【柿】食べ過ぎると胃に石ができる!? 柿胃石・便秘・貧血に注意|適切な量を管理栄養士が解説

【柿】食べ過ぎると胃に石ができる!? 柿胃石・便秘・貧血に注意|適切な量を管理栄養士が解説
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秋の味覚といえば、甘くて栄養も豊富な「柿」。昔から「柿が赤くなると医者が青くなる」といわれるほど健康に良い果物ですが、実は食べ過ぎると不調につながることもあります。今回は、柿の栄養とともに、知っておきたい「食べ過ぎの落とし穴」について管理栄養士が解説します。

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柿に含まれる栄養素

柿は、ビタミンCが豊富なフルーツです。1個(約200g)で1日の推奨量の7割ほどが摂取でき、美肌づくりや免疫機能のサポートに役立ちます。さらに、カリウムは余分なナトリウム(塩分)の排出を促し、むくみや高血圧の予防に役立ちます。食物繊維も含まれているため、腸内環境を整えてくれます。そのほか、抗酸化作用をもつβ‐カロテン、ポリフェノールなども含まれており、まさに「美容と健康をサポートする秋の果物」といえるでしょう。

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柿の食べ過ぎで起こる不調

1. 柿胃石(かきいせき)

柿の渋み成分「タンニン(シブオール)」は、胃酸と反応すると凝固しやすい性質があります。空腹時に大量に柿を食べると、これが固まって石のようになり、「柿胃石」と呼ばれる状態を引き起こすことがあります。症状としては、胃もたれや吐き気、腹痛などがあります。まれに腸閉塞にまで進行するケースも報告されています。

2. 便秘

タンニンは腸のぜん動運動を抑える働きがあるため、摂りすぎると便秘につながることがあります。とくに便秘気味の人は注意が必要です。

3. 鉄分不足による貧血

タンニンには鉄分の吸収を妨げる作用もあるため、食べ過ぎると鉄不足・貧血リスクにつながる可能性があります。鉄分が不足しやすい女性や成長期のお子さんは、食べ方に注意が必要です。

柿の一日の適切な摂取量

厚生労働省と農林水産省の《食事バランスガイド》では、果物は1日200g程度が目安とされています。柿の場合、1日1個程度が適量と考えられています。

安全に柿を楽しむためのポイント

  • 空腹時に大量に食べない
  • よく熟した柿を選ぶ
  • 水分と一緒に摂る
  • 鉄分が不足しがちな人は食べ過ぎを控える

これらを意識すれば、柿の栄養を効率よく取り入れながら安心して楽しむことができます。

まとめ

柿はビタミンCやカリウムなど健康に役立つ栄養が豊富ですが、食べ過ぎると柿胃石・便秘・貧血といった不調を招く可能性があります。「1日1個」を目安に、体質やタイミングを考えて取り入れることで秋の味覚をよりおいしく健康的に楽しむことができるでしょう。

参考文献

記事監修/亘美玲

管理栄養士。病院栄養士を7年経験後、食品会社で約15年間メディカルサプリメントや機能性表示食品の商品開発責任者として従事。2児の母で、自身の妊娠と出産、離乳食作りの経験から母子栄養の研究を重ね、産前産後ママの栄養サポート、栄養相談、料理教室、レシピ提案、執筆、栄養学講座の活動を行っている。離乳食や調理の基本についてSNSでも発信をしている。

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