更年期女性にとって年末年始はしんどい季節。おススメの過ごし方は?疲れやすい季節だからこそ、「回復の順番」が大切という話

更年期女性にとって年末年始はしんどい季節。おススメの過ごし方は?疲れやすい季節だからこそ、「回復の順番」が大切という話
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高本玲代
高本玲代
2025-12-31

更年期の方に向けたサービス「よりそる」を運営する高本玲代さんが綴るコラム連載。高本さんご自身もまさに更年期世代。わかりやすい不調だけではない更年期の影響について、体験を交えてお話しいただきます。

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年末年始。長期休暇でもあり、イベントも多く、「もっと休めるはずなのに、全然休まった気がしない」「みんなが楽しそうなのに、なぜか心だけ置いていかれる」そんな声が更年期世代の女性から多く聞かれる時期です。

実際、年末年始は更年期の女性にとって、もっとも疲労しやすく、生活リズムが乱れやすい季節でもあります。

  • 急に気が抜けて体調を崩す
  • メンタルの揺れ幅が大きくなる
  • 家族との関わりでストレスが増える
  • 普段より自分を責めやすい
  • 生活のリズムが狂って立て直しに時間がかかる

このような状態は、あなたのせいではありません。年末年始という特殊な環境が、更年期の脳・心・体の特徴と重なり、しんどさを増幅させてしまうのです。

だからこそ、この時期はいつもとは違う「特別な過ごし方」が必要になります。

本コラムでは、年末年始を穏やかに過ごすための5つのコツを科学的背景と実践的なアプローチでまとめました。

1|年末年始に更年期女性がしんどくなる3つの理由

① 「気が抜ける」ことで急に疲れが出る

年末まで頑張り続けた緊張が途切れると、全身の疲労が一気に出ることがあります。これは「バーンアウト後の弛緩反応」に近い状態で、更年期の女性はとくに出やすい傾向があります。

頑張り続けた人ほど、休みに入った瞬間に体調を崩しやすいもの。これは性格の問題でもメンタルの弱さでもなく、自律神経が限界まで頑張っていた証拠です。

② 生活リズムが乱れ、回復しづらくなる

年末年始は、寝る時間、起きる時間、会う人、行動ペース、家事量が普段と大きく変わるため、更年期で乱れやすい「体内時計」がさらに混乱しやすくなります。

結果として、だるさ、イライラ、思考力の低下、感情の波といった症状が強く出やすくなります。

③ 家族との密度が上がり、摩擦が増えやすい

普段よりも一緒にいる時間が長くなることで、価値観の違い、ペースの違い、生活音、家事の負担など、見えなかったストレスが表面化しやすくなります。更年期は感情のブレーキが効きにくくなるため、小さなことが大きな衝突に発展することも。

2|更年期 年末年始のおススメの過ごし方(5つのポイント)

① 「やること」を決める前にまず「やらないこと」を決める

年末年始はタスクが急増し、気がつけば「やることリスト」で心が支配されます。しかし更年期では、処理できるタスク量が一時的に減るという特性があるため、タスクを増やすほど心身が苦しくなります。

だからこそ、まずはやらないことリストから作ることが鍵です。

年末年始の「やらなくていいこと」の例

  • 完璧な大掃除
  • 義実家への長期滞在
  • 全員に年賀状を送ること
  • 元日に全部の家事をこなすこと
  • 子どもの行事に全部参加すること
  • 正月料理を一から作ること
  • 「今年のうちに」やらなければ…という思い込み

これは手抜きではなく、自分の体と脳を守るための戦略です。

「できない」ではなく「やらないと決めた」と言語化すること。罪悪感を減らすためにも家族にも自分にもはっきり宣言するとラクになります。

② 年末年始は「エネルギーの使い方」を意識して配分する

更年期は、朝の方が頭が働き、夕方以降に急激に疲れるという特徴があります。そのため、年末年始でも時間帯別のエネルギー管理が有効です。

朝:判断が必要なタスク 買い出し、今日やることの判断、人に連絡すること、準備作業など、脳が比較的元気なうちに終わらせます。

昼:単純作業・ペースのいるタスク 片付け、簡単な家事、移動など、判断力より、身体を動かす時間帯に。

夕方〜夜:判断しない・考えないスケジュール 更年期はここが脳疲労のピークになります。人混みの買い物、SNSやメールの返信、重要な話し合い、複雑な家事、翌日の予定決め。これらは極力避けると、感情の起伏が安定します。

「夜の自分は本来の自分の半分」と思っておくことで、自分を責めなくなり、無理が減ります。

③ 家族・パートナーとの「距離の保ち方」と「伝え方」

年末年始は、パートナーや家族と過ごす時間が増え、摩擦が大きくなりがちな時期です。ここでは衝突しない距離感と誤解されない伝え方をまとめました。

1)NGは「気持ちをぶつける」 気持ちは本物ですが、更年期の脳は感情が急上昇する特性があります。

NG例:「なんで手伝ってくれないの!」「私はこんなに大変なのに…」

家族は「責められている」と感じてしまい、理解が遠のきます。

2)OKは「状態の共有」 家族に伝わるのは、気持ちではなく状態です。

OK例:「年末はタスクが多くて、夕方になると脳が疲れやすいみたい」「今は判断力が落ちやすいから、夜に決めごとは避けたい」

あなたのせいじゃないというニュアンスがあると、家族の受け止め方が変わります。

3)お願いは「小さな1つ」だけ 複数を頼むと混乱し、行動してもらいにくくなります。

例:「買い物だけお願いしてもいい?」「皿洗いだけしてくれるとすごく助かる」

小さな依頼は、積み重ねると大きな協力につながります。

4)パートナーとは「距離を置く時間」も必要

長時間一緒にいると疲れるのは自然なこと。別々の部屋で過ごす、一人時間を確保する、散歩してくるなど、適度な距離は、関係を守るためのメンテナンスです。

④ 「日常に戻る準備」を休暇中にしておく

年末年始は、リズムが崩れたまま仕事や日常に戻ると、その後の数週間がとても辛くなります。そこで大事なのがゆるい「リハビリ期間」を作ることです。

最後の3日間は「元の生活リズム」に近づける 起床時間を戻す、寝る時間を整える、タスクの優先順位を軽く整理など、戻す期間を作れば焦りが減り、スムーズに復帰できます。

翌月が忙しい人は「負荷を下げた予定」から再開する 初日は軽いタスクだけ、重い仕事は2〜3日後に、夕方の予定は入れないなど、緩やかなスタートは、何倍も効率を上げます。

⑤ 年末年始は「自分を労わる時間」を必ず作る

更年期は自己否定感が高まりやすい時期です。年末年始の静けさの中で、ふと「この1年何もできなかったな…」と自分を責めてしまう女性は少なくありません。だからこそ、この時期こそ自分を肯定する時間が必要です。

1)今年できたことを3つ書き出す

小さなことでOK。続けられたこと、頑張ったこと、乗り越えたこと、受け入れたことなど、「できなかったこと」ではなく「やってきたこと」に目を向けて。

2)「自分に優しい言葉」をかける

「今の私はよくやってる」「この1年、本当によく頑張った」「できない日もあっていい」など、言葉は脳に影響し、本当に心が軽くなります。

3)年末年始は「期待値を下げる勇気」を持つ

更年期の回復は、ゆっくりでいいと思えると加速します。

⑥(特別編)帰省・親戚対応がしんどい人へのアドバイス

年末年始のお悩みで最も多いのが「義実家・親戚対応のストレス」。遠慮なく、賢く、あなたを守る方法があります。

1)滞在日数を短くする 3泊→2泊にするだけで負担は激減します。

2)無理なら「体調の波」で説明する 「更年期で体調に波があって、今回は短めにしたい」これは正当で、誰も責められません。

3)パートナーに事前に役割を割り振る 会話の主導、買い物の同行、子どものサポートなど、これをお願いではなくタスクとして共有するとスムーズです。

最後に

年末年始は特別な季節。だからこそ更年期の女性にとっては「普段以上に負荷がかかる季節」でもあります。でも、それはあなたの弱さではなく、環境と心身の状態が重なることで起きる自然な現象です。

だからこそこの時期は、やることよりやらないことを決める、エネルギーの配分を意識する、距離の取り方と頼り方を工夫する、日常に戻る準備をしておく、自分を労わる時間を作る。これらを意識するだけで、年末年始の過ごし方がまったく変わっていきます。

あなたが穏やかに過ごせることは、家族にとっても喜びであり、未来への投資です。今年の年末年始は、自分をいちばん大切にできる時間に変えていきましょう。

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