その疲れや記憶力の低下、本当に年齢のせい?知っておきたい「小麦」と脳の深い関係

その疲れや記憶力の低下、本当に年齢のせい?知っておきたい「小麦」と脳の深い関係
AdobeStock

しつこい疲れ、便秘や胃腸の不調、花粉症などのアレルギー症状…原因不明と思われた体の不調、その原因は小麦だった?!本間良子(ほんま・りょうこ)さんの著書『小麦抜きのすすめ 3週間の脱小麦であなたの体に奇跡が起きる!』(アスコム)より内容を一部抜粋して紹介します。

Google Newsでヨガジャーナルの記事が見つけやすくなります

Googleに登録する
広告

小麦が「脳」をダダもれさせる

小麦に含まれるグリアジンによって分泌されるゾヌリンは、血流に乗って脳にいたる場合がよくあります。でも、脳には本来「血液脳関門」と呼ばれる、脳の血管に不必要なものが入るのを防ぐためのバリアが存在します。ただし、その血液脳関門のつなぎ目にゾヌリンが作用すると、タイトジャンクションが開きやすくなってしまうのです。つまり、小麦によって脳がダダもれしてしまうということ。そうして、そこから細菌や毒素などが入っていく「脳もれ」と呼ばれる状態が引き起こされます。私の臨床経験からすると、「腸もれ」の症状がある人は、ほぼもれなく「脳もれ」の症状が見られます。腸の状態が悪い人は、脳の状態も悪いといえるのです。

脳の炎症で「シミ」がたまると認知症が早まる

脳に炎症が起きると、いったいどうなるのでしょうか?脳が炎症すると、結果としてアルツハイマー型認知症をはじめ、さまざまな認知機能障害を起こしやすい状態になります。先に、炎症は一種の老化現象だと書きましたが、脳内の炎症と、認知機能の低下やアルツハイマー型認知症が深く関わっていることは、すでに多くの論文であきらかになっています。免疫システムを狂わせてしまう炎症を引き起こすことが、認知症の原因のほぼすべてといっていいかもしれません。アルツハイマー型認知症をはじめ、認知症には共通点があります。それは、脳に「アミロイドβ」というタンパク質がたまってしまうこと。具体的には、アミロイドβとは、リポフスチンと呼ばれるタンパク質と脂質の混合物です。もっと単純に、老廃物や毒素と考えてもよく、見た目も中身も、皮膚にできるあの褐色の「シミ」とそっくり。このシミが脳にたまっていくと、やがて認知症を引き起こします。

これまでの認知症の治療や研究開発は、この脳のシミを取り除くことに力を入れてきました。でも残念ながら、アミロイドβをいくら除去しても、認知症はなかなか治りません。それはなぜなのでしょうか?これは、皮膚にできたシミで考えると、わかりやすいと思います。皮膚にシミができる原因は、おもに紫外線を浴びるから。医学的には、「抗酸化力の低下」が主な原因です。そんなシミを取り除くには、外部からレーザー治療をすれば、その部分の肌はきれいにはなるでしょう。でも、紫外線をふたたび浴びれば、結局またシミは生まれるし、そもそも体の抗酸化力を上げなければ、いくらシミを表面的に除去してもきりがないのが実情です。同様に、脳のシミをいくら取り除いても、元の原因を治さないままでは、のちにいくらでもシミが生まれてしまいます。しかも、皮膚とはちがって、脳は体の中にある繊細な臓器です。脳のシミを取り除くのは、皮膚のシミのように簡単にはできません。つまり、脳にとって大切なのは、なによりも体内にシミ(毒素)を「ためない」ことなのです。

AdobeStock
AdobeStock
 

【症状】アルツハイマー型認知症 65歳以上の5人に1人がなる!

