【お悩み相談】イライラが止まらない…夏のメンタル不調、どうにかなりませんか?

【お悩み相談】イライラが止まらない…夏のメンタル不調、どうにかなりませんか?
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アーユルヴェーダの中で大切にされている考え方をシンプルに言うと、"体に毒を溜めない/毒を排出する"という『毒出し』。「大きな声ではちょっと言えない」「身近な存在の人には知られたくない」と言った悩み事を抱えていませんか? 体調や心の悩み、人間関係やら恋愛、夫婦やパートナー間のあれこれまで、皆さまの悩ませている毒を溜めずに排出するべく、アーユルヴェーダアドバイザー/ヨガ講師の桑子麻衣子がアーユルヴェーダとヨガの智慧をベースにお悩みに答えます!

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今回、「毒出し保健室」を訪れてくれたのは、毎年夏のイライラにお悩みのAさん(44歳)。「冬よりも夏の方が、メンタル的にキツイです」と話します。夏のメンタル改善方法についてお伝えさせていただきます。

「夏のメンタル不調、どうにかしたい」

桑子: 「毒出し保健室へ、ようこそ!」今回は、どういったお悩みでしょうか。

Aさん: 前々から夏は苦手だったのですが、ここ数年は本当に辛いです。暑くて気だるいというのはもちろんあるのですが、それよりもイライラがひどくて。メンタルが安定しないのは冬の方が多い印象ですが、私の場合は、冬よりも夏の方が、メンタル的にキツイです

桑子: ここ最近の暑さは尋常ではないですよね。お気持ちよく分かります。食欲不振や頭痛、めまい、などの症状はありますか?

Aさん: 食欲はあまりないです。夏は、1日2食で済ませることが多いです。

桑子: どんなものを召し上がることが多いですか?

Aさん: その日によって違うのですが、辛い系の料理を食べるようにしています。夏は辛いもので元気になる、というイメージがあるからです。

桑子: 水分補給はこまめにされていますか?

Aさん: 水分補給は忘れちゃうことが多いですね。というのも、家でじっとしていることが多いので。

桑子: 外出はほとんどされないですか?

Aさん: 買い物で、夕方の涼しい時間に出ることはあります。けど、それ以外はあまり出ませんね。

桑子: ご自宅で、ヨガやストレッチなど軽い運動をすることはありますか?

Aさん: 自宅で運動することはありませんね。けど、夫が週末は休みなので車が使えるんです。なので、週1回運動はしています。近所のスポーツクラブのプールに入っています。30分くらいウォーキングしています。

桑子: 夏は、生活リズムに変化はありますか?

Aさん: 特に変化はないかな。朝は6時起きで、夜は早い時は11時ごろに寝ます。けど、気付いたら夜中の1時とか2時になっていることも多いですね。

桑子: 睡眠の質はどうでしょうか?

Aさん: エアコンをつけて寝るようにしているので、寝苦しいということはありませんが、夜中に何度か目覚めることはありますね。朝スッキリしないことも多いので、睡眠の質があまり良いとは言えないと思います。

夏はメンタル不調を感じやすい

ご相談、ありがとうございます。夏は、日照時間が長く野外でのアクティビティーも豊富のため、開放的な気分になる方もいる一方で、実は「夏はメンタルが落ち着かない…」という方も決して少なくありません。

アーユルヴェーダ的に夏のイライラを考察すると、「ピッタ」と呼ばれるエネルギーが高まることが絡んでいます。ピッタは熱性を特徴に持つエネルギーで、暑さや興奮と強い関係があるんです。別の言い方で、暑さでストレスが蓄積し、自律神経が乱れているというと分かりやすいかもしれません。つまり、暑さ(熱)がイライラの原因というわけです。

加えて、Aさんの場合、かなり暑さを気にされていることが伺えます。テレビでもこれだけ熱中症について警告されているため、そうなってしまうのも無理はありませんよね。ただ、それが逆にストレスになっていることも推測しています。コロナ禍の時もそうだったかもしれませんが、家にいる時間が長くなればなるほど、メンタル的に辛さを抱える方も多いです。普段の生活の中で、ご自宅にいてもできるストレス解消法も一緒にトライするのが良いかもしれません。

夏のイライラ解消法は?

気温を下げるということは難しいですが、私たちの体や心に過剰に高まったピッタを整えることは、生活習慣で充分可能。ピッタを下げるポイントを以下に、まとめました。ぜひ参考になさってください。

こまめな水分補給

水分補給は、脱水症状予防のためはもちろんですが、実は自律神経を整えることにもつながります。なぜなら、水分不足は血液量の減少を招くから。心臓は少ない血液を全身に送るために、より強い力が必要になります。そのため、交感神経が活発に働き、過剰に刺激されることで、自律神経のバランスが乱れることにつながるわけです。

交感神経は、ストレスや興奮時に優位になる自律神経です。心拍数を上げたり、血管を収縮させたりする働きがあり、この状態が続くと、心身ともに緊張状態が続き、イライラや怒りっぽくなってしまうんです。

アーユルヴェーダ的におすすめな夏の水分補給は、体を冷やす効果のあるハーブやスパイス、ミネラル豊富な飲み物がおすすめ。以下、おすすめな水分補給をピックアップしました。参考になさってください。

★コリアンダーシード ウォーター: コリアンダーシードを水に浸して一晩置いた水。コリアンダーは体を冷やす効果があり、消化を助けるのにも効果的。

★ライムウォーター: ライムのビタミンやミネラルは消化を助け、塩を加えることでミネラルバランスを整えることができます。さっぱりしていて飲みやすく、水が苦手という方も美味しく召し上がれると思います。

★ココナッツウォーター: カリウムやマグネシウムなどのミネラルが豊富で、発汗で失われたミネラルを補給できます。また、ココナッツには体を冷やす効果も◎

ピッタを下げる食事法をとりいれる

ピッタを下げるためにお食事で気をつけたいポイントは、2つ。1) 辛いものや刺激物を避ける 2) 体の熱を冷ます食材を積極的にとる。この2つです。

夏といえば、辛いものや刺激的なもので発汗して元気になるというイメージをお持ちの方も多いですが、辛味や油っこい食事はピッタを刺激すると言われています。加えて、発汗するというのはかなりエネルギーが必要。すると、体力も奪われてぐったりしてしまうことも。気持ちは元気なのに、体が思うように動かずイライラしてしまうなんてこともあるかもしれません。

夏におすすめなのは、きゅうりやスイカ、ココナッツといった体を冷やす食材を積極的に摂ること。旬を迎える食材には、その季節の体に必要なエネルギーがつまっています。スーパーや産直で、旬の食材を手にとってください。

規則正しい生活を送る

睡眠不足や不規則な生活はピッタを乱す原因の一つ。できれば、毎日同じ時間に寝起きし、十分な睡眠をとることが◎。

また、適度な運動を毎日行うことも大切。激しい運動はピッタを刺激するので、ヨガやストレッチ、ウォーキングなど穏やかな運動がおすすめです。

加えて、リラックスする時間を設けることも大切。ヨガの練習のあとに瞑想をしたり、アロマテラピーや入浴など、ご自身のルーティンにあったリラックス方法をぜひ取り入れてください。

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