識を伝えていけばいいのか、悩ましいところですね。でも同時に、メンタルの分野を広く知ってもらえるということにやりがいも感じています。
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