【お悩み相談】「生理前は頭がぼんやり。集中できずミスして落ち込む。どうすれば?」#毒出し保健室
アーユルヴェーダの中で大切にされている考え方をシンプルに言うと、"体に毒を溜めない/毒を排出する"という『毒出し』。「大きな声ではちょっと言えない」「身近な存在の人には知られたくない」と言った悩み事を抱えていませんか? 体調や心の悩み、人間関係やら恋愛、夫婦やパートナー間のあれこれまで、皆さまの悩ませている毒を溜めずに排出するべく、アーユルヴェーダアドバイザー/ヨガ講師の桑子麻衣子がアーユルヴェーダとヨガの智慧をベースにお悩みに答えます!
今回、「毒出し保健室」を訪れてくれたのは、生理前に頭がぼんやりすることにお悩みのN子さん(36歳)です。「仕事中も頭がぼーっとしていて、集中できず。ミスが重なり、気分が落ち込みます」と話します。生活習慣をお伺いしながら、生理前も快適に過ごせる方法を一緒に考えてみました。
「生理前は頭がぼんやり。どうにかしたい」
桑子: 「毒出し保健室」ようこそ!今回は、どういったお悩みでしょうか。
N子さん: 生理前は頭がぼんやりとします。仕事中も頭がぼーっとしていて、集中できず。ミスが重なり、上司に怒られて気分が落ち込みます。先輩の中には「ちょっと休んだら?」と声をかけてくれる人もいますが、私としては休みたくないんです。
桑子: 生理前以外に、頭がぼーっとしたり、集中力が低下することはありますか?
N子さん: 風邪を引いてしまうという例を除いては、生理前以外に頭がぼーっとすることは、ありません。生理がはじまると、調子が戻ります。
桑子: 分かりました。それでは、普段の生活習慣について詳しく教えて下さい。運動習慣などはありますか?
N子さん: 習慣的に運動はしていませんね。コロナ禍の頃は、家でするヨガにハマったのですが、出勤するようになったこともあり、そのまま続けることはできませんでした。自宅から駅まで15分歩くというのが、辛うじて運動になるかもしれません。
桑子: よく食べるものや飲み物はありますか?
N子さん: 毎日1−2回飲むのは、コーヒーですね。特に、頭がぼんやりしている時は、カフェインに頼らないとやっていけない気がします。食べ物は、生理前は間食が増えます。生理前は、食生活が乱れているという実感があります。
桑子: お食事は三食決まった時間に食べていますか?
N子さん: 朝は、食べたり食べなかったりします。昼も、バラバラですね。忙しい時は、デスクで仕事をしながら食べることもよくあったり…。夜も、帰宅時間がバラバラなので、外食で済ませてしまうこともあります。
桑子: 起床時間と就寝時間は何時でしょうか?
N子さん: 平日は朝6時起き、夜は0時前には寝るようにしています。休日は、昼前まで寝てしまいますね。夜も、時計を見ないでベットに入ります。
桑子: 睡眠の質はどうでしょうか?
N子さん: 生理前は日中眠たいこともあって、もう目を開けているのも辛いほどなのですが、不思議なことに夜ベットに入ると、なかなか寝付けないんです。あと、夜中に目が覚めてしまって、そのまま朝まで眠れないなんてこともありますね。
桑子: 就寝前は、どのように過ごすことが多いですか?
