深い孤独の果てに…共に"独り"を生きるためのインスピレーション

 深い孤独の果てに…共に"独り"を生きるためのインスピレーション
Adobe Stock

徹底的に孤独で過ごした1年間に、ある男性は精神性、自然とのつながり、そしてコミュニティが紛れもなく必要であることを学びました。

広告

私は新型コロナウィルスの影響で、過去4週間フランス南西部の村で自主隔離し、今回の記事を執筆しています。現在、私たちの多くは強制的に独りぼっちとなり、継続的に独りでいることを学ぶ機会を与えられています。私の書籍「The Art of Solitude」の中で、2001年に世界で最も辺ぴな場所の一つでたった独り過ごしたカナダ人のロバート・カルについての話を紹介しています。彼がそこで学んだレッスンから、ロックダウンの最中、自宅で過ごす私たちはもっと賢く生活する術を知ることができるかもしれません。

深い孤独の中で

2001年2月5日(月)、チリ海軍の巡視船が、パタゴニアの南端にある雨風が吹き荒ぶ小さな無人島にロバート・カルと子猫を降ろしました。そして彼の建築資材と物資を入れた箱を浜辺に降ろすと、船は去って行きました。

やがて辺りは暗くなりました。ボブ(ロバートの愛称)はいくつかの材木と合板を高台に運び、テントの土台を作り、子猫を段ボール箱の中に入れ、夜に向けて準備を整えました。54歳のとき、彼はここで1年だけを過ごすつもりでした。そこから最も近い居住地はプエルトナタレスで、通行できない山とフィヨルドを超えた60マイル先に離れています。

ボブは以前も荒野で独り生活をしていました。20代後半、伐採の仕事を辞め、カヌーを購入し、3か月間カナダの奥地を目指して漕ぎました。彼は後にこう綴っています。「深い孤独というのは奇妙でパワフルで時には恐ろしいものです。ブリティッシュ・コロンビア州北部で迷いそうになりました。誰にも見られていないことにより、自らのアイデンティティーを維持できず、積極的に自給自足しようという気持ちが崩れて行きました」。しかし、自らの存在意義の崩壊によって、数週間にも及ぶ自然との不思議なつながりという甘美な経験を得ることができました。そうしてある日、彼は自然の中で1年間たった独り生活することを決意しました。

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

広告

Translated by Hanae Yamaguchi



RELATED関連記事