「自分は愛されるに値しない」という思い込みはなぜ?102歳の医師が教える、「愛の受けいれ方」

「自分は愛されるに値しない」という思い込みはなぜ?102歳の医師が教える、「愛の受けいれ方」
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100歳を超えても現役で患者を診つづけた“奇跡の医師”が人生哲学を語った『102歳の医師が教える健康と幸せを保つ6つの秘訣』(辰巳出版)より、「愛の受けいれ方」について一部抜粋してお届けします。

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自分は愛を受けいれるのに値しないと思うような事態に私たちはよくおちいる。人が去っていく、傷つけられた、あるいは愛情をかけてくれないなど。虐待やネグレクト、無関心といったつらい体験は、私たちがどういう人になるかを形づくることがある。無意識に痕跡が残り、健康や幸せに大きく影響し得る。

過去に傷ついた経験があると、愛を受けいれるのが怖くなることがある。だからこそ、愛に意識を向けなければならない。恐れを乗りこえるのは大変だが、そうすることでもっと多くの愛を受け取れる。

患者のひとり、パメラは自分が愛されるのに値すると、なかなか思えないでいた。60代で私のところに来たときには、身体のあちこちに不調を抱えていた。カウンセリングを通じてわかっていたのは、彼女が自分は愛されるに値すると信じていないことだった。

パメラは学校のカウンセラーとして問題を抱えた子どもたちの力になるというすばらしい働きをしているのに、自分の人生に価値を見いだしていなかった。いつでも他の人たちと自分を比べて、劣等感を抱いていたのだ。心の奥深くでは、人生を生きるのにも値しないと思っているのではないかと感じた。

しばらく話し合ったあと、私はパメラに、問題の根本になっていると思うことを話した。「私には、あなたが自分は愛されるのに値すると信じていないように思える」そしてきいた。「そうだとしたら、なぜなのか、思い当たることある?」

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パメラは笑った。「その言い方、うちの母親みたい」彼女は言った。その反応には驚いた。いったいお母さんに何を言われていたのだろう。どういう意味か、私は尋ねた。

「私が幼いとき、母は私を愛せなかったんです。かわいくなかったから……。愛したかったけど、あまりに恥ずかしかったんです」彼女は言った。未熟児で生まれたため、かなりやせていたのだという。子どものころ、よく聞かされた話がある。友達が赤ちゃんを見にきたときは、いつもパメラをタオルで包んで、顔だけしか見せなかったというのだ。「そうすれば、やせているのがわからなかったから」と母親は言っていた。

2年後、健康な弟が生まれた。パメラが〝かわいくない〞赤ちゃんで、弟は愛らしい赤ちゃんだったから、母親は弟のほうを贔屓にしていたというのが長年、家族で〝ジョーク〞として語られてきた。

話しながら、パメラも気がついた。私はとうに気づいていたが、ジョークなどではなかったのだ。母親に繰りかえし聞かされていた話は、彼女を深く傷つけていた。どうして自尊心がこれほど低いのか、傷つくとわかっているのに自分を他人と比べてしまうのかを理解したのだ。私たちはこのセッションを、長い長いハグで終えた。彼女を抱きしめながら、私はパメラがこれまでずっと、当然受けるべきだった愛を、目いっぱい与えようとした。

その後のセッションでは、パメラの身体的な症状ではなく、愛されることに焦点を当てた。まず初めに、パメラは私の愛を受けいれることを学んだ。それから生徒たち、ご両親の愛も……。

みんな彼女のことが大好きだった。それからようやく、自分自身を愛しはじめることができるようになった。すると、身体の不調はほぼ消え去った。

パメラは、乳幼児のころから愛を受け取るのに苦労してきた。そんなに早くからと思われるかもしれないが、私たちの自分に対する信念や評価は、もっと早くから形成され得る。私たちは人生のすべての瞬間、愛されるべきなのだと知ってほしい。
 

『102歳の医師が教える健康と幸せを保つ6つの秘訣』(辰巳出版)
『102歳の医師が教える健康と幸せを保つ6つの秘訣』(辰巳出版)

この本の著者

グラディス・マクギャリー:1920年生まれ。ホリスティック医学の母として、国際的に活躍、米国ホリスティック協会の創立メンバーのひとりであり、70年以上にわたって家庭医を営み、ホリスティック医学、自然分娩、医師と患者のパートナーシップを精力的に提唱。米国ホリスティック医学協会(現総合医療と健康のアカデミー)の共同設立者・元会長、超心理学と医学のアカデミーの共同設立者であり、西洋の医師としてアメリカにおいて定期的に鍼灸治療を採りいれたひとり。100歳を超えては玄孫も誕生し、ライフコーチングを実践、健康的な食生活を維持しながら歩行器を使って毎日3800歩歩くのを日課とする。またレッドバードと名づけた三輪車に乗り、ときおりおいしいケーキを楽しむ毎日を送っていたが、104の誕生日のわずか2ヶ月前、2024年9月28日惜しまれながら生涯を閉じた。

【訳者プロフィール】
稲垣みどり:翻訳者。上智大学文学部英文学科卒業。主な訳書に『AIは私たちの学び方をどう変えるのか』『世界最高の学級経営』(東洋館出版社)、『成功する「準備」が整う世界最高の教室』(飛鳥新社)、『ザ・フューチャー・オブ・マネー』(ビジネス教育出版社)、『ボブが遺してくれた最高のギフト』(辰巳出版)などがある。

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『102歳の医師が教える健康と幸せを保つ6つの秘訣』(辰巳出版)