「また風邪ひいちゃった…」風邪をひきやすい人が不足しているものとは?【管理栄養士が解説】

不織布マスク
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鈴木亜子
鈴木亜子
2025-10-10

季節の変わり目や疲れがたまったとき「また風邪ひいちゃった…」という経験はありませんか?実は、風邪のひきやすさには、生活習慣において何かが不足している可能性があるんです。 この記事では、風邪をひきやすい人に共通する「不足しがちなもの」について解説します。

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風邪をひきやすい人に不足しがちな栄養素

風邪対策に欠かせない栄養素の代表といえば、たんぱく質・ビタミンD・ビタミンC・亜鉛。加えて、腸内環境を整える効果が期待できる食物繊維は、免疫機能を支える重要な存在です。

ビタミンD

カルシウムとともに骨の健康維持に関わるほか、免疫機能を調節する作用があるといわれているビタミンです。日光(紫外線)を浴びることで皮膚で合成されるため、適度に日光浴を意識しつつ食事から摂取することが大切です。魚介類やきのこ類が摂取源となります。

ビタミンC

白血球に多く存在することから、免疫機能をサポートする作用があるとされている栄養素です。水に溶けやすい性質があり体に蓄えられないため、毎日こまめに摂ることが大切です。野菜や果物、いも類に含まれています。

風邪をひいて熱がある人
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亜鉛

細胞の生まれ変わりに関わるミネラルです。免疫に欠かせない「抗体」の産生に深く関わっていることが分かっています。含有量の多い食品は、牡蠣(カキ)やレバー、牛肉(赤身)、ナッツなどがあります。

たんぱく質

「お肉や魚をあまり食べない」「食事を軽く済ませがち」という人は、たんぱく質が足りていないかもしれません。たんぱく質は、免疫細胞や抗体の材料になる大切な栄養素。不足すると、体がウイルスに立ち向かう力そのものが弱まってしまいます。

 肉や魚、卵、大豆製品などを毎食バランスよく取り入れましょう。

食物繊維

体の免疫細胞の多くが腸に存在しているといわれています。そのため、腸内環境が乱れると、免疫機能に悪影響を及ぼす可能性も。つまり、風邪をひきにくくするためには、腸内環境を整えることに役立つ栄養素「食物繊維」も不可欠といえるでしょう。

野菜やきのこ、海藻といった食品に多く含まれる食物繊維を積極的に摂ることは、腸内の善玉菌を増やすことに役立ちます。結果として腸内環境が改善し、風邪に負けにくい体づくりにつながるでしょう。

栄養以外の「不足」にも要注意

ベッドで眠る猫
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睡眠不足

睡眠が不足すると、免疫力が低下しやすいといわれています。免疫機能を正常に保ち風邪をひきにくくするためには、十分な睡眠時間(6時間以上)を確保することが望ましいでしょう。

また、睡眠は時間だけではなく「質」を意識することも重要です。「寝つきのよさ」や「目覚めのよさ」が実感できる質の高い睡眠をとることは、疲労回復に効果的。免疫機能にもよい影響を与えます。

運動不足

適度な運動は、免疫細胞を活性化させることが分かっています。そのことを踏まえると、運動不足の人は、風邪をひきやすい傾向があると考えられます。ライフスタイルに合わせ、取り組みやすく続けられそうな運動で構いません。今よりも活動量が増えるよう、調整してみてくださいね。

まとめ

「バランスのよい食事でしっかりと栄養を摂る」「十分な睡眠時間を確保する」「適度に体を動かす」

こうした日々の積み重ねが、風邪をひきにくい体をつくる一番の近道です。「最近風邪をひきやすいな」と感じたら、まずは自分に不足しているものを見直してみましょう。ちょっとした心がけが「体を守る力」へとつながります。

 

【参考】

紫外線 環境保健マニュアル 2020 | 環境省

ビタミンC|厚生労働省eJIM

亜鉛による獲得免疫応答を制御するメカニズムを解明 | 理化学研究所

健康づくりのための睡眠ガイド 2023|厚生労働省

知っているようで知らない睡眠のこと|厚生労働省

健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023|厚生労働省

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