「どうして私ばっかりこんな目に」苦しみを和らげる方法とは

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なぜあなたは苦しいのか。その苦しみを和らげる方法

KATE HOLCOMBE
KATE HOLCOMBE
2018-01-31

パタンジャリは『ヨーガ・スートラ』の第2章節で、ドゥッカム(苦しみ) の原因のあらましを述べている。まず、最初の原因はパリナーマ(変化)である。まだ遊んでいたいのに公園から早く帰ることにしろ、仕事を失うことにしろ、自分を取り巻く状況が変わり、そこからマイナスの影響を受けるようなときに、人は苦しみを感じる。

苦しみを生かすヨガの教えとは
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第2の原因は、タパス(切望)だ。苦しみは、おもちゃにしろ、仕事上での昇進にしろ、望むものが何であれ、自分にないものを欲しいと願うときに生じる。そして第3の原因が、サマ スカーラ(習慣)である。自覚しているかいないかにかかわらず、自分の役に立たず、障害となるようなパターンや行動を繰り返しているとき、人は苦しみを感じるのだ。そして、第4の原因は、これらよりもう少し複雑だ。本質的には、それはグナとして知られている、体の中のつねに変動し続けるエネルギーのバランスのことだ。子どもが昼寝をしなかったために、疲れ過ぎて異常に興奮したり、真夜中に目が冴えていて、昼間にあくびをしていたりするようなときに、そのバランスが崩れているのがわかる。

苦しみに対処はできても、逃れられる人などいない

ヨーガ・スートラ』全体を通してパタンジャリは、あらゆる原因によって生じる苦しみを和らげるために、ものごとをより明確に知覚する力を培う、さまざまな手段を与えてくれている。ものごとを明確に知覚できればできるほど、そして内側の「自己」が宿る、静かな場所との結びつきが強くなればなるほど、落ち着きが増し、状況の変化や、満たされない願い、自分のためにならないようなパターンなどに対して、より穏やかな気持ちで応じることができるのだ。

とはいえ、いかに熱心にこの努力を続けたとしても、すべての苦しみを免れるわけではない、とパタンジャリは言う。苦しみから逃れられる人などいないのだ。その理由のひとつは、グナの変動が、体内の必須な状態の一部分であるためだ。それゆえ、ヨガの最高の段階にまで達した人々でも、それが原因で生まれる最小限の苦しみは感じているわけだ。つまり、パタンジャリは、苦しみとは、どんな人も避けることができず、その影響を受けない人はなく、どこにでも存在するということを教えてくれているのだ。

これは実際には、それほど無慈悲なことではない。『ヨーガ・スートラ』は、全体を通して苦しみを和らげるための手引書のような印象があるが、第2章節では、この苦しみを避けられないという状況を、希望を持ってとらえることを教えてくれている。なぜなら、思いやりの気持ちは、他の人が経験している喪失や不幸、困難が、いつ自分の身に起きてもおかしくないことを知っているときのほうが、育まれやすいからだ。

Translated by Yuko Altwasser
yoga Journal日本版Vol.29掲載

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