離婚後の共同育児を平和に行うには?~ヨガ的離婚ガイド~
ヨガティーチャーであるエレナ・ブラウワーと弁護士のガブリエル・ハートレイは彼らの著書「Better Apart」の中で、うまく離婚を乗り越え、立ち直る方法について紹介しています。今回は、離婚後もお互いを思いやり、尊重しながら、透明性と心に余裕を持って共同育児を行う方法について、また離婚後お互いを許すことの大切さについて語りました。
夫婦関係に亀裂が入ると、ヨガのプラクティス中のような意識で共同育児することは難しいもの。しかしそれを可能にする方法はあります。今回はその方法をご紹介します。
たいていの人にとって、別れや離婚を経験すると、猜疑心や恐れ、不安、怒りで心がかき乱されるでしょう。何日も、何ヶ月も、そして何年もの間、心に抱える不安や懸念が浮上し始め、そして当初はその心の混乱は乗り切ることができないように感じることでしょう。
育児に関しては、子供の心と体のニーズを優先することが重要です。そして可能であれば最優先事項にしたいものです。忍耐、思いやり、透明性、平和、そして許しという観点から共同育児を行う方法について考えてみましょう。
忍耐力を持って共同育児する方法
子供をお互いの家に行き来させても、同じ規則規範に則って生活させたいと考えるでしょう。しかし時が立つに連れて、段々とそれが難しくなっていきます。特に夫の家で子供が長期間滞在すると、予期せぬ変化があったり、今までしなかったような振る舞いをしたりすることがあります。子供は2つの家を行き来する際に、変化に適用しようと努力をしていることを忘れないでください。また、2つの家を行き来させるに当たり、子供に対して忍耐強くなければいけません。そして夫、また夫の新たなパートナーに対しても忍耐が必要ですし、混乱した状況が起こったとしても、あなた自身もそれに耐えなければいけません。忍耐力が身につくと、立ち止まって考える余裕が生まれます。また、一旦穏やかな気持ちになってから、対応することができるようになります。また、もし夫の育児スタイルや夫が子供に下した許可に反対する場合には、自分が怒っていない時を選び、また子供がいない時に夫と話し合いましょう。
お互い落ち着いて向き合うことができる際に静かな落ち着いた空間の中、話し合う努力をしましょう。忍耐力というのは筋肉のように鍛えることができ、鍛えれば鍛えるほど完璧になれるのです。
お互いを敬って共同育児する方法
子供というのは、あなたや元夫がどれだけお互いを尊重しているかによって、その人物を判断しています。子供はお母さんから聞いたことを信じ、事実として捉えますから、子供に向かって元夫について発言するときは注意しましょう。否定的な言葉や行動をすると元夫や子供に悪影響を与えます。
尊敬の念を持って元夫や将来的に家族になる可能性の人物にも接するようにしましょう。
敬って接する気分ではないときでも、その環境や子供の親として彼らが関わってくれていること自体に敬意を払うことはできるでしょう。難しい状況に直面しても、穏やかな気持ちで落ち着いて行動しましょう。
相手に求めすぎないこと。もし宿泊場所が必要ならば、そういった場所を予約することです。もし相手に敬意を払って接すれば、自分も同様に敬意を払って対応されるものです。
例えば、義理のお母さんのことを視野が狭いとかつまらないとか、本音では思っていても悪口を子供の前で言わないこと。これもまた敬意に当たります。新しく加わった家族のことで真剣に悩むようなことがある場合には(例えば、義妹があなたの娘に悪影響を与え始めたなど)、子供がいないときに元夫に真剣に相談しましょう。深刻な問題を両者で解決できない場合には、ペアレント・コーディネーターや弁護士、仲介者に相談し、解決に向けて前進しましょう。必要に応じて、弁護士を再訪し、子育て計画を変更する旨を判事に伝えるべく出廷しましょう。
透明性を持って共同育児する方法
育児計画を立てる際は、家族のニーズに関する明確な判断基準が不可欠です。子供たちのために明確なフローを作成すれば、夫婦間も子供たちに対しても柔軟に対応することができます。たいていの子供は、保護観察の取り決めについて何らかの感情を抱き、反応を示します。子供たちの気持ちを理解し、彼らがそれを消化するために十分な有余を与え、状況変化を乗り越えるこの期間、親はしっかりサポートしましょう。
子供に対しても元夫に対しても、ちょっとした時に話し合ったり、相手の話に耳を傾けたりするなど、より多く対話ができるよう常にオープンでいましょう。注意深く、思いやりを持って相手の話に耳を傾ければ、相手も自分に対してそういう態度を示すでしょう。
平和的に共同育児する方法
将来的に揉め事が起こらないよう平和的な育児プランを立てましょう。あなた自身のニーズや願いではなく、子供が最も興味を持っていることを優先しましょう。子供たちのニーズに答えれば、数年後にはその環境にも安心して順応している彼らの姿を見ることができます。それは家族全体へも良い影響を与えるでしょう。「私たち今同意できたよね!」といった感じに、元夫と何か交渉する際は口頭で話し合うと、より平和的解決につながるでしょう。落ち着いて平和的に理解し合えば、お互い思いやりを持って離婚後のプロセスを進めていくことができます。心の中で「平和」の優先順位を高くすれば、大変な問題を抱えた時でも、少しでも状況を楽にすることができるでしょう。
お互いを許し合った上での共同育児法
辛い時を経験している自分を許しましょう。子供を共同育児したくない自分を許しましょう。思い描いたような核家族生活を子供と築けていない自分を許しましょう。働きに出るために子供を託児所に預けている自分を許しましょう。時間調整がうまくいかない元夫や元妻を許しましょう。子供を見てくれている元義母が怒りっぽくても許しましょう。母親(または他の人)があなたの離婚を嘆いていても許しましょう。これらの例を今読んでみて自分の家庭を頭に思い浮かべたならば、自分の育児計画を振り返り、周りと争いを減らす努力をし、許しによって前進しましょう。許すことができれば、真の深い思いやりが持てるでしょう。
教えてくれたのは…エレナ・ブラウアーさん
1999年からヨガと瞑想を教えている。『Art of Attention』の共著者。世界中のヨガティーチャーたちに知識や感化を与えているウェブサイト、teach.yogaの創設者でもある。
ヨガジャーナルアメリカ版/「The Yogi’s Guide to Getting Divorce」
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