男性にヨガが効く理由【ヨガハワイマガジン】
ハワイのヨガマガジン「Yoga HAWAII Magazine」人気記事をヨガジャーナルオンラインが独占配信! 今回は、「Yoga HAWAII Magazine」編集長のエリック・ロッソ氏による手記。これを読んだら、これまでヨガに抵抗があった男性も、ヨガを始めたくなるはず!
ヨガは女性がやるもの? という固定観念
五歳の頃、僕と兄は空手を習いたかった。だが父からは先にバレエを5年間習うように言われ、僕らはそれに従った。バレエを習っていた最後の年(10歳の時)にシンデレラで王子役を踊ることになった。僕はどうか知り合いが観に来ないようにと祈った。バレエをやっていることを誰にも知られたくなかったからだ。話は飛んで、大人になってからヨガを始めた時も、同じ気恥ずかしさがあった。人には、カレッジでフットボールやウエイトリフティングやサイクリングやジョギングや水泳をやっていると話し、ヨガについては言わないようにしていた。
僕たちは生まれた時から、男はあれをすべき、女性はこれをすべきといった社会の暗黙のルールに縛られている。それが人間である定めかもしれないが、人間だからこそ、それらのルールを打ち破ることもできる。誰もがヨガの利点を認めているのに、それでも男性がヨガを敬遠するのは、性別をめぐる固定観念が大きな原因の一つだろう。ヨガは“女性がやるもの”で、“マッチョな男がやるものではない”というやつだ。だが最近はこういった既成概念の多くが破られつつある。
男性プロアスリートたちがヨガを取り入れるように
おかしな話だが、バレエのことを友人に知られるのを恥じていたにもかかわらず、クラスに行けば必死で練習していた。それはヨガマットの上でも同じだった。クラスを心待ちにして、もっとうまくなりたいと思っていた。僕はそれほど柔軟ではないが、クラス後の心地よさをもっと味わいたいと思った。そのバランスがとれた感覚と穏やかさは、他のどのスポーツやトレーニングでも得られなかった。
最近はサーフィンやボディビルディング、トライアスロン、ゴルフなど、様々なスポーツの男性プロアスリートたちがヨガをトレーニングに取り入れるようになり、メンズヨガへのタブー視がついに、そして急速に消えつつある。例えば、前フィラデルフィア・イーグルスでのプロフットボールプレイヤーで、ハワイ大学のフットボールコーチを引退したリッチ・ミアーノは、今や熱心なヨギだ。55歳の誕生日を目前にして、以前のような引き締まった体型に戻りたいと決意した彼は、コアパワーヨガの存在を知ると、ほぼ毎日クラスに参加した。特に彼が気に入った、体幹を鍛える「ヨガスカルプ」というコアパワークラスは、メンズジャーナル誌の2018年ワークアウトのトップ10にも選ばれている。そして誕生日を迎えるまでにリッチは14キロもの減量に成功した。
「最高だよ。筋肉が引き締まって腹筋も割れたんだ。それに、これから何年もできる練習に出会えたことがうれしいよ」
ご存じだろうか? 実は1937年にインドラ・デヴィという女性が名高いヨギから練習を許されるまでは、ヨガを練習していたのは男性だけだった。また今日では、ヨガを練習する男性は全体の30パーセントにも満たないが、2016年に実施されたヨガアライアンスとヨガジャーナル誌による調査では、アメリカでのヨガ指導者のほぼ半分は男性なのだ。この事実は非常に興味深い。
今回の記事では男性がヨガを実践する場合の利点を挙げているが、通常の記事は(妊娠や更年期、ケーゲル体操などに関わるものを除いて)男女を問わず書かれている。ぜひヨガハワイマガジンを訪れて、ヨガの恩恵に関する以下の記事を読んでみてほしい。
Yoga Relieves Stress / By Salina Storozuk
Yoga and the Beginner / By Alana Michele
Yoga and Weight Loss / By Kamala Skipper
