【青魚と白身魚】どっちがいいの?目的別の選び方を管理栄養士が解説
魚は健康に良いと知っているけれど、どれを購入するべきか分からずいつも同じものを買っている、その時に一番安いもので済ませている、といった方が多いのではないでしょうか。栄養豊富な魚ですが、青魚と白身魚の成分には違いがあるので、本当は食べる人の状況によって変えていってほしいのです。この記事では、ダイエット中や健康を維持したいなど、目的別におすすめの魚をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
青魚と白身魚の種類と違い
青魚は、赤身の魚の中で背が青い魚の総称です。また、白身魚と赤身魚は、ミオグロビンと呼ばれる筋肉色素たんぱく質の量で区別されています。100mgあたり10mg以上であれば赤身魚、なければ白身魚となっています。赤身魚の特徴は、酸素を運んだり、体を動かす遅筋が発達しているので、長距離ランナー型の魚といえます。マグロ、カツオ、サバ、ブリ、サンマなどで、たんぱく質だけでなく血合いの部分に鉄分が多いのが特徴です。
白身魚は速筋が発達していて、エサを捕まえたり敵に対して逃げる瞬発力があるため短距離ランナー型で、長い間泳ぐのは苦手です。タラ、タイ、ヒラメ、スズキ、アンコウ、ヒラメなどがあり、たんぱく質が豊富で、青魚よりも低脂質です。鮭は赤身魚に思われますが、鮭のピンク色の色素はミオグロビンではなく、エビやカニの色素と同じアスタキサンチンによるもので、白身魚に分類されます。
どっちを選ぶ?目的別の選び方
ダイエット中
体重を落としたい、体脂肪を減らしたいというダイエット中の方は、まず炭水化物にプラスして良質なたんぱく質をしっかり摂ることが大切です。今までお肉が多い食生活や脂質を過剰に摂取してきた人などは、お魚中心の食事に変えると、筋肉を維持しながら体脂肪を減らすことにつながります。脂質の少ないタラ、タイなどの白身魚がおすすめです。タラは煮魚、タイはお刺身で取り入れるとお手軽で、脂質を自然と減らすことができます。
健康を維持したい
体重ではなく、体の健康を第一に考えてバランスのよい食事をしたいという方は、青魚の摂取頻度を振り返ってみましょう。週に一回程度しかお魚を食べなかったり、白身魚しか食べていなかった人は、青魚を週に二回は取り入れるようにしましょう。青魚には良質な脂であるDHA・EPAが含まれているので、血液をサラサラにして動脈硬化を防ぐ効果や、認知症の予防など、心血管系や脳の健康維持にも役立つ成分が含まれています。
体調不良のとき
発熱や風邪症状などで体調が崩れてしまった時は、体の回復を待って消化の良いものから食事を摂ることが大切です。胃に負担をかけずに栄養を補給したいので、脂質が高めな青魚は避け、タラやヒラメなどを煮ておかゆに混ぜるのがおすすめです。鮭は白身魚の中では脂が多い方なので、体調が良くなってから食べるようにしましょう。
まとめ
青魚、白身魚それぞれの特徴がありますが、どちらも健康のために必要な栄養素が含まれていることがわかりました。その時の体調や目的に合わせて、色々な種類の魚を取り入れていけるようにしましょう。
《参考文献》
赤身魚と白身魚の違い そして・・・青魚と赤魚とは?/魚食普及推進センター
《ライター》やなぎかおり
特別養護老人ホームにて介護食の大量調理や栄養士業務を経験。働きながら管理栄養士の資格を取得。その後、中学校給食センターにて献立作成、給食管理、食育授業に携わる。結婚、出産を経てヘルスケア栄養指導士の資格を取得。子育てをしながら栄養に関する記事執筆を行っている。
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