腎臓を守る食べ方|今日からできる5つの工夫を管理栄養士が解説

腎臓を守る食べ方|今日からできる5つの工夫を管理栄養士が解説
photoAC

腎臓は、普段あまり意識することのない臓器のひとつです。体内の老廃物を排出する大切な役割を担っていますが、一度機能が低下すると回復が難しいとされています。だからこそ、毎日の食事で腎臓への負担を減らすことが大切です。この記事では、腎臓にやさしい5つの食べ方を管理栄養士が解説します。

広告

腎臓を守る5つの食べ方

腎臓の役割は尿を作ること。老廃物を体内にためないために、大切な働きをしている臓器です。ところが、腎臓は一度機能が低下すると回復が難しいといわれています。したがって、腎臓にやさしい食事を日々心がけることが必要です。

ここからは、腎臓を守るために意識したい食べ方を5つ紹介し、それぞれの食べ方が腎臓をどのように守るのかを詳しく解説します。

1. ハム・ベーコン・ウインナーを食べすぎない

食生活で腎臓を守る!今日からできる食べ方の工夫5つを管理栄養士が解説
photo by photoAC

ハムやベーコン、ウインナーなどの加工肉には塩分が多く含まれています。これらを食べすぎないことで高血圧の予防につながり、腎臓の血管を守ることが期待できます。

塩分の摂りすぎが高血圧の原因となるのは、体内の塩分(ナトリウム)濃度を薄めようとして体が水分をためこむため。その結果、血液量が増えて血管への圧力が高まり、高血圧を引き起こすのです。

腎臓では細い血管が張り巡らされ、血液から老廃物や余分な水分をろ過しています。高血圧になると腎臓の血管にも強い圧力がかかり、腎機能が低下する原因となります。ハムやベーコン、ウインナーを食べすぎないように意識して、腎臓への負担を減らしましょう。

2. ラーメン・うどん・そばの汁を残す

ラーメンやうどん、そばは塩分が多いといわれますが、そのほとんどは麺ではなく、汁に含まれています。汁を飲み干さず、残すことで塩分摂取量を大きく減らせます。

一般的なラーメンの塩分量は、1杯あたり約6〜7gです。「日本人の食事摂取基準」では、1日に摂取する塩分の目標量を成人男性で7.5g、成人女性で6.5gと定めています。したがって、ラーメン1杯で1日分の塩分をほぼ摂ってしまう計算になります。

塩分の摂りすぎは腎臓に負担をかけるため、ラーメンなどの麺類は汁を飲み干さないように心がけましょう。

3. 菓子パン・お菓子・甘い飲み物を控える

食生活で腎臓を守る!今日からできる食べ方の工夫5つを管理栄養士が解説
photo by photoAC

腎臓を守るためには高血糖にも注意が必要です。砂糖を多く含む菓子パンやお菓子、甘い飲み物の摂りすぎは高血糖につながります。

血糖値が高い状態が続くと、腎臓の血管はダメージを受けます。さらに糖尿病に進行することで血糖値のコントロールが難しくなり、腎臓への負担が増して腎機能が低下してしまうのです。

甘いものを食べたいときは少量にとどめ、ダラダラと食べ続けないようにしましょう。

4. 食事は野菜から食べる

野菜に多く含まれる食物繊維には、糖質の吸収を緩やかにし、血糖値の上昇を抑える働きがあります。そのため、食事の最初に野菜を食べることで、食後の血糖値の急上昇を防ぐ効果が期待できます。

ただし、かぼちゃ・とうもろこし・いも類は糖質が多いことから、食事の後半に食べるのがおすすめです。野菜のほか、海藻やきのこにも食物繊維が多く含まれます。食べる順番を工夫して高血糖を防ぎ、腎臓への負担を減らしましょう。

5. 揚げ物・ジャンクフード・脂が多い肉を控える

食生活で腎臓を守る!今日からできる食べ方の工夫5つを管理栄養士が解説
photo by photoAC

太りにくい食生活は、腎臓を守ることにつながります。揚げ物やジャンクフード、脂が多い肉を控えて脂質(飽和脂肪酸)の摂取を抑え、肥満を防ぎましょう。

とくに内臓脂肪がたまるタイプの肥満になると、脂肪細胞から分泌される物質の影響で、高血圧や糖尿病のリスクが高まることがわかっています。高血圧や糖尿病になると腎臓の血管に負担がかかり、腎機能が低下しやすくなります。

ただし、脂質自体は健康の維持に必要な栄養素であり、すべての脂が体に悪いわけではありません。魚に多く含まれる脂質(オメガ3系脂肪酸)は、腎機能の低下を抑える可能性があることが報告されています。脂質を摂るのであれば、腎臓にやさしいものを選ぶとよいでしょう。

毎日の食事の選び方が、腎臓を守ることにつながります。健やかな体を保つために、日々の食事を見直してみてください。

【参考文献】
厚生労働省「『日本人の食事摂取基準(2025年版)』策定検討会報告書」
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
Kwok Leung Ong et al. Association of omega 3 polyunsaturated fatty acids with incident chronic kidney disease: pooled analysis of 19 cohorts. BMJ, 2023 Jan 18.

広告

RELATED関連記事

Galleryこの記事の画像/動画一覧

食生活で腎臓を守る!今日からできる食べ方の工夫5つを管理栄養士が解説
食生活で腎臓を守る!今日からできる食べ方の工夫5つを管理栄養士が解説
食生活で腎臓を守る!今日からできる食べ方の工夫5つを管理栄養士が解説