Yoga and the Athlete / By Megan Edgar
Yoga for all Body Types / By Rebecca Remillard
I’m Too Inflexible To Do Yoga / By Stephanie Keiko Kong
ヨガがもたらす7つの恩恵
1. ヨガは柔軟性を高める。一般的に男性の身体は女性ほど柔軟ではないため、プロアスリートたちがヨガを練習する大きな理由の一つは柔軟性を向上させるためだ。ケガの予防にもなり、トレーニングの効果も上がる。週末だけ運動を行う人も、ケガを避ける重要性はわかるはずだ。
2. ヨガは可動性を広げ、それによって大きな筋肉群が鍛えられる。柔軟性とは少々異なる話だ。例えばウエイトリフターは可動域が狭くなりやすい。持ち上げるウエイトが重くなるほど、筋肉群が締まるためだ。ヨガで可動域が広がると筋肉が発達し、引き上げたり押したりする動作がより自由に行えるようになる。
3.ヨガの練習では強度が高くなるほど、呼吸を早めずにむしろゆっくり行う。ここがランニングや他の運動と大きく違う点だ。ゆったりした呼吸はマインドを鎮めるだけでなく、深く息を吸うことで肺活量が増し、少ない呼吸数でより多くの酸素を取り込めるようになる。効果的に酸素を身体に入れる呼吸法は、筋力トレーニングや心筋効率、筋肉アップに欠かせない要素だ。
4.ヨガでマインドと身体が繋がると、ストレスや不安が軽減されるだけでなく、減量や睡眠改善にも効果があることがわかっている。つまり深夜に冷蔵庫を開けたい誘惑にも勝てるようになる。
5. アスリートの多くは練習計画の中に身体を軽く動かすだけの日を取り入れている。ヨガはまさにうってつけだろう。また、しっかり動きたい時にはそういうヨガのスタイルもある。何より特別な道具はいらない点が最高だ。
6. ヨガに親しむほど、ヨガ哲学に触れる機会も増える。トピックは様々だが、内なる自分や自我、繋がり、感謝、良いカルマを広げることについて学ぶことができる。お金、女性、車で頭がいっぱいの “マッチョたち”(おっと、僕も固定観念の塊だ)にもバランス感覚をもたらしてくれるはずだ。
7. ヨガはセックスにも効果がある。メンズフィットネス誌によると、ヨガの練習によってセックスの質も長さもアップするという。集中力が高まると性エネルギーと繋がりやすくなり、早漏れを防ぐだけでなくパートナーへの思いやりや責任も増す。もちろん柔軟性も功を奏するだろう。
バレエを5年習った後も、空手の練習を始めることはなかった。代わりに僕は、ポップワーナーフットボールでプレイをした。今だから言えるが、バレエをやっていたからこそ僕はスタープレイヤーになれたのだと思う。そしてフットボールのおかげでアイビーリーグの大学に進むこともできた。最近は、ウエイトルームで延々と鍛えることもなくなり、長距離ランも関節への負担を考えるようになった。ヨガとの付き合いが長くなるのは予想していたが、年齢を重ねるにつれ身体にますます合ってきている。自分でも年齢より若く感じるし、これから先もアクティブに過ごせる自信がある。ぜひクラスで会おう!
この記事を書いたのは…エリック・ロッソさん
コアパワーヨガの200時間認定ヨガインストラクター。2013年からヨガとウエイトトレーニングを組み合わせた「スカルプ」クラスとパワーヴィンヤサを教えている。彼自身もアスリートとして幼い頃からフットボール、野球、バスケットボール、バレエを経験している。フットボールの才能が認められてブラウン大学に入学。現在もヨガやサイクリング、水泳、ランニング、ウエイトリフティングを精力的に実践している。アスリートたちに教えられる仕事に情熱を注ぎながら、仲間達を身体的、精神的にサポートできて最高に光栄だと感じている。
ヨガハワイマガジン/「Men and Yoga」
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