「普通にやっている生活」が血管を老化させている?医師が指摘する“見落としがちな習慣”

「普通にやっている生活」が血管を老化させている?医師が指摘する“見落としがちな習慣”
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甲斐沼 孟
甲斐沼 孟
2026-04-04

「普通にやっていること」の中に、血管を老化させる習慣があるとしたら?医師が解説します。

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「普通にやっている生活」が血管を老けさせるという現実

外来で患者さんと話していると、「特に不摂生はしていないんですけどね」という言葉をよく耳にします。

確かに、暴飲暴食や喫煙など、いわゆる「わかりやすい悪習慣」を避けている方は増えています。

ただ、その一方で、本人は健康的だと思っている「普通の生活」の中に、血管をじわじわと老化させる要因が潜んでいることも少なくありません。

血管は年齢とともに硬くなりますが、そのスピードは生活習慣によって大きく左右されます。

つまり、「特別悪くない生活」でも、積み重なれば確実に差が出てしまうのです。

「座りっぱなし」は静かなリスク

最近とても多いのが、長時間の座りっぱなしです。

デスクワークの方だけでなく、休日にソファで長時間テレビやスマホを見て過ごす方も含まれます。

例えば、50代の男性会社員の方。運動習慣は週1回のゴルフだけで、「それなりに体は動かしている」と思っていました。

しかし、平日は1日10時間以上ほぼ座りっぱなし。

検査すると、血管の硬さ(動脈硬化の指標)が年齢以上に進んでいました。

座っている時間が長いと、血流が滞りやすくなり、血管内皮という“血管の内側の壁”の機能が落ちます。

これが動脈硬化の入り口です。

ポイントは「運動しているか」よりも「どれだけ座っているか」。1時間に1回、立ち上がるだけでも違います。

「なんとなく食べる」が積み重なる

間食そのものが悪いわけではありません。

ただ、「なんとなく口に入れている」ことが問題です。

40代の女性の例ですが、間食の自覚はほぼゼロ。

しかし、詳しく聞くと、仕事中にチョコを1粒、帰宅後にお菓子を少し、寝る前にヨーグルト…。

一つ一つは少量でも、1日を通すとそれなりのカロリーと糖質になります。

血糖値は食後だけでなく、こうした「ちょこちょこ食べ」でも上がります。

血糖値の小さな上昇と下降を繰り返すことが、血管にじわじわダメージを与えるのです。

いわゆる「血糖スパイク」は、糖尿病でなくても起こります。

「塩分控えめ」の落とし穴

「減塩しています」とおっしゃる方でも、実際には意外と摂取量が多いケースがあります。

特に日本人に多いのが、外食や加工食品からの「見えない塩分」です。

例えば、健康志向の方がよく選ぶ「サラダ+ドレッシング」。

このドレッシングに意外と塩分が含まれていることがあります。

また、スープ類や麺類の汁を飲み干す習慣も、知らず知らずのうちに塩分過多につながります。

血圧が少し高めの状態が続くと、それだけで血管には負担がかかります。

「薄味にしているつもり」だけでは不十分で、実際の摂取量を意識することが重要です。

「睡眠は取っているつもり」が危ない

睡眠時間は確保しているのに、なぜか疲れが取れない。こういう方も要注意です。

一例として、50代男性で「毎日6〜7時間は寝ている」という方がいましたが、詳しく聞くと、寝る直前までスマホを見ており、夜中に何度も目が覚めていました。

結果として、血圧も高めで、動脈硬化の進行が見られました。

質の悪い睡眠は、自律神経のバランスを崩し、血管を収縮させやすくします。

また、慢性的な睡眠不足は炎症を引き起こし、これも血管老化の一因になります。

「時間」だけでなく「質」が大事です。

「ストレスは仕方ない」で済ませていないか

ストレスそのものをゼロにすることは現実的ではありません。

ただ、「感じているのに対処していない」状態が問題です。

外来で印象的だったのは、仕事のプレッシャーが強い40代の方。

「自分はストレスに強い」と言っていましたが、実際には血圧が高く、コレステロール値も悪化していました。

話を深掘りすると、休日も仕事のことを考え続けている状態でした。

ストレスが続くと、交感神経が優位になり、血管は収縮し続けます。

これが慢性化すると、血管は徐々に硬くなっていきます。

リラックスする時間を「意識的に作る」ことは、決して贅沢ではなく、治療の一部とも言えます。

「普通の積み重ね」が未来を分ける

血管の老化は、ある日突然進むものではありません。

日々の小さな習慣の積み重ねです。

そして厄介なのは、「特別悪いことをしていない人」ほど気づきにくい点です。

・座りっぱなしが長い

・なんとなく食べている

・塩分を過小評価している

・睡眠の質が悪い

・ストレスを放置している

どれもよくある生活です。

ただし、それが5年、10年と続いたとき、確実に差になります。

医師としての現場感覚から伝えたいこと

正直なところ、「これをやれば一発で改善する」という魔法の方法はありません。

ただ、逆に言えば、大きなことをしなくてもいいのです。

まずは一つでいいので、変えてみる。

エレベーターではなく階段を使うでもいいし、間食を意識するでもいい。

寝る前のスマホをやめるだけでも、血管にはプラスに働きます。

外来で見ていると、「ちょっとした意識」を持てる方は、数値も体調も確実に良くなっていきます。

逆に、「自分は大丈夫」と思っている方ほど、気づいたときには進んでいることが多い。

血管は沈黙の臓器です。

症状が出たときには、すでにある程度進行しています。

だからこそ、「普通の生活」を一度見直してみること。

それが、将来の自分への一番現実的な投資だと思います。

 

今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。

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