「今まで、水で洗っていたわ…」【きのこ】の栄養を損なうNG調理法とは?管理栄養士が解説
スーパーで一年中手に入るきのこには、ビタミンB群や食物繊維が豊富に含まれています。免疫力アップや疲労回復に役立つため、積極的に食べたい食材の1つです。そんなきのこは、調理を少し工夫するだけで、栄養を効率良く吸収できます。今回は、きのこの主な栄養や調理のポイントなどを紹介します。
きのこの主な栄養素
代表的なきのこ(100g)に含まれる栄養素は、主に以下の表のとおりです。

きのこには、カリウムやビタミンB1、ビタミンB2などが豊富に含まれています。カリウムは体内の塩分調整を担う栄養素で、高血圧予防をサポートしてくれます。ビタミンB群は、エネルギー代謝に関与し、疲労回復を促す栄養素です。食材別に見ると、まいたけには、ビタミンDが多く含まれていることが分かります。えのきに含まれる鉄は、しめじの約2倍、まいたけの約5倍の数値です。
きのこの栄養を効率よく摂るためのポイント、NG調理法とは?
カリウムやビタミンB群が豊富なきのこは、調理を工夫すれば、栄養を効率良く摂ることができます。ここでは、すぐにできる調理のポイントを3つ紹介します。
① 洗わずに使う
きのこは、水で洗わずにそのまま使用しましょう。きのこに含まれるカリウムやビタミンB群は水溶性のため、水につける時間が長いと栄養素が流出してしまいます。そのため石づきを切り落としたあとは、汚れを拭き取る程度にとどめるのがおすすめです。水で洗う場合は、さっと流す程度にしましょう。
② 冷凍保存でうま味アップ
きのこは冷凍すると、長期保存できるだけでなく、うま味も向上します。冷凍により細胞が壊れ、うま味成分が溶け出しやすくなるためです。冷凍したきのこは、凍ったまま炒め物やスープに加えましょう。
③ 油を使って調理する
きのこに含まれるビタミンDは、脂溶性をもつ栄養素です。そのため、油と一緒に摂ると吸収率が良くなります。きのこを食べる際はオリーブオイルやごま油で炒めると、栄養をしっかり吸収でき、香りも楽しめます。
きのこは調理ポイントを押さえて栄養を効率良く摂取しよう
きのこは、食物繊維やビタミンB群・カリウムなどを豊富に含んだ食材です。冷凍や油調理を取り入れると、栄養の吸収率が上がり、うま味も増します。ぜひ、味噌汁や炒め物などにきのこをちょい足しして、寒い季節を乗り切りましょう!
【参考文献】
日本食品標準成分表(八訂)増補2023年「きのこ類/(しめじ類)/ぶなしめじ/生」
日本食品標準成分表(八訂)増補2023年「きのこ類/えのきたけ/生」
日本食品標準成分表(八訂)増補2023年「きのこ類/まいたけ/生」
日本食品標準成分表(八訂)増補2023年「きのこ類/(ひらたけ類)/エリンギ/生」
厚生労働省「カリウム」
国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所「ビタミンB1」
ライター/管理栄養士 山田佳奈子
約8年間、保育園にて乳幼児向けの献立作成・給食調理・栄養相談に従事する。なかでも食育活動に注力し、0歳から5歳の発達段階に応じた指導を通じて「食を楽しく学ぶ」環境の創出に貢献。アトピーや運動誘発性小麦アレルギーの経験を通じて、からだと食の関係性に強い関心を抱く。現在は執筆活動を主軸に、食と健康に関する情報を発信している。
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