【お悩み相談】「出張中/旅行中、よく便秘になります…」 #毒出し保健室

【お悩み相談】「出張中/旅行中、よく便秘になります…」 #毒出し保健室
Photo by Sava Bobov on Unsplash

アーユルヴェーダの中で大切にされている考え方をシンプルに言うと、"体に毒を溜めない/毒を排出する"という『毒出し』。「大きな声ではちょっと言えない」「身近な存在の人には知られたくない」と言った悩み事を抱えていませんか? 体調や心の悩み、人間関係やら恋愛、夫婦やパートナー間のあれこれまで、皆さまの悩ませている毒を溜めずに排出するべく、アーユルヴェーダアドバイザー/ヨガ講師の桑子麻衣子がアーユルヴェーダとヨガの智慧をベースにお悩みに答えます!

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今回、「毒出し保健室」を訪れてくれたのは、出張先や旅先で、よく便秘になるとお悩みのFさん(30歳)です。「出張や旅行など、移動先ではよく便秘になります。仕事のパフォーマンスも落ちますし、旅も100%楽しめないのが悲しいです」と話します。移動先での過ごし方、食事管理についてなどお伺いしながら、改善策をご提案させていただきました。

「出張中/旅行中、よく便秘になります」

桑子: こんにちは!「毒出し保健室」へ、ようこそ!今回は、どういったお悩みでしょうか?」

Fさん: 出張や旅行など、移動先ではよく便秘になります。家では、比較的、快便なので不思議です。

桑子: 移動先での便秘について、お悩みということですね。出張やご旅行は頻繁に行かれますか?

Fさん: そうですね。出張は、数ヶ月に1回、海外を行き来しています。旅行も好きで、よく行きます。ただ、便秘だと、仕事もパフォーマンスも落ちますし、旅も100%楽しめないので悲しいです。お腹がぐるぐるしていて、気になってしまって。出張中は、会食も多いので、なかなか食べるものもコントロールできないですし、お酒も結構飲まないといけないので、市販の薬に頼ることもあります。

桑子: 膨満感も感じられているとのことですね。それは、辛いですね。出張先や旅先に時差はありますか?

Fさん: 出張先は、時差が数時間あります。また、旅行先は国内か韓国がほとんどなので、時差はありませんね。

桑子: 出張中、旅行中に、運動をすることはありますか?

Fさん: 自発的な運動はしていません。旅行中は歩くことが多いので、それは運動に数えられるのではないかと。

桑子: 出張中は会食が多いとのことですが、旅行中はどういったお食事をされることが多いのでしょうか?

Fさん: 暴飲暴食とまではいきませんが、羽目を外してしまうことはありますね。せっかくの旅行なので、あまり制限はしないで、好きなものを食べるようにしています。

桑子: 水分補給はこまめにされていますか?

Fさん: 喉が渇いたら飲むというくらいです。こまめにはしていないかもしれません。

桑子: 睡眠の質はどうでしょうか?

Fさん: 睡眠時間は短くなりがちですね。ホテルによっては落ち着かないということもありますし、旅行中は夜ふかしも増えます。

出張中/旅行中は便秘になりやすい。その原因は?

ご相談ありがとうございます。実は、出張先やご旅行先で、いつもとは異なる環境下で便秘になる方は、多いんです。Fさんもおっしゃられているように、便秘に悩んで、仕事のパフォーマンスや、せっかくの旅行時間を楽しめないことは、できることなら避けたいですよね。移動先での便通トラブルの原因は、いくつか考えられます。特に、1) ストレス 2) 運動不足のため 3) 水分不足 4) 食事の4つは一般的に考えられる原因です。細かく見ていきましょう。

