従業員の健康に力を入れる企業が増加中!?「健康経営」について学ぼう

 従業員の健康に力を入れる企業が増加中!?「健康経営」について学ぼう
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最近では「健康経営」を経営や戦略の柱として従業員の健康に力を入れる企業が増えてきています。特にこれから新しい仕事を探したい人や、ヨガや瞑想のクラスを企業に提供したいと考えているインストラクターにはなくてはならない視点です。

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健康経営とは?

「健康経営」とは、企業等の組織が働く人の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。昨今、組織の規模に関わらず多くの企業が取り組んでおり、経済産業省が認定する「健康経営優良法人」や、投資対象としての「健康経営銘柄」という言葉も生まれています。

双方のメリット

企業による従業員の健康に対する投資や気配りがされることで、従業員は心身ともに健康に長期間働くことができます。また、企業にとっても、従業員の生産性向上、組織の活性化、業績向上などのメリットがあると言われています。

従業員の健康状態が悪いことが原因で労働生産性が低くなっている状態を表す言葉として「プレゼンティーズム」と「アブセンティーズム」がありますが、健康経営への取り組みをすることで改善を図ることができます。

プレゼンティーズムとは?

プレゼンティーズム(Presenteeism)は、健康上の理由で十分なパフォーマンスを発揮できていない状態を言います。たとえば、二日酔いがまだ残っている状態で出社した経験がある人も多いかもしれません。健康な状態で働いている時とはパフォーマンスに差が出たり、「ただ会社に来ている状態」になってしまったことはありませんか。睡眠不足や体調不良の状態から一時的にでも抜け出そうとしてカフェイン飲料等を多用し、さらに体調を壊すということもあります。

アブセンティーズムとは?

アブセンティーズム(Absenteeism)は、病欠で働けていない状態のことを言います。従業員個人にとっても、病欠している人の仕事を穴埋めする他の従業員にとっても深刻な事態で、チームや会社の業績にも悪い影響が出ます。

ある企業の試算によると、2000人規模の企業での試算で、プレゼンティーズムによる損失が年間90億円、アブセンティーズムによる損失が年間2億円という結果が出ており、実際に病欠まで至っていない従業員でも、労働生産性の悪化による影響はかなり大きいということがわかりました。

健康経営の取り組み例

・食物/栄養
(例)栄養に関する研修、メニューを変える(健康的なメニューの開発、ベジタリアン・ビーガンメニューを週に何回か提供する)、食事の提供方法を変える(自分でご飯を取り分け、計測する)等

・睡眠時間
(例)睡眠に関する研修、睡眠報酬制度を導入する、通勤時間を減らす(通勤時間やそのストレスを減らす(時差通勤、フレックス制度、在宅勤務))等

・カフェインや嗜好品を減らす
(例)コーヒーではなくノンカフェインのお茶を提供する、飲み会を減らしてランチに切り替える、社内を禁煙にする、タバコを吸わない人にボーナスを加算する等

・メンタルヘルスの向上
(例)カウンセラーやメンター制度の導入、瞑想やヨガができるスペースを設置したりクラスを実施する、社内に静かに作業できるスペースを設ける等

・スポーツの奨励
(例)部活動やレクリエーション活動、スポーツ大会参加への助成金、社内での運動会やマラソン大会開催等

このような取り組みは大企業に限らず、まだあまり知名度のない新興企業や中小企業でも増えてきています。経済産業省が認定している健康経営優良法人の認定法人についてはこちらから見ることができます。

健康経営の視点は仕事を探す時の企業チェックに使えますし、インストラクターとして企業にヨガクラスを売り込む際にも、企業側のメリットや費用対効果について伝えられると説得力が高まります。ぜひ活用してみてください。

ライター/佐藤彩有里
国家資格キャリアコンサルタント。バルーン・コンサルティング代表。高輪こころのクリニックカウンセラー。企業での社内・社外相談や個人向けキャリアコンサルティングで多くの方の悩みに寄り添っている。MBTI®認定ユーザー/POMS(TM)認定ユーザー/龍村ヨガホリスティックヘルスコンサルタント/A/CRA/FT ASIA事務局

 

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