胃にやさしいと思ってない?炭酸水が合わない人の特徴|管理栄養士が解説
気温が高くなる季節は、さっぱりとした炭酸水を飲む機会が増えます。また、健康のために日常的に炭酸水を取り入れている方も多いでしょう。主な原料は水であるため「体にやさしい」というイメージがありますが、体質によっては不調の原因になることもあります。今回は、炭酸水が体に与える影響について、管理栄養士が解説します。
炭酸水とは
炭酸水とは、飲料に適した水に二酸化炭素が溶け込んだものです。自然に炭酸ガスが含まれた状態で湧き出た水を利用した天然炭酸水や人工的に炭酸を溶かした人工炭酸水が主に流通しています。
また、二酸化炭素は水の温度が低く、圧力が高いほどよく溶ける性質があります。そのため、炭酸の強さは飲むときの温度や製造時のガス圧に左右されます。
炭酸水は二酸化炭素が溶け込んでいるため、炭酸水のpH(酸性かアルカリ性かを表す値)は5弱程度になります。水道水はpH6.5〜7です。pHは7未満で酸性を示すため、炭酸水は弱酸性の液体に分類されます。
炭酸水を飲むとどうなるの?
炭酸水を飲むことで、取り込んだガスが膨らみ胃の内側を刺激します。胃壁が引き伸ばされると、その刺激が迷走神経を通じて脳の満腹中枢に伝わります。
これにより、脳は「胃がいっぱいになった」と判断し、空腹感が抑えられます。また、胃の粘膜が刺激されることで、食べ物を送り出す「蠕動運動」が活発になり、消化液の分泌も促されます。
このように、炭酸水を飲むことで胃が膨らみ、刺激されることで、食欲の抑制や胃の動きを活発にする効果が期待できます。
炭酸水が合わない人の特徴
メリットが多いように見える炭酸水ですが、胃を刺激することで得られるメリットのため、胃腸が弱い人にとっては、刺激が強すぎる場合があります。
逆流性食道炎
炭酸の刺激やガスの圧力により、下部食道括約筋(胃の入り口の筋肉)が緩みやすくなり、胃酸が逆流しやすくなる場合があります。また、炭酸のシュワシュワが、食道や喉の粘膜を直接刺激してしまい、症状の悪化につながる場合もあります。
過敏性腸症候群(IBS)
腸が敏感な方の場合は、炭酸ガスの刺激が腹痛や下痢を誘発する原因になることがあります。しかし、症状の原因は個人差があるため、飲んだ後の体の状態(腹部の膨満感や腹痛など)をよく観察して、とくに気になる症状がなければ、取り入れても問題はないとされています。
少食の人・しっかり食べたい人
少食で悩んでいる人や、運動を行い体づくりをしている人も注意が必要です。炭酸水を多く飲むことで、腹部の膨満感により食事量が減ってしまう可能性があります。食事量をしっかり確保したい場合は、食事中にコップ半分程度を目安にすると良いでしょう。
味付きタイプには注意
無糖の炭酸水とは異なり、味付きタイプには別のリスクがあります。加糖タイプは糖質の過剰摂取による肥満につながる可能性があり、酸味料(レモンや酢など)が入っている場合は、酸によって歯のエナメル質が溶けやすくなり、虫歯の原因になることもあります。いずれも、過剰摂取やだらだら飲みを避けることが大切です。
炭酸水は体の状態を見て取り入れよう
健康を意識して摂取していた炭酸水も、体の状態によっては逆効果になる可能性があります。当てはまる症状がある場合は、飲む量や頻度を見直し、自分に合った取り入れ方を意識してみましょう。
参考文献
一般社団法人 カーボンリサイクルファンド 炭酸とは
https://carbon-recycling-fund.jp/public_relations/world/672
pHとは 株式会社アタゴ
https://www.atago.net/japanese/new/products-ph-principle.php?srsltid=AfmBOoofVI9RKMUWTn9rN6vmtVVjWlC-novzlms0ar5D4b1O6gCwgTE3
健康な若い女性における炭酸水が胃と心臓の活動および満腹感に及ぼす影響
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23327968/
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