【幼児期のスクリーンタイムが長いと思春期に不安を抱えやすい】最新研究が示唆
スクリーンタイムが長い幼児ほど、脳のネットワークに変化が見られた。
新たな研究では、幼児期のスクリーンタイムが意思決定と不安の強さに関連することが示された。
幼児期のスクリーンタイムが脳に及ぼす影響
シンガポール国立大学、 KK Women’s and Children’s Hospital、シンガポール科学技術研究庁の研究者らは、2009年に生まれた約170人の子どもを出生直後から10年以上にわたって追跡した。4歳半、6歳、7歳半の時点で脳の画像検査を行い、スクリーンタイムによる発達への影響を調べた。結果、スクリーンタイムが長い子どもほど、視覚処理や認知制御を担う脳のネットワークの成熟が早まっていることが分かった。一見すると好ましい変化のようにも見えるが、研究の著者であるホアン・ペイ医師は、こうした早すぎる成熟が成長後の生活への適応を難しくする可能性があると説明している。
幼児期のスクリーンタイムと意思決定・不安症状
ホアン氏は、特定の脳のネットワークが必要以上に早く発達する現象を「加速した成熟」と呼び、この現象は過度な刺激やストレスへの反応として起こることが多いと述べる。通常、脳のネットワークは成長に伴って少しずつ機能ごとに役割を分け、特化して働くようになるという。しかし、スクリーンタイムが長い子どもでは、複雑な思考に必要な脳の連携が十分に形成される前に、視覚や認知を担うネットワークが早い段階でそれぞれの役割に特化して働き始めていた。こうした状態では、脳の柔軟性や変化に対応する力が弱まり、成長後に環境の変化へ対応しにくくなる可能性があるとしている。実際に研究に参加した子どもでは、2歳までのスクリーンタイムが1時間増えるごとに、8歳半の時点で行われた認知課題における意思決定の速さが25パーセント遅くなっていた。また、こうした子どもはその後13歳時に不安の症状がより高い水準で見られたという。
不安症状や意思決定の問題が将来に影響
不安症状は過度な心配や人付き合いを避ける行動、心拍数の増加や睡眠の乱れといった身体的な症状など、さまざまな形で現れると、研究を主導したシンガポール国立大学の臨床研究者タン・アイペン准教授は述べる。意思決定の問題や不安症状は学業成績に影響するだけでなく、大人になった後には仕事の成果にも影響を及ぼしかねないと指摘する。また、これらの能力は人間関係においても大きく求められるため、影響を受ける可能性があるとも語る。
保護者との関わりで脳の発達を支援
研究結果を踏まえつつも、研究者らは、保護者が行動を起こすのに遅すぎることはないと強調する。子どもの脳は高い適応力を持っているため、幼少期のスクリーンタイムも、その後の前向きな働きかけによって変化を生むことができると、タン准教授は話す。例えば、短時間のスクリーンタイムを対話や交流を伴う活動に置き換えるだけでも、脳のネットワークを発達させる助けになるという。具体的には、一緒に本を読むことや対面で遊ぶこと、屋外を散歩すること、音楽やスポーツに親しむことなどが、社会的、身体的な関わりとして有効だとされる。特に年齢の低い子どもほど、こうした共有の活動が重要になるとしている。
子どもが一人で本を読む場合は、言葉を学ぶことが中心になる。一方、保護者と一緒に読む場合は、言葉そのものだけでなく、やり取りを通じて表情や感情を読み取る力を育むことにもつながるという。また、デバイスを取り入れる場合でも、タブレットを子どもに渡したままにするのではなく、保護者が一緒に使い、学びの道具として活用することが望ましいとした。乳児期には保護者の役割が最も重要だが、成長に伴い、同年代の子どもとの健全な関わりも次第に重要になるとしている。
出典
https://www.independent.co.uk/news/health/toddler-screen-time-teen-anxiety-study-b2892466.html
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