寝ても疲れが取れない人はあるものが不足している…“疲労が抜けないループ”の原因は?医師が教える回復のメカニズム
「7時間は寝ているはずなのに、朝からしんどい…」「休んだつもりなのに、頭がずっと重だるい」――そんな“謎の疲れ残り”を感じている人、実はすごく多いんです。その原因のひとつとして、最近注目されているのが GABA(ギャバ)。聞いたことはあるけど、「結局なにがどう効くの?」と思っている人も多いはず。医師が解説します。
GABAって何?脳の“ブレーキペダル”の正体
実はGABAって、脳のブレーキ役として、休息にめちゃくちゃ大事な存在なんです。
不足すると、しっかり寝ても脳が休まらず、“疲れの底なし沼”にハマりやすくなります。
ここでは、GABAの働きと、不足すると脳で何が起きるのか、そして今日からできる回復法をわかりやすく解説します。
まずGABAは、脳内にある抑制系の神経伝達物質。ざっくり言うと、脳の興奮を落ち着かせる役割があります。
わかりやすくたとえると――
● ノンストップで走る車 → 興奮した脳
● ブレーキペダル → GABA
このブレーキが弱ると、脳はずっと高速回転しっぱなし。
- 寝ても休まらない
- イライラしやすい
- 音や光に敏感になる
- 思考が止まらない
- 自律神経が乱れやすい
こんな状態になりやすいんですね。
現代人は、スマホ・PC・ストレス・情報過多…などで脳が常に“アクセル全開”。だからこそ、GABAがめちゃくちゃ大事なんです。
GABAが不足すると脳で何が起きる?“疲労が抜けないループ”の原因
① 脳の興奮が止まらず、睡眠の質が落ちる
寝つけない、眠りが浅い、途中で何度も起きる——これらはGABA不足の典型例。身体より先に“脳がしっかり寝ていない”んですね。
② 自律神経がフラフラし、疲れやすくなる
GABAが少ないと交感神経(アクセル)が優位になり続けます。
その結果…
- 呼吸が浅くなる
- 心拍が上がりやすい
- だるさ・不安が増す
- 集中力が落ちる
こんな風に、どんどん疲れが積み重なります。
③ 気持ちが落ち込みやすくなる
脳が休まらない → ストレス耐性が下がる
このループに入ると、些細なことでもメンタルが揺れやすくなります。
④ 体の疲れが“脳疲労”に上書きされる
実は、身体より先に“脳の疲れ”が限界に来ることが多いです。これが厄介で、筋肉の疲れは取れても、脳が休まらないせいで全体の疲労感が続きます。
つまり、GABA不足は「脳の回復が止まった状態」 と言ってもいいかもしれません。
今日からできる!GABAを増やして脳を回復させる方法
GABAは薬やサプリに頼らなくても、生活習慣でしっかり増やせます。
① ゆっくり長めの“吐く呼吸”を意識する
吐く息が長いと副交感神経が優位になり、GABAが出やすくなります。
おすすめは「4秒吸って、6〜8秒吐く」。
② 日中に軽い運動を入れる
意外ですが“リズム運動”はGABAの分泌を促進します。
- 散歩
- ラジオ体操
- 軽めのジョギン
1日10〜20分でOK。
③ スマホの使用を“区切りながら”にする
脳の興奮を上げる最大要因は、実はスマホ。寝る1時間前は特にGABAの天敵です。
“21時以降は通知オフ”など、線引きがあるだけで劇的に違います。
④ 温かい飲み物をゆっくり飲む
温かさそのものが副交感神経を刺激し、GABAが働きやすくなります。
ハーブティーや白湯でも十分。
⑤ 発酵食品を意識する
食品の中にもGABAを含むものがあります。
- 玄米
- 味噌、納豆
- キムチ
- トマト
特に日本食は“GABA食材の宝庫”です。
⑥ 寝る前のルーティンを固定する
脳は「いつも通り」に弱いので、
- 同じ時間に寝る
- 同じ香りを使う
- 同じライトの明るさにする
これだけでGABAの働きがグッと良くなります。
疲れが取れないのは“気のせい”ではない。脳のSOSを見逃さないで
「眠ったはずなのに疲れが残る」ーーこれは単なる怠けではなく、脳の回復システム(GABA)が弱っているサインです。
GABAを整えると、以下の変化が自然と起きます。
- 眠りの質が上がる
- 気持ちが落ち着く
- 集中が続く
- 朝スッキリ起きられる
焦らず、少しずつ生活を整えていけば、脳はちゃんと回復してくれます。
「最近なんだか疲れが抜けない…」と思っている人こそ、今日から小さな一歩を試してみてください。
今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。
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