青魚と白身魚、どっちが体にいい?もったいない食べ方の人が多い!栄養士が教える「賢い魚の食べ方」
秋からは旬の魚がたくさん出回ります。魚は大きく分けると、青い皮を持ち、脂ののった青魚と、身が白く淡白な味わいが特長の白身魚があります。この記事では青魚と白身魚の特長の違いと、より栄養素を効率よく取るための食べ方について管理栄養士が解説します。
青魚とは?
背中が青く、皮に光沢がある見た目が特長の魚を指します。身の色は赤身魚に近い色ですが、背の色から「青魚」と区別されています。回遊魚で運動量が多い青魚は、旬の時期は脂肪分を多く含み、ジューシーで濃厚な味わいが特長です。
代表的な魚:サバ、イワシ、アジ、サンマ、ブリ、カツオ
白身魚とは?
筋肉中にミオグロビンと呼ばれる赤い色素を多く含まず、白っぽい身が特長の魚を指します。脂質が少なく、淡白であっさりとした味わいが特長です。
代表的な魚:タイ、ヒラメ、スズキ、タラ、カレイ
青魚と白身魚の加熱により栄養価は変わる?
青魚の場合
青魚に豊富に含まれるEPA・DHAは熱に弱く、焼く・揚げるなどの高温調理で流出してしまいます。グリルやフライパンで焼き魚にすると、EPA・DHAは20%ほど、揚げると50%も失われることが報告されています。
白身魚の場合
白身魚は青魚に比べるとEPA・DHAなどの脂質が少ないため、加熱による栄養損失は少なめです。また、白身魚は加熱しても身が硬くなりにくいため、長時間加熱する鍋や煮魚にも向いています。
刺身で食べるなら青魚と白身魚どっちがおすすめ?
生で食べる刺身は、栄養素を逃すことなく取り入れられるため、青魚も白身魚も効率よく栄養素を取り入れるという点ではおすすめです。一方で青魚には「ヒスチジン」と呼ばれる成分を多く含み、常温での放置や不適切な温度管理によって「ヒスタミン」と呼ばれる成分が生成されます。ヒスタミンを多く含む魚を食べると、顔が赤くなったり、じんましんが出たりアレルギー様の症状を引き起こす食中毒の原因となります。ヒスチジンは白身魚よりも青魚に圧倒的に多く含まれているため、鮮度の悪い魚を食べるとヒスタミン食中毒を引き起こすリスクが高くなります。
まとめ:青魚を白身魚、どう食べるのがおすすめ?
青魚の特長
・EPA・DHAなどの不飽和脂肪酸が豊富
・脂が多いため酸化しやすい
・ヒスチジンを多く含み。鮮度が悪いものは食中毒を引き起こしやすい
おすすめの食べ方
・新鮮なものは刺身で
⇒EPA・DHAは熱に弱く、加熱によって減少するため、最も効率よく栄養素を摂るなら刺身がおすすめです。
・加熱する場合は汁ごと食べられる「煮魚」で
⇒焼き魚だと DHA・EPAが流れ落ちてしまうため、煮汁も一緒に食べられる煮魚にすると栄養を無駄なく取り入れられます。
白身魚の特長
・脂質が少なく高たんぱく・低カロリー
・加熱しても栄養損失が少ない
おすすめの食べ方
・煮る・蒸すなど長時間加熱する調理
⇒加熱しても身が硬くなりにくいため、どんな加熱調理とも相性抜群。淡白な味なので、どんな食材・味付けにも合わせやすい。
・新鮮なものは刺身でも
⇒青魚と同様、刺身だと栄養を逃さず取り入れられます。ヒスチジンの含有量が低く、ヒスタミンによる食中毒のリスクは低いですが、青魚と同様に鮮度や適切な温度管理が大切です。
【参考文献】
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