ツヤ髪の人が普段から食べているものとは?【管理栄養士が解説】
「髪がツヤツヤなあの人、何を食べているんだろう」と思ったことはありませんか?実は、ツヤのある髪は毎日の食事からつくられています。シャンプーやトリートメントで丁寧にケアをしても、髪に必要な栄養が不足していれば、美しいツヤは生まれません。この記事では、ツヤツヤな髪をつくるために意識したい栄養素を、管理栄養士がわかりやすく解説します。
ツヤ髪は「土台づくり」が大切
毛髪にはダメージを治す力がなく、どのような食品を摂っても、一度ツヤを失った髪は元には戻りません。だからこそ、髪が生える前の段階から十分に栄養を補給し、健やかな髪を育む土台を作っておくことが大切です。
ツヤのある髪をつくるためには、さまざまな栄養素が必要です。なかでも不足しがちなものを中心に、意識して摂りたい栄養素とおすすめの食材を紹介します。
たんぱく質|肉、魚、卵、牛乳・乳製品、大豆製品
毛髪の80〜90%を構成するたんぱく質は、健やかな髪を保つために欠かせない栄養素です。
たんぱく質は、複数のアミノ酸が結びついてできている物質です。毛髪の主成分である「ケラチン」というたんぱく質も、シスチンをはじめとするさまざまなアミノ酸を含んでいます。健やかな髪を育てるためには、いくつものアミノ酸をバランスよく摂取する必要があります。
そこで役に立つのが「アミノ酸スコア」です。アミノ酸スコアとは、食品に含まれる必須アミノ酸(体内で合成できないアミノ酸)のバランスを示した指標です。
食品のアミノ酸スコアが100に近いほど、体に必要なアミノ酸をバランスよく含んでいることを意味します。肉や魚、卵、牛乳・乳製品、大豆製品などの食品はアミノ酸スコアが高く、髪の材料となるアミノ酸をバランスよく含んでいると考えられます。
これらの食品をまんべんなく取り入れて、ツヤのある髪を目指しましょう。
亜鉛|牡蠣、牛の赤身肉、豚レバー
亜鉛は体内でのたんぱく質の合成に関わる栄養素であり、髪の成長を助ける働きが期待できます。亜鉛が豊富な食品といえば牡蠣が知られていますが、牛の赤身肉や豚レバーなどにも多く含まれています。
このように、亜鉛は動物性食品に多く含まれるのが特徴です。一方で、ハムやソーセージ、カップ麺、清涼飲料水、お菓子などの加工食品に含まれるリン酸塩には、亜鉛の吸収を妨げる作用があります。
植物性食品や加工食品に偏った食生活を送っていると、亜鉛が不足するおそれがあります。髪の健康のためにも、栄養バランスよく食べることを心がけましょう。
鉄|レバー、赤身の肉・魚、貝類
鉄は、血液に含まれるヘモグロビンの材料となるミネラルです。ヘモグロビンは酸素と結びつき、血液にのって酸素を全身へ送り届ける役割を担っています。鉄が不足すると頭皮に酸素が行き渡らず、髪の健康に悪影響を与えることがあります。
鉄を摂取するなら、豚レバーや鶏レバー、豚ヒレ肉、カツオ、マグロ、あさり、しじみを取り入れましょう。ほうれん草や大豆などにも鉄が含まれていますが、植物性食品よりも動物性食品の方が吸収率が高いため、効率よく摂取できます。
ビタミンB群|レバー、鶏肉、魚、牛乳・乳製品
ビタミンB群の中でも、髪の健康を保つうえで意識したいのがビタミンB2とビタミンB6です。これらのビタミンはたんぱく質の分解や合成を助ける働きがあり、健やかな髪を育てるために必要な栄養素とされています。
ビタミンB2はレバーや魚、牛乳・乳製品といった動物性食品のほか、きのこや納豆にも含まれています。ビタミンB6は鶏肉や魚に豊富な栄養素です。ダイエットなどで動物性食品の摂取を控えていると不足しやすいため、偏りなく食べるよう意識しましょう。
ツヤのある髪を育てるには、十分な栄養補給が欠かせません。髪の材料となるたんぱく質や、それを支えるビタミン、ミネラルを毎日の食事でバランスよく摂り、ツヤ髪の土台を整えましょう。
【参考文献】
公益社団法人日本毛髪科学協会「毛髪を知る」
上西一弘. 栄養素の通になる 第5版. 女子栄養大学出版部. 2022.
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