高齢化が進むにつれて、現在、認知症の患者さんが増え続けています。いまやまったく特別な病気ではなく、自分事としてとらえられる病気になりました。厚生労働省は、2020年に602万人〜631万人が認知症になると推計しており、2025年には675万人〜730万人になると報告しています。(令和元年「認知症施策の総合的な推進について」)。約700万人というと、実に65歳以上の5人に1人が認知症になるということ。自分の親を含め、家族や親戚のなかに必ずひとりは認知症の患者さんがいる世界が、もう目の前に迫っているのです。そんな認知症のひとつが、アルツハイマー型認知症。脳にたまったシミであるアミロイドβが神経細胞を壊して、脳が萎縮していくのが認知症の原因です。このタイプには、ほかにもレビー小体型認知症などがあり、パーキンソン症候群など、認知症以外の脳の神経変性疾患でも同じシミができます。つまり、脳のどの場所にシミがあるかによって病気の状態が変わるだけで、基本的には、認知症の原因はすべてアミロイドβというシミにあります。

また近年、アミロイドβは血管にもたまることがわかりました。血管の働きが悪くなると脳梗塞などの原因となり、血管障害によって認知機能が低下していきます。もちろん、このようなシミは、一朝一夕にたまるわけではありません。不規則な生活や、小麦を中心とした偏った食生活、ストレスなどによって、たとえ若くても、少しずつ脳にシミがたまりはじめます。「最近もの忘れが多くなった気がする……」「集中力があまり続かなくなってきた」「ちょっとしたことで、無性にイライラすることがある」そんな症状が気になる人は、脳に少しずつシミがたまりはじめている可能性があります。そして、それが年を経て、認知症へと変わっていくのです。

AdobeStock
AdobeStock
 

【症状】もの忘れがひどい 昼に食べたものを思い出せない

認知症でなくても、認知機能が低下していくことはよく起こります。よく「昼に食べたものすらすぐに思い出せない」という人がいますが、年齢にかかわらず、もの忘れが増えたことや、記憶力の衰えを感じている人は、意外と多いのではないでしょうか。また、ものごとを論理的に、順序立てて考えられなくなるのも典型的な症状のひとつ。実は、副腎が疲労すること自体によっても、認知機能は低下します。

なぜなら、偏った食生活やストレスの蓄積にさらされると、それに対処するためにコルチゾールの分泌量が増え、それ自体が脳の記憶を司る部分である「海馬」を傷つけて、記憶という機能を抑制してしまうからです。端的にいえば、認知症にいたらなかったとしても、小麦を食べていれば認知機能の低下を招いてしまうのです。さらに、ストレスや精神的な落ち込みがあまりにひどい場合は、コルチゾールが過剰に分泌されて、記憶が完全になくなってしまうこともあります。実は私の夫は、かつて仕事などで過剰なストレスがかかったとき、あとで思い出そうとして振り返っても、いちばん大変だったときの記憶がすっぽりと抜け落ちていることがよくありました。夫と似たような体験をした患者さんも、意外とたくさんいます。これも同じメカニズムで、副腎疲労が進むことで認知機能が低下してしまうからなのです。

『小麦抜きのすすめ 3週間の脱小麦であなたの体に奇跡が起きる!』(アスコム)
『小麦抜きのすすめ 3週間の脱小麦であなたの体に奇跡が起きる!』(アスコム)
 

この本の著者…本間良子(ほんま・りょうこ)

スクエアクリニック院長。日本抗加齢医学会専門医、米国抗加齢医学会フェロー、日本医師会認定産業医、日本内科学会会員。
聖マリアンナ医科大学医学部卒業後、同大学病院総合診療内科入局。副腎疲労の夫をサポートした経験を活かし、米国で学んだ最先端医療に基づく栄養指導もおこなう。アドレナル・ファティーグ(副腎疲労)の提唱者であるウィルソン博士に師事し、日本初の「副腎疲労外来」を開設。また「グルテンフリー外来」を立ち上げ、心身のケアを行う。

Google Newsでヨガジャーナルの記事が見つけやすくなります

Googleに登録する
広告

RELATED関連記事

Galleryこの記事の画像/動画一覧

AdobeStock
AdobeStock
『小麦抜きのすすめ 3週間の脱小麦であなたの体に奇跡が起きる!』(アスコム)