知らずにやってたかも…。冷凍食品を保冷剤代わりにすることがNGな理由とは?管理栄養士が解説


気温も暖かくなってきて食品が傷みやすい季節となりました。「凍った食品が入っているから保冷材を入れなくても大丈夫♪」と思っていませんか?この記事では冷凍食品が保冷材の代わりにならない理由と、冷凍食品と保冷材の明確な違いを管理栄養士が解説します。
冷凍食品を保冷剤の代わりにしてはいけない理由とは?
冷凍食品が保冷材の代わりにならない理由は、冷凍食品では一定の低温状態を保つことができないためです。冷凍食品も解凍してしまえば生の食品と同じなので、自然解凍のおかずや凍らせた食品を一緒に入れても低温状態をキープすることはできません。冷凍食品は製造から納品まで−18度で管理されていますが、スーパーの冷凍庫から外に出した段階で温度がどんどん下がっていきます。むしろ冷凍食品の温度を保つために保冷することが大切です。
保冷剤は何からできている?
一般的な保冷材は0℃前後の温度を一定時間キープすることができます。保冷剤は少量の水と高吸水性ポリマーを合わせてