どっちが体にいい?てんさい糖ときび砂糖|成分・効果の違いを徹底比較
砂糖にはさまざまな種類があり、どれを購入するか迷う方も多いのではないでしょうか?特に健康に気を遣う方は、なるべく体に良い食品選びを心がけていると思います。 料理やお菓子作りなどで活躍する砂糖は、特徴を押さえて生活に合うものを選ぶのがおすすめです。健康管理を助けてくれたり、いつもの料理のコクが増したりなど、こだわることでさまざまなメリットが得られます。 今回は、てんさい糖ときび砂糖の違いについて解説します。砂糖選びのヒントとして、ぜひ参考にしてください。
てんさい糖ときび砂糖それぞれの特徴
てんさい糖とは、甜菜から作られる砂糖です。甜菜は主に、北海道で栽培されます。対してきび砂糖はサトウキビが原料で、主に鹿児島や沖縄で栽培される砂糖です。それぞれの成分や効果の違いについては、以下で詳しく解説します。
てんさい糖ときび砂糖の比較①成分
| てんさい糖 | きび砂糖 | |
| 成分の 特徴 |
オリゴ糖を含む |
リン・鉄 カルシウム・マグネシウム とくにカリウムが豊富 |
てんさい糖は、砂糖類のなかで唯一オリゴ糖を含みます。対してきび砂糖は上白糖などの分蜜糖とは異なり、糖蜜を含む砂糖です。上白糖に比べてミネラル成分が残っており、なかでもカリウムの含有量が多いとされています。てんさい糖ときび砂糖は、どちらもミネラルを含む砂糖です。なお、ミネラルは体内で作ることができない成分のため、食品からの摂取が望ましいとされています。
てんさい糖ときび砂糖の違い②効果
てんさい糖ときび砂糖に期待できる効果は、以下の表のとおりです。
| てんさい糖 | きび砂糖 | |
| 期待できる効果 | 腸内環境改善のサポート | 高血圧予防のサポート |
てんさい糖に含まれるオリゴ糖は難消化性のため、胃や小腸などで吸収されずに大腸まで運ばれます。腸内環境に移動したオリゴ糖は善玉菌のエサとなり、腸内環境を整える働きをサポートします。きび砂糖に含まれるカリウムは、体内の余分なナトリウムを排泄する体に欠かせないミネラルです。血圧の上昇を抑制し、高血圧の予防に役立ちます。
血糖値が気になる方はてんさい糖を選ぶのがベスト
てんさい糖は、砂糖のなかでも比較的血糖値が緩やかに上昇するのが特徴です。食後血糖値の上昇度合いを示すGI値を比較すると、てんさい糖は53(低GI)、きび砂糖は71(高GI)となります。そのため、血糖値が気になる方は吸収の早いきび砂糖よりもてんさい糖の方がおすすめです。きび砂糖は強い甘さとコクが特徴のため、煮物の風味や焼き物の照りを際立たせたいときに活躍します。健康状態や用途に合わせて砂糖を選んでみてください。
なお、てんさい糖もきび砂糖も、摂りすぎには注意が必要です。WHO(世界保健機関)が定義する「成人の一日における砂糖摂取量25g」を参考に、適量を守って砂糖の甘みを楽しみましょう。
【参考文献】
北海道開発局「てんさい」
農林水産省「砂糖の種類と製造方法」
大東製糖株式会社「製品案内 からだにやさしいお砂糖【家庭用】」
日新製糖株式会社「カップ印 きび砂糖 750g」
厚生労働省「6.1.2.カリウム(K)」
THE UNIVERSITY OF SYDNEY「GI Search Brown Sugar (HongMian, Guangzhou Light Industry & Trade Group, Guangzhou, China) #」
食品安全委員会「世界保健機関(WHO)、ガイドライン「成人及び児童の糖類摂取量」を発表」
ライター/管理栄養士 山田佳奈子
約8年間保育園で献立作成や給食づくり、栄養相談に携わる。アトピーや運動誘発性小麦アレルギーの発症、2年間のイギリス生活などでからだと食の関わりに関心をもつ。現在は、子育てをしながら執筆活動をメインに食と健康に関する情報を発信している。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く