1) ストレス 

移動先では、日常とは異なる場所にいること、あるいは時差などによって、興奮状態になり、ストレスレベルが高まっている場合があります。また、ストレスは睡眠の質にも影響を与えますが、睡眠中は心身はリラックスします。この時、腸のぜん動運動が活発になって便を出す準備をするんです。加えて、アーユルヴェーダでは、移動をすることで、心身の風のエネルギーが高まると考えられています。特に、新幹線や飛行機などスピードが速い乗り物での移動は、注意が必要。この風のエネルギーは、体の中を乾燥させたり、冷やしたりという作用があります。すると、便の乾燥やカチコチに。もし機会があれば、観察してほしいのですが、便秘の時の便の状態は、乾燥していたり、カチカチだったりします。

2)運動不足

運動が習慣化している方でも、出張中や旅行中はいつもルーティンがこなせないという方も多いはず。仕事や遊びに来ているのだから、それは仕方がないですよね。一方で、運動不足もまた、腸の蠕動運動を鈍らせ、腹筋の力を弱めるため、便秘の大きな原因となります。

3)水分不足

忙しくて、つい水分補給を忘れてしまう、なんてことは出張中や旅行中にはよく見られる光景。一方で、水分不足は体の中を乾燥させてしまうので、便秘につながってしまいます。また、アルコールの増加。アルコールは利尿作用とアルコール分解に必要な水分によって、体から水分を奪ってしまうので、スマートに付き合わなければいけません。

4) 乾燥と冷えを引き起こす食事

旅行中や旅先では、偏った食事をとることも決して珍しくありません。便秘で注意したいのが、食物繊維との付き合い方。特に、乾燥したカチカチ便にお悩みの場合は要注意です。これは体の中が乾燥しているサインなので、食物繊維を多く含む食材を口にすることで、更に体を乾燥させてしまう可能性大。

出張中/旅行中の便秘改善

規則正しいルーティンを心がける

時差やスケジュールによっては、毎日のようなルーティンをこなすのは難しいかもしれませんが、移動先でもなるべく規則正しいルーティンで過ごすのが理想的。特に、睡眠不足にならないように注意し、腸の動きが活発になる睡眠時間を確保が◎。アーユルヴェーダでは、22時〜2時の間は睡眠のゴールデンタイムと言われてます。そのため、なるべく22時までには就寝できるとGood。腸のぜん動運動にも良い影響が期待できるはず。

リラックス時間を確保

楽しい旅行であっても、いつもと違う環境で過ごす時間はストレスが多いものです。楽しい時こそ、意識的にリラックスする時間、地に足をつける時間を持つのがおすすめ。ちょっとしたことで良いです。特に、就寝前の時間にゆっくりとした時間を過ごすことは、睡眠の質も高めてくれるのでおすすめ。湯船に10分間つかる、簡単なストレッチやヨガ、お腹のマッサージなど、できることを試してみてください。

こまめな水分補給

喉が乾いたら飲むのではなく、喉が乾く前に飲むことを意識するのがおすすめ。また、場所が変わると水の性質も変わります。地域によっては、飲水の性質が体に合わないという場合もあるため、注意して。また、冷たい飲み物は体を冷やすため、NG。常温の浄水などがおすすめです。また、朝一番最初に、白湯を飲むと、お通じに良い効果があるかもしれません。

温かく、適度な油分のある食事

カチカチ便にお悩みの方は、体を温める食事、質の高いオイルを適度にとることができる食事を意識するのがおすすめ。特に、アーユルヴェーダでは、ギー(無塩バターから不純物を取り除いたオイル)が便秘に効果的と考えられています。ギーをホットミルク(豆乳やアーモンドミルクなど植物性ミルクでも可)に加えて、就寝前に飲むと、睡眠の質も上がり、翌朝の便通にも嬉しい効果が期待できます。

 

いかがでしたか?出張中や旅行中は、いつもとは違う環境下で、気づかず内にストレスがかかりやすいもの。楽しいとなかなか気づかなかったりもしますが、体は正直です。便秘という体からのSOSに耳を傾けて、少しだけ自分に優しくなる時間を作ってあげると良いのではないでしょうか。一方で、「これをしないと」「あれをしなければ」とルールを縛ってしまうと、それはそれでストレスのもとになってしまいます。いい塩梅で、いい時間が過ごせたらいいですね。

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