朝の「トースト」にのせるだけ。腸の“菌のリレー”を助ける組み合わせ2選|管理栄養士が解説
ヨーグルトや納豆などを取り入れる腸活は、すっかり定番になりました。最近は、食材の組み合わせ方に注目した新しい腸活の考え方が研究されています。それが、腸内細菌同士が協力して働く「菌のリレー」という仕組み。ある菌が作ったものを次の菌が利用しながら、腸内環境を整える働きがあるとされる短鎖脂肪酸が作られると考えられています。 そのため、菌そのものだけでなく、菌が働きやすい食材の組み合わせを意識することも、腸活のひとつのポイントです。そこで今回は、朝のトーストにプラスするだけで手軽に取り入れられる、進化系の腸活トッピングを2つご紹介します。
「菌のリレー」を意識した、進化系腸活とは
腸内で食物繊維から体に良い短鎖脂肪酸が作られるまでには、複数の菌がバトンをつなぐように働く「クロスフィーディング(菌のリレー)」が起こると考えられています。
食物繊維を利用する菌が、まず栄養となる物質を作り、それを乳酸菌やビフィズス菌などが利用して乳酸や酢酸を産生します。さらに、それらを別の菌が利用して酪酸などの短鎖脂肪酸が作られるという流れです。
このように、一種類の菌だけを増やすのではなく、菌同士が働きをつないでいける環境を整えることが、進化系の腸活の考え方。こうした「菌のリレー」を意識した食事は、お腹の調子を整える工夫のひとつとしても注目されています。
パンを変えるだけで、ビタミンB1もプラス
菌のリレーがうまく働くためには、腸内細菌だけでなく、腸そのものが元気に働ける環境も大切です。その鍵を握る栄養素のひとつがビタミンB1。
ビタミンB1が不足すると、腸内環境を整える働きがあるとされる酪酸を作る菌が減ってしまう可能性があるとする研究報告があります。実際に、ビタミンB1の摂取量が多い人ほど便秘の割合が低かったという調査結果も報告されており、ビタミンB1は腸の状態とも関わりの深い栄養素と考えられています。
朝食でビタミンB1を取り入れたいときは、トーストに使うパンを見直してみるのもひとつの方法です。
文部科学省の食品成分データベースによると、食パンのビタミンB1は100gあたり0.07mgですが、ライ麦パンでは0.16mgと食パンの2倍以上含まれています。腸活を意識する朝食の、取り入れやすい工夫のひとつです。
バナナ×水切りヨーグルト
材料は、食パン、バナナ1/2本〜1本、水切りヨーグルト100gです。
ザルにキッチンペーパーを敷き、ヨーグルトをのせて30分ほど冷蔵庫で水気を切り、水切りヨーグルトを作り、ライ麦パンに水切りヨーグルトを塗り、バナナをのせて完成です。
バナナには、腸内細菌のエサとなるフラクトオリゴ糖が含まれているとされています。水切りヨーグルトに含まれる乳酸菌と組み合わせることで、乳酸菌とそのエサを一緒に取り入れられる組み合わせです。
筆者自身、水切りヨーグルトは手間がかかると思い込んでいましたが、30分ほど水切りするだけでも、トーストに塗りやすいほどよい固さになりました。
より濃厚な味わいを楽しみたい場合は、一晩冷蔵庫で水切りするのもおすすめです。
納豆×チーズ
材料は、食パン、納豆1パック、スライスチーズ1枚。
ライ麦パンを軽くトーストし、納豆とチーズをのせ、お好みで軽く焼いて完成です。
納豆には納豆菌、チーズには乳酸菌が含まれています。さらにライ麦パンの食物繊維も合わせることで、腸内細菌が利用する材料と発酵食品を一緒に取り入れられる組み合わせです。
菌のリレーを意識して、お腹スッキリの習慣を
今回ご紹介した「菌のリレー」の考え方は、発酵食品を食べるだけではなく、食材の組み合わせまで意識する新しい腸活の視点です。
今回のレシピはその一例ですが、組み合わせ次第で、まだまださまざまなアレンジが楽しめます。
また、トッピングだけでなく、パンをライ麦パンに替えるなど、主食を少し工夫することも腸活のひとつです。毎日の朝食に無理なく取り入れながら、自分に合ったお腹スッキリ習慣を見つけてみてはいかがでしょうか。
参考資料
・Zhang X, et al. Lactate cross-feeding between Bifidobacterium species and Megasphaera indica contributes to butyrate formation in the human colonic environment. Appl Environ Microbiol. 2024.
・Park S, et al. Dietary Vitamin B1 Intake Influences Gut Microbial Community and the Consequent Production of Short-Chain Fatty Acids. Nutrients. 2022;14(10):2078.
・Du L, et al. The association between dietary vitamin B1 intake and constipation: a population-based study. BMC Gastroenterology. 2024;24:171.
・文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年版」公益財団法人腸内細菌学会「用語集 フラクトオリゴ糖」
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