カルシウムの含有量がすごい!切り干し大根の健康効果と意外な摂り入れ方|管理栄養士が解説
煮物の定番食材として知られる切り干し大根。地味なイメージを持つ方も多いかもしれませんが、実はカルシウムが生の大根の約20倍、鉄分や食物繊維も豊富に含まれる栄養の宝庫です。 この記事では、切り干し大根の意外な栄養価と健康効果、そして煮物以外の新しい食べ方について、管理栄養士の視点からご紹介します。
生の大根の約20倍! 驚きのカルシウム含有量
切り干し大根の栄養価で最も注目すべきはカルシウムの含有量です。生の大根100gに含まれるカルシウムは約24mgですが、切り干し大根(乾燥)100gには約500mgものカルシウムが含まれています。これは実に約20倍の量です。天日干しにすることで水分が抜け、栄養素がギュッと凝縮されるため、少量でも効率的にカルシウムを摂取できます。乾燥状態の切り干し大根10g(水で戻すと約50g)を食べるだけで、約50mgのカルシウムを補給できます。乳製品が苦手な方や、牛乳だけに頼りたくない方にとって、切り干し大根は心強いカルシウム補給源といえるでしょう。
鉄分も約15倍! 貧血予防にも効果的
切り干し大根にはカルシウムだけでなく、鉄分も豊富に含まれています。生の大根100gに含まれる鉄分は約0.2mgですが、切り干し大根(乾燥)100gには約3.1mgの鉄分が含まれています。これは約15倍の量です。鉄分は赤血球の材料となり、体中に酸素を運ぶ重要な役割を担っています。不足すると貧血を招き、疲れやすさや息切れの原因となります。特に女性は月経により鉄分が失われやすいため、切り干し大根を常備菜にしておけば、こまめな鉄分補給が可能です。ただし、切り干し大根に含まれるのは非ヘム鉄であるため、吸収率を高めるためにビタミンCを含む食材(レモン汁、パプリカや赤ピーマン、ブロッコリーなど)と一緒に摂るのがおすすめです。
食物繊維もたっぷり! 腸活にも最適
切り干し大根は食物繊維も非常に豊富です。乾燥状態100gあたり約21.3gもの食物繊維を含んでおり、これは生の大根の約15倍に相当します。特筆すべきは、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方を含んでいる点です。水溶性食物繊維は腸内で善玉菌のエサとなり、腸内環境を整える働きがあります。また、血糖値の急上昇を抑える効果も期待できます。不溶性食物繊維は便のかさを増やし、腸の蠕動運動を促進して便通を改善します。ダブルの食物繊維で腸の内側からキレイを目指せる、まさに腸活にぴったりの食材です。
カリウムは食品トップクラス! むくみ対策にも
切り干し大根に含まれるカリウムは100gあたり約3,500mgで、これは食品の中でもトップクラスの含有量です。カリウムは体内の余分なナトリウム(塩分)を排出する働きがあり、むくみの予防や高血圧対策に効果的です。塩分の摂りすぎが気になる現代人にとって、カリウムを効率よく摂取できる切り干し大根は強い味方といえます。ただし、腎機能が低下している方はカリウムの摂りすぎに注意が必要なため、医師に相談してください。
煮物だけじゃない! 意外な食べ方でもっとおいしく
切り干し大根といえば煮物が定番ですが、実は和洋中を問わずさまざまな料理に活用できる万能食材です。水で戻すと水溶性のビタミンやミネラルが流出してしまうため、栄養を余すことなく摂りたい方には戻し方を工夫するのがおすすめです。ここでは、栄養を逃さずおいしく食べられる意外な食べ方を2つご紹介します。
意外な食べ方(1) ヨーグルト戻しサラダ
水の代わりにヨーグルトで切り干し大根を戻すと、乳酸菌と食物繊維のダブル効果で腸活パワーがアップします。ヨーグルトのコクが切り干し大根に染み込み、そのままサラダとしておいしくいただけます。戻し時間も水より短く、約30分で完成する時短テクニックです。
【ヨーグルト戻しサラダの作り方】
材料(2人分):切り干し大根20g、プレーンヨーグルト100g、きゅうり1/2本、カニカマ2本、塩少々、こしょう少々、レモン汁小さじ1
(1) 切り干し大根は水でさっともみ洗いし、水気を絞って食べやすい長さに切る
(2) ポリ袋に切り干し大根とヨーグルトを入れ、軽くもんで冷蔵庫で30分おく
(3) きゅうりは千切り、カニカマはほぐしておく
(4) (2)をヨーグルトごとボウルに移し、きゅうり、カニカマ、塩、こしょう、レモン汁を加えて和えて完成
※朝ポリ袋で仕込んで冷蔵庫に入れておけば、夕食時にすぐ食べられます。
意外な食べ方(2) 切り干し大根のナポリタン風
パスタの代わりに切り干し大根を使えば、糖質を抑えながら食物繊維たっぷりのヘルシーナポリタンが楽しめます。切り干し大根のコリコリとした食感とケチャップの風味が意外なほど好相性で、食べ応えも抜群です。
【切り干し大根ナポリタンの作り方】
材料(2人分):切り干し大根30g、ウインナー2本、玉ねぎ1/4個、赤ピーマン1個、バター10g、ケチャップ大さじ3、中濃ソース大さじ1、塩こしょう少々、粉チーズ適量
(1) 切り干し大根は水で戻し、水気をしっかり絞る
(2) 玉ねぎは薄切り、ピーマンは細切り、ウインナーは斜め切りにする
(3) フライパンにバターを熱し、玉ねぎ、ウインナーを炒める
(4) 玉ねぎがしんなりしたら切り干し大根、ピーマンを加えて炒める
(5) ケチャップ、中濃ソースを加えて全体に絡め、塩こしょうで味を調える
(6) 器に盛り、粉チーズをかけて完成
知っておきたい注意点
切り干し大根は食物繊維が豊富なため、一度に大量に食べるとお腹が張ったり、下痢を起こすことがあります。1日あたり乾燥状態で10g程度を目安に摂取しましょう。また、カリウムが非常に多いため、腎機能が低下している方は摂取量に注意が必要です。開封後は湿気を避けて密閉容器で保存し、冷蔵庫で保管すると長持ちします。水で戻した後は冷蔵で2〜3日、冷凍なら約1ヶ月保存できます。
まとめ
切り干し大根は、生の大根と比べてカルシウム約20倍、鉄分約15倍、食物繊維約15倍という驚きの栄養価を誇る優れた食材です。乳製品に頼らずカルシウムを補給でき、腸活や貧血予防、むくみ対策にも効果が期待できます。煮物だけでなく、ヨーグルト戻しサラダやナポリタン風など、意外な食べ方でもおいしく楽しめます。スーパーで手軽に購入でき、長期保存も可能な切り干し大根を、ぜひ毎日の食卓に取り入れてみてはいかがでしょうか。
参考文献
・厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
・文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
・厚生労働省 e-ヘルスネット「食物繊維の必要性と健康」
・厚生労働省 e-ヘルスネット「カルシウム」
記事監修/亘美玲
管理栄養士。病院栄養士として七年間勤務後、食品会社にて約十五年間、メディカルサプリメントや機能性表示食品の商品開発責任者を務める。自身の妊娠・出産、離乳食作りの経験をきっかけに母子栄養の研究を重ね、現在は産前産後ママの栄養サポート、栄養相談、料理教室、レシピ提案、執筆、栄養学講座など幅広く活動している。
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