乾燥わかめが“地味スゴ”。食物繊維とヨウ素の宝庫だけじゃない?管理栄養士が推奨する理由
毎日の味噌汁、酢の物、スープの具に便利な「乾燥わかめ」。つい脇役扱いしがちですが、実は“海藻のサプリ”級の機能性食品だったのです。特に注目したいのが、牛乳よりも多いカルシウム量と、“ぬるっと成分”によるダイエット効果。「なんとなく健康そう」で終わらせるのはもったいない!わかめの底力を見てみましょう。
意外と知らない!乾燥わかめの“4つのすごいチカラ”
食物繊維の塊。レタスの10倍以上
乾燥カットわかめには、なんと100g中約39gの食物繊維が含まれています。これはレタスの10倍以上、さつまいもの約4倍!しかも腸内の善玉菌のエサになる“水溶性食物繊維”が豊富で、便秘改善にも◎。
※比較や摂取時は「乾燥」と「水戻し」の違いにご注意ください。
牛乳よりカルシウムが多い
乾燥わかめには、100gあたり約820mgのカルシウムが含まれます(※乾燥状態)。これは一方、一般的な牛乳(100gあたり)は約110mgのカルシウムを含みます。つまり、乾燥わかめには牛乳の約8倍ものカルシウムが含まれているのです。乾燥わかめは骨粗しょう症予防に効果的なミネラル源です。実はわかめ、骨活にも優秀な食材だったんです。
※比較や摂取時は「乾燥」と「水戻し」の違いにご注意ください。
“ぬるぬる成分”が、血糖・脂肪に効く?
水戻ししたわかめにある“ぬるぬる”の正体は、アルギン酸やフコイダンという成分。これらは、血糖値の上昇を抑えたり、脂肪の吸収を妨げる働きがあるといわれています。特に脂っこい食事と組み合わせると、脂質代謝のサポートにも◎。
実は「甲状腺ホルモン」に関係する重要なミネラルが豊富
わかめはヨウ素(ヨード)が多いことでも知られています。これは代謝を司る甲状腺ホルモンの材料になる重要な栄養素で、「なんとなくだるい」「疲れやすい」と感じる人にも必要なミネラルです。
【注意点】ヨウ素の“摂りすぎ”には気をつけて
いくら栄養豊富とはいえ、ヨウ素は過剰摂取すると甲状腺機能に影響を及ぼす可能性もあります。とくに甲状腺疾患のある方は要注意。乾燥わかめで1日あたり5g前後(手のひらに軽くのる程度)を目安にすると安心です。
乾燥わかめ100gあたりのヨウ素含有量は通常200〜300μgとされます。乾燥わかめ5gあたりでは約10〜15μgのヨウ素が含まれています。食べすぎなければ問題ないですが、「健康に良さそうだから」と大量摂取はNG。
意外と知らない!おすすめの“ちょい足し”アイデア
おにぎりの具に“刻みわかめ”
→ ご飯の糖質吸収をゆるやかにして、腹持ちも◎。
冷奴や納豆にパラリ
→ ミネラルと食物繊維を手軽に補給。味も邪魔しません。
味噌汁に“戻さずそのまま”IN
→ 湯を注ぐだけでOK。風味が出て、減塩にもつながります。
冷蔵庫いらずの“栄養パワーフード”
賞味期限が長く、ストックできて、調理も簡単。乾燥わかめは、実はもっと活用されるべき“地味スゴ食材”の筆頭。牛乳よりもカルシウム、ぬめりで血糖ケア、ミネラルで代謝サポート。まさに「海の機能性食品」です。
参考文献
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)2020年版」
厚生労働省「e-ヘルスネット」
国立健康・栄養研究所「食品成分データベース」
日本海藻学会「海藻の栄養と健康機能」
記事監修/亘美玲
管理栄養士。病院栄養士を7年経験後、食品会社で約15年間メディカルサプリメントや機能性表示食品の商品開発責任者として従事。2児の母で、自身の妊娠と出産、離乳食作りの経験から母子栄養の研究を重ね、産前産後ママの栄養サポート、栄養相談、料理教室、レシピ提案、執筆、栄養学講座の活動を行っている。離乳食や調理の基本についてSNSでも発信をしている。
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