夜中のこむら返り、疲れが原因じゃないかも。可能性の高い疾患とは?医師が解説

夜中のこむら返り、疲れが原因じゃないかも。可能性の高い疾患とは?医師が解説
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甲斐沼 孟
甲斐沼 孟
2026-01-06

真夜中、突然ふくらはぎがギューッとつって飛び起きる。痛くて声も出ない、しばらく動けない。いわゆる「こむら返り」、経験したことがある人は多いと思います。でもいくつかの特徴が見受けられるなら、とある疾患の疑いがあります。医師が解説します。

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 夜中にふくらはぎが激痛…それ、本当に「疲れ」だけ?

多くの場合、「水分不足かな」「歩きすぎたかも」「年齢のせい?」と軽く考えて終わりがちです。
確かに、筋肉疲労やミネラル不足が原因のこともあります。

・夜中に何度も繰り返すこむら返り
・最近、歩くと脚がだるくなる
・休むと楽になる

こんな特徴がある場合、少し立ち止まって考えてほしい病気があります。それが末梢動脈疾患(PAD) です。

末梢動脈疾患は、脚の動脈が動脈硬化で細くなり、血流が悪くなる病気。血が足りなくなることで、筋肉が「酸素不足」を起こし、夜間や安静時に痛みやつりとして表れることがあります。

なぜ末梢動脈疾患で「夜中」にこむら返りが起きるのか?

末梢動脈疾患というと、「歩くと脚が痛くなる病気」というイメージが強いかもしれません。実際、代表的な症状は「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」。歩くと痛くなり、休むと楽になる、あの症状です。

でも、病気が進んでくると話が変わります。血流がかなり悪くなると、横になっているとき=血圧が下がる夜間に、筋肉への血流がさらに不足します。

その結果、
・夜中に脚がつる
・ズキズキした痛みで目が覚める
・脚を下に垂らすと少し楽になる
こんな特徴が出てきます。これ、単なる筋肉疲労ではあまり起こりません。

特に注意したいのは、以下のような条件が重なっている人。

  • 喫煙歴がある
  • 糖尿病、高血圧、脂質異常症がある
  • 最近、歩く距離が短くなった
  • 足先が冷たい、色が悪い
足先が冷たい
photo/Adobe Stock

末梢動脈疾患は、脚の病気であると同時に、全身の動脈硬化が進んでいるサインでもあります。

「いつものこむら返り」と見分けるためのチェックポイント

では、普通のこむら返りと、末梢動脈疾患によるサインはどう見分ければいいのでしょうか?
目安になるポイントを挙げてみます。

要注意な特徴

夜中のこむら返りが頻繁
歩くと脚が重い、だるい、痛い

休むと楽になる

片脚だけ症状が強い

足先が冷たい、しびれがある

・爪や皮膚の色が悪い

これらが当てはまる場合、一度は内科や循環器内科で相談する価値があります。超音波検査やABI検査などで、脚の血流を調べることができます。

一方で、
・運動後だけ
・水分やストレッチで改善する
・たまにしか起きない
こうしたケースでは、筋肉由来の可能性が高いでしょう。

大切なのは、「いつもと違うかどうか」。こむら返りが生活の一部になってしまっている人ほど、注意が必要です。

まとめ:夜中のこむら返りは、脚からのSOSかもしれない

夜中のこむら返りは、よくある症状です。でも、それが繰り返されるようになったとき、背景に末梢動脈疾患が隠れていることがあります。

末梢動脈疾患は、放置すると
・歩行困難
・潰瘍や壊疽
・心筋梗塞や脳梗塞のリスク増加
につながることもある病気です。

「ただの疲れ」「年齢のせい」と決めつけず、一度、自分の脚をチェックしてみてください。

  • 歩く距離が減っていないか
  • 脚の冷えや色の変化はないか
  • 夜間の痛みが増えていないか

夜中のこむら返りは、体が出している静かな警告。早めに気づければ、守れる未来はたくさんあります。

今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。

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