知っているようで知らない「ブレインフォグ」どんな時に起こる?原因は|医師が解説
頭がはっきりせず、ボーっとするという症状は「ブレインフォグ」かもしれません。医師が解説します。
「ブレインフォグ」は、どのような時に起こるか?
日常生活において、朝にふわふわして頭が重い、頭がぼーっとして何事にも集中できない、どうも気分がすぐれずに頭がすっきりしないという経験をした人がいるかもしれません。
仕事中に、目が重くなって眠く頭が回らずにやる気が出ないなどの症状を自覚する場合もあるでしょう。
「ブレインフォグ」とは、頭に霧がかかったようにぼんやりしてぼーっとなることで、集中して思考することが困難になる状態を指しています。
そもそも、人間が集中力を発揮できる時間は大体限られており、集中力が欠如したときに注意力も散漫になりやすく、不安な気持ちや心配事に脳が支配されている場合には注意力がどうしても欠如してしまい思わぬミスが起こりやすくなります。
注意力が散漫になる原因として、仕事におけるプレッシャー、普段の生活での人間関係などのストレス、脳疲労、不眠、あるいはブレインフォグなどを始めとして病気に伴って注意力が低下する可能性もあります。
ブレインフォグでは、記憶障害や集中力低下がみられ、本疾患が発症する原因や仕組みは研究途上となっています。
ブレインフォグの治療はまだ確立されていませんが、経頭蓋磁気刺激治療によって症状が改善する場合もあります。
「ブレインフォグ」の原因とは?
ブレインフォグの原因については、明確に判明していませんが、日常生活における様々な要因が関連して発症すると考えられています。
新型コロナウイルス感染症などに罹患すると、ウイルスと格闘するために、自然と体内にたんぱく質が合成されて、脳にも炎症性変化が起きることで、脳が正常な機能を果たせなくなるといった仮説が存在します。
それ以外にも、体内ホルモンの変動、うつ病や不安障害に伴う抗うつ薬などの薬剤服用などが契機になって、ブレインフォグの症状が発現する場合があります。
また、普段の生活の中でも、スマートフォンやタブレット、パソコンなどの通信機器を利用すれば、常に頭の中に新しい情報がどんどん入ってきて、無意識に脳に負荷をかけて、脳疲労を起こしてしまう恐れがあります。
日常的にスマートフォンを長時間閲覧する人やパソコン作業が多い場合、適切に休憩を取らずに情報機器作業を実施している人の脳は、とても疲れやすく、ブレインフォグを引き起こしやすいと考えられます。
また、仕事をしている際に、職場の人間関係や仕事の業務負担などで強いストレスを抱える状態が続くと、睡眠不足や食欲不振などの体調不良を引き起こす可能性があり、ブレインフォグも同時に発症するリスクがあります。
さらに、ストレスを発散するために、喫煙やアルコールの過剰摂取など、不健康な生活をしてしまうと、さらにブレインフォグを発症する危険性が高まります。
まとめ
ブレインフォグは、頭の中が混沌と複雑になり、思考力や判断力、集中力が鈍くなる現象のことを指しています。
脳内の情報処理が難しく感じて、記憶や判断に影響を与えて、社会生活に支障をきたす可能性があります。
ブレインフォグは、主に、過度のストレス、睡眠不足、栄養の偏り、慢性的な疲労状態が続くことなどが原因で起こることがあります。
普段と比べて頭がはっきりせずに、頭がボーっとするという症状は、ブレインフォグから由来する場合があります。
セルフケアで治癒が期待できる状態であれば、しばらく様子を見ることも可能ですが、ブレインフォグに関連する症状が長引いて認められる場合や症状改善効果を示さない場合には、専門医療機関を速やかに受診して相談されることを推奨します。
今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。
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