暑くなる時期のお弁当。実は注意したい食品や保存方法|管理栄養士が解説
気温や湿度が高くなる時期は、食中毒のリスクが高まります。特にお弁当は、調理から食べるまで時間があくことや、持ち運ぶ際の温度変化によって、細菌が繁殖しやすい環境になります。また近年は、健康志向の高まりや便利な調理機器の普及により、お弁当のバリエーションも広がっています。自家製の食品や調味料を取り入れる方も多く、家庭で食べる場合には問題になりにくい食品でも、お弁当に入れることで食中毒のリスクにつながる場合があります。今回は、手作りのお弁当の内容や保存で気をつけたいポイントについて解説します。
自家製のメニューで注意したいポイント
最近は、「なるべく添加物を控えたい」「手作りの方が安心」「コストを抑えたい」などの理由から、自家製のおかずを取り入れる方も増えています。
ただ、手作り=安全とは限りません。市販品は衛生管理や保存性を考慮して製造されていますが、家庭調理では、冷却や保存方法によって細菌が増えやすくなることがあります。
特に注意したいのが、以下のようなメニューです。
自家製サラダチキン
サラダチキンは高たんぱく質のメニューとして人気です。レシピには「低温でしっとり仕上げる」など書かれている場合もありますが、自家製のものをお弁当に入れる場合は加熱不足や保存方法に注意が必要です。
鶏肉は、見た目だけでは十分に加熱できているか判断しにくい場合があります。例えば、中心温度75℃で1分以上加熱するなど、「中心温度」と「加熱時間」の両方を満たすことが重要です。
半熟卵
半熟卵や黄身がやわらかい目玉焼きも、お弁当では注意したい食品です。卵は、サルモネラ菌による食中毒の原因となることがあります。家庭で調理後にすぐに食べる場合は問題がなくても、長時間持ち歩くお弁当ではリスクが高まります。お弁当に入れる際は、半熟状態を避け、黄身までしっかり加熱したうえで、十分に冷ましてから詰めることが大切です。
自家製の調味料
手作りタルタルソースや自家製のマヨネーズ風調味料は、卵や水分を含むため、菌が繁殖しやすい条件がそろいやすくなります。そのため、長時間持ち歩くお弁当では注意が必要です。
また、塩麹や玉ねぎ麹などの自家製麹調味料も、塩分濃度や水分量、温度、容器の清潔さ、保存期間などの保存状態によっては、傷みやすくなることがあります。
スープジャーを使った「スープ弁当」
スープジャーを使ったお弁当は、1品でたんぱく質や野菜を摂りやすいことから、さまざまなレシピが紹介されています。ただ、カレーやシチューなどの煮込み料理は、保存方法や温度管理によってウェルシュ菌などが増えやすくなる場合があります。お弁当として入れる際は、全体をしっかりと加熱したうえで、熱い状態でスープジャーに入れましょう。
食べるまでの保存方法も大切
「保冷剤を入れているから安心」と思っていても、布製のお弁当袋や薄手のバッグでは外気温の影響を受けやすく、食べるまで十分に冷たさを保てない場合があります。持ち運びの際は、保冷剤と保冷バッグを組み合わせて使い、直射日光を避けたなるべく涼しい場所で保管することが安心です。
また、お弁当が温かいままフタを閉めると、蒸気による水滴で細菌が増殖する原因になることがあります。お弁当はしっかり冷ましてから詰めましょう。
そして、これからの季節は特に、お弁当の内容にも注意したいところ。「保存方法」と「温度管理」を意識して、手作りのお弁当を安全に楽しめる工夫を取り入れましょう。
【参考文献】
・厚生労働省「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」
・農林水産省「見直してみよう お弁当づくりでの食中毒予防」
・内閣府食品安全委員会「食肉の低温調理」
・厚生労働省「大量調理施設衛生管理マニュアル」
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く