N子さん: シャワーから出たら、スマホでYoutubeを見て過ごすことが多いです。
生理前、頭がぼーっとする原因
ご相談ありがとうございます!生理前は、多くの方が様々な不調を抱えやすい時期。「無理をしないで」「しっかり休んで」というのは正論ではあり、実際それを実行することを優先できたり、そういった環境が整ってきていることはとても誇らしいこと。一方で、まだまだそれが許されない環境があったり、あるいはそれを望まない人も一定数いますよね。
本題に入りましょう。生理前に頭がぼーっとするのは、PMS(生理前症候群)の症状の一種ではないかと思います。PMSの原因はまだはっきりとは解明されていないのですが、排卵後から生理前にかけて起こる女性ホルモン(エストロゲンやプロゲステロン)の急激な変動が関係していると考えられています。これにより脳内の神経伝達物質(セロトニンなど)にも影響が及び、心身にさまざまな症状が現れるとされています。ホルモンバランスの変化に伴い基礎体温が上昇したり、脳内物質(特にセロトニン)の変化が起こることで、頭がぼんやりする、集中力が低下する、強い眠気やだるさを感じるといった症状が出ることがあります。さらに、睡眠不足や過度なストレス、食生活の乱れなどの生活習慣も、PMSを悪化させる要因となると考えられています。
オン・オフとしっかりと切り替える
生理前の心身は、とてもデリケートです。だから、正直な話、一番の解決策は休息をとることなんです。ただし、言うは易く行うは難し。社会的人間の私たちには、どうしても自分を最優先にできないことも、たくさんありますよね。
「生理前だからと言って休みたくないし、仕事/家事/子育てもいつも通り頑張りたい(頑張らないといけないんです)」という人は、オン・オフをしっかり切り替えること意識することで、PMSの症状と上手く付き合っていくことができるのではないでしょうか。つまり、生理前のデリケートな時期は、仕事はいつも通り、その時のベストを尽くす。だけど、仕事以外の時間は、積極的に休息を意識するようにするのがおすすめです。オフの時間は思い切ってスマホの電源を切って、車窓から見える景色をただただ眺めてみて下さい。それこそ頭をぼーっとすることに専念するというわけです。
以下、アーユルヴェーダ的視点を絡めた生理前のオフの時間の過ごし方です。参考になれば嬉しいです。
・アクティブレスト
アクティブレストとは、完全に休むのではなく、軽い運動やストレッチなどを行うことで血流を促進し、疲労物質の排出を助け、疲労回復を図る「積極的休養」のこと。
忙しいスケジュールの中に、わざわざ運動ルーティンを組み込むのは難しいという方も多いかもしれませんが、一駅前でおりて歩く距離を長くしてみたり、エレベーター/エスカレーターではなく、階段を利用し、体を動かしてみると、頭もしゃきっとする感覚があるかも。
日常生活で毎日続けられることを取り入れていって下さい。
・食習慣
どのように食べるかという食べ方も休息の質に大きく関わってきます。まずは、規則正しく3食しっかり食べましょう。特に、朝食は体内時計をリセットし、一日の生活リズムを整える重要な役割があるため、朝食はスキップしないで。咀嚼をすること、腹八分目で食べることをストップすることもお忘れなく。就寝3時間前までに夕食を済ませると、睡眠の質が改善されることが期待できます。また、食後15分〜30分は胃腸を休ませる「食休み」をとることで、消化を助けて、体に必要な栄養が行き渡りやすくなります。
ちなみに、水分不足も、頭がぼーっとすることのかくれ原因の一つであることが多いため、利尿作用のあるカフェインはNG。体を冷やさないことも生理前は重要な要素のため、常温以上のノンカフェインの飲み物が◎。また、お食事は、温かく、消化の良い、とろみのある食事を摂るのがおすすめ。甘いものなどがどうしても食べたくなった時などは、ふかし芋がおすすめです。
・睡眠の質
起床時間、就寝時間は毎日同じ時間がベスト。体内時計を整えることで、オン・オフの切り替えができるようになっていきます。
睡眠の質を上げるためには、就寝前のルーティンも意識的に。スマホやテレビなどは、なるべく避けて、本当に頭をぼーっとすることに時間を費やしてみて。シャワーで済ませることも多いかもしれませんが、できれば5分でも湯船に浸かるのがベストです。また、おすすめは、ラベンダー、カモミール、ベルガモット、オレンジスイート、サンダルウッドのアロマを焚くのもおすすめ。適した香りは、不安感を軽減することでリラックスを促し、睡眠の質を高めてくれます。生理前は寝入りが悪い人も多いですが、無理に寝ようとすると余計
眠りに落ちづらくなってしまうことも。なかなか寝れない時は、いったん「寝なくちゃ」という思考を手放して、ぼーっとすることを楽しんでみるのも◎。
いかがでしたか?
「仕事を休む」「無理をしないで、手を抜く」というと、やはり罪悪感が湧いてきてしまう人も多いかもしれません。だからこそ、1日の中で、しっかりと「頑張るモード」と「休むモード」を使い分けることが肝心。特に生理前のデリケートな期間は、「仕事/家事を頑張りたいから、休むことも頑張ろう」と意識して下さい。
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