「とうもろこし」は野菜と主食の中間。米との栄養価の違いを管理栄養士が解説
プチっと弾ける食感と、ジューシーな甘味が特徴の「とうもろこし」。旬を感じられる食材として、夏の食卓でも人気があります。ところで、「とうもろこしって野菜なの?」「ごはんの代わりになるの?」と疑問に思ったことはありませんか?この記事では、とうもろこしは米の代わりになるのか、白飯との栄養価の違いや食べ過ぎによる注意点、上手な取り入れ方について管理栄養士が解説します。
とうもろこしは米の代わりになる?
結論からいうと、とうもろこしを米の代わりとして食べることはできますが、量や組み合わせを工夫することが大切です。
そもそも「主食」とは、ごはん、パン、麺など、主に炭水化物を供給する食品を指します。炭水化物は「糖質」と「食物繊維」を合わせたもの。とうもろこしにも糖質と食物繊維が含まれているため、主食として必要な炭水化物を含む食品といえます。
ただし、同じ炭水化物を含む食品でも、食品によってエネルギーや栄養素の量は異なります。
では、とうもろこしと白飯では、どのような違いがあるのでしょうか?
とうもろこしと白飯の栄養価を比較
日本で一般的に食べられているとうもろこしは「スイートコーン」と呼ばれる甘味種です。食品成分表では野菜類に分類されています。
ゆでたとうもろこしと白飯を100gあたりで比較すると、以下のような違いがあります。
・とうもろこし1本(可食部ゆで)200g
エネルギー190kcal、たんぱく質7.0g、脂質3.4g、炭水化物37.2g、食物繊維6.2g
・精白米(めし)150g
エネルギー234kcal、たんぱく質3.8g、脂質0.5g、炭水化物55.7g、食物繊維2.3g
とうもろこし1本(可食部200g)と白飯150gを比較すると、とうもろこしのほうがエネルギーと炭水化物が少なく、食物繊維が多いことが分かります。そのため、普段食べている白飯をすべてとうもろこしに置き換えると、食事全体のエネルギーや炭水化物が不足する可能性があります。
一方で、普段から白飯を多く食べている人や、食事全体のエネルギー量を抑えたい人にとっては、白飯の一部をとうもろこしに置き換えることで、エネルギーを抑えながら食物繊維を補うという取り入れ方もできます。
ただし、必要なエネルギー量は年齢や性別、身体活動量などによって異なります。とうもろこしを取り入れる際も、自分に必要な食事量に合わせて調整しましょう。
とうもろこしは「野菜」と「主食」の中間?
とうもろこしは、野菜の中では比較的エネルギーや炭水化物を多く含む食材です。
一方で、日本人が主食として食べる白飯と比較すると、エネルギーや炭水化物は少なく、食物繊維は多く含まれています。
そのため、日本で一般的に食べられているスイートコーンは、栄養的な特徴から見ると、野菜と主食の中間地点と言える食材になります。
ただし、「野菜の中では高エネルギーだから、白飯と同じように食べればよい」というわけではありません。
とうもろこしを主食として食べる場合は、ほかの主食やたんぱく質源、野菜などと組み合わせ、食事全体のバランスを整えることが大切です。
とうもろこしを食べ過ぎるとどうなる?
とうもろこしは食物繊維を豊富に含む食材です。その量は実はさつまいもより多く含まれています。
・とうもろこしとさつまいもの食物繊維の量
とうもろこし(茹で)100g 食物繊維総量3.1g
さつまいも(蒸し)100g 食物繊維総量2.3g
食物繊維は、便通を整えたり、食後の血糖値の上昇を緩やかにしたりするなど、様々な健康効果を持つ栄養素ですが、一方で、消化・吸収されにくいという特徴があります。
そのため、一度に大量に摂取すると、人によっては消化器官に負担がかかり、腹痛やお腹の張り、下痢などにつながる可能性があります。
とうもろこしはどう取り入れるのがいい?
とうもろこしを白飯と完全に置き換えて食べることもできますが、一般的なスイートコーンは白飯と比べてエネルギーや炭水化物が少ないため、ほかの主食や食品と組み合わせて食べるのがおすすめです。
特におすすめなのが、とうもろこしを白飯と一緒に炊き込む「とうもろこしごはん」です。
白飯にとうもろこしを加えることで、とうもろこしの甘味や食感を楽しみながら、主食として必要なエネルギーや炭水化物も確保しやすくなります。
また、とうもろこしをパンやバゲットなどと組み合わせたり、主菜や副菜の一部として取り入れたりするのもおすすめです。
高エネルギーな食品との組み合わせにも注意
とうもろこし単体では白飯よりエネルギーが低いものの、ほかの主食や脂質の多い食品と組み合わせる場合は、食事全体のエネルギー量に注意が必要です。
例えば、白飯150gととうもろこし200gを一緒に食べると、合計で約424kcalになります。さらに、とうもろこしはバターやチーズなどの脂質を多く含む食品とも相性がよく、調理法によってはエネルギー量が増えます。
もちろん、必要なエネルギー量は人によって異なるため、「とうもろこし=太る」というわけではありませんが、大切なのは、とうもろこしだけを見るのではなく、その食事全体でどのくらいのエネルギーを摂取しているかを考えることです。
まとめ
とうもろこしは、米の代わりとして食べることができる食材です。
ただし、日本で一般的に食べられているスイートコーンは、白飯と比べてエネルギーや炭水化物が少ない一方、食物繊維を多く含んでいます。
そのため、白飯をすべてとうもろこしに置き換えるよりも、白飯と組み合わせたり、食事の一部として取り入れたりするほうが、エネルギーや栄養素を調整しやすくなります。
また、とうもろこしには食物繊維などの栄養素が含まれていますが、どんな食材でも単体ですべての栄養素を補うことはできません。
とうもろこしを主食として楽しむ場合も、肉や魚、卵、大豆製品などのたんぱく質源や、野菜、海藻、きのこなどを組み合わせ、バランスのよい食事を心がけましょう。
旬のとうもろこしは、甘味や食感を楽しみながら栄養も補える、夏におすすめの食材です。白飯との違いを知ったうえで、上手に食卓へ取り入れてみてください。
〈参考文献〉
食品成分データベース
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