謎多き孤島「イースター島」での36時間|6年間世界を旅した夫婦の記録⑤
島中あるのですぐに見つかります。これが憧れていたモアイ像!私は驚きと感動で「うわあああ」と言ってから全く動けず。ダンナ曰く全然モアイ前から動かなかったようです。モアイは元々村の守り神として作られたという説があります。ドッシリ毅然と構えるモアイを実際見ると何かの盾なってくれそうな力強さを感じます。守り神の説は当たっているのではないかな…。
目があるモアイを発見!モアイのイメージは、細長くて、目がくぼんでいたけれど、どうやら元々は目玉があり色も塗られていた…と現地の人が教えてくれました。上の写真はそれを再現したモアイ。急にお茶目な印象に。
さてモアイ。実は島中至るところにあります。一体だけだったり、15体だったり作りかけだったり。それが自然とモアイを溶け込ませたかのようにいい景色に立っています。
その風景を見て見てダンナが、「このモアイと共に風景の1日の移り変わりを撮影したい」と言いだしました。「あはは、何言ってるのー」と笑いながら返したら彼は本気でして。全く予期せぬことですが、まさかリゾートにもなる南国イースター島で、突然36時間撮影が開始されました。
イースター島で野宿36時間撮影
「Ahu Vai Uri」というモアイの場所。ここで私達は1日の移り変わりを撮影することにしました。タイムラプスという手法で、数秒ごとに写真を撮り全てを繋げると雲などの流れが早い映像ができるもの。同じ位置で行うことで移り変わりがわかります。その為カメラは動かせません。基本ずっと待機するのはダンナ。
私は朝昼晩とキャンプ場でご飯を作ってここに運んだり、バッテリーを充電しに帰ったりする補給係。そしてそれ以外の時はダンナとジッと待機です。
最初はどうなるかと思った36時間野宿撮影。過酷かと思いきや逆に心癒される時間でした。イースター島は島に来る手段が少ないため観光客が少ないのです。ポカポカ陽気の中静かで広大な景色。犬が寄ってきたり、野馬が走ってたりをのんびり見る。憧れのモアイを独り占めにしている気分にもなれます。風景をただただ二人眺めてぼーっとします。それだけで癒されるしとても贅沢な時間でした。
可愛い敵
寝る時もカメラから離れられないので野宿。私達が行ったのは4月。昼間は暖かいが朝は少し寒い。マットをひいて寝袋に包まってゴロンと空を見つめます。
撮影をしているので明かりはつけない。周りにはホテルも何もないので真っ暗闇。すると、遠くの方からパカラッパカラッと馬の音が徐々に近づいてくる。「これ、踏まれるんじゃない?!」とふたりでハラハラ。そんな救世主が犬。撮影中ずっと側にいた犬がいて、馬が近づく度にワンワン追い払ってくれました。「ほんといい子だね、おいでおいで~」とダンナが褒めようとしたら、犬がカメラの三脚にドンっとぶつかって帰ってきた。「あああ!」まさかの伏兵がこんな所にいた…犬は尻尾を振ってほめられ待ちしているので怒れず。敵は気づかない所にいるものです。
そんなトラブルもどうにか切り抜け、1日分の24時間より多めに撮影して結局36時間。無事終了です。1日の移り変わる景色の写真。こんなにも景色に表情があるのです。
旅に出て、空を眺める機会がとても増えました。単に暇だから。といえばそれだけだけど、それが私達にとってはとても嬉しい。雲が流れ、雨が降り、風が吹いていく。壮大な景色にうっかり涙しそうにもなったり。世界は本当に素晴らしいことを思い出します。今まで見てきたはずなのに見逃してきたもの。それを思い出させてくれるのも旅なんだなあと二人でしみじみ語った36時間撮影でした。
※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く