「白身魚」と「赤身魚」栄養価が高いのはどっち?管理栄養士が解説
淡白な味が特徴の「白身魚」とうま味がたっぷりの「赤身魚」見た目や味の違いだけでなく、栄養価にも違いがあるのはご存じでしょうか?この記事では白身魚と赤身魚の違いとその栄養価を管理栄養士が解説します。
白身魚と赤身魚の違いは何?
白身魚と赤身魚の違いは筋肉の種類によって分類されます。筋肉は大きく分けると速筋と遅筋の2種類があります。速筋とは瞬発力と一時的な強い力を持つ筋肉で、遅筋は持久力が高い筋肉のことを指します。この筋肉は色にも大きな違いがあり、速筋は白っぽく、遅筋は赤っぽい色が特徴です。以上の特徴から速筋を多く持つ身が白っぽい魚は「白身魚」に、遅筋を多く持つ身が赤っぽい魚は「赤身魚」に分類されます。
白身魚と赤身魚のそれぞれの特徴は?
白身魚と赤身魚の見分け方が分かったところでそれぞれの特徴を更に深く見ていきましょう。
白身魚の特徴
代表的な白身魚にはたい、たら、ひらめ、かれいなどがあります。これらの魚は沿岸魚や深海魚に多く見られ、普段はゆっくりと泳ぎますが獲物を摂ったり敵から逃げる時に瞬発的に力を発揮します。
淡白な味が特徴的で、低カロリーでたんぱく質をしっかり含むのでダイエット中の方にもおすすめです。生だとしっかりとした歯ごたえがありますが、加熱すると身がほろほろとほぐれ、食感にも違いがあります。火を通しても身が硬くなりにくいので煮ても焼いてもおいしく食べられます。身が柔らかく消化にも良いので子供から高齢者まで幅広い年代の方に親しまれている魚です。淡白な味なのでどんな味付けとも相性が良く、和食、中華、洋食と様々なジャンルで使われます。
赤身魚の特徴
赤身魚の代表的な魚はかつお、まぐろ、ぶり、あじ、いわし、さんま、さばなどがあります。これらの魚は回遊魚に多く、寝ている間も捕食されないように動き続けることが出来る程、持久力が高い点が特徴です。長時間動き続けるためにはたくさんの酸素が必要になりますが、赤身魚には筋肉色素たんぱく質のミオグロビンや、血液色素たんぱく質のヘモグロビンといった酸素を運搬するための成分が多く含まれています。この2つの成分が赤っぽい色をしているため、魚の身の色も赤くなります。
赤身魚には鉄分とDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)が多く含まれます。ヘモグロビンとミオグロビンは鉄の化合物で、特に血合いの部分に多く含まれます。DHAとEPAは魚の脂肪に含まれる部分なので、あっさりとした白身より脂身の多い赤身に多く含まれます。血中の悪玉コレステロールを減少させ、生活習慣病の予防に効果がある成分です。肉質は硬めで焼くと更に身が締まります。
まとめ
白身魚と赤身魚の特徴をまとめると以下のようになります。
白身魚
・低カロリーで高たんぱく
・消化に良い
・淡白な味でどんな味付けとも相性が良い
赤身魚
・鉄分、DHA、EPAを多く含む
・健康効果が高い
・硬めの肉質で食べ応えがある
白身魚と赤身魚は見た目や味の違いだけでなく栄養価にも違いがあります。どんな食材もそうですが偏りなくバランスよく食べることが大切です。違いを知って健康的な食習慣に役立ててくださいね。
〈参考文献〉
AUTHOR
田中ひろか
管理栄養士。 保育園栄養士、ダイエットインストラクターとして食事指導とレシピ提供の経験を経て渡豪。 バイロンベイでのヨガリトリート中ベジタリアンの食生活を経験したことから、幅広い野菜の食べ方を知る。 食を楽しみながら健康的なライフスタイルを築くため、’’野菜をおいしく手軽に食べる方法’’を研究中。 現在はメルボルンに在住し、オンラインの食事指導とカフェのヴィーガン、ベジタリアンメニューの提案に携る。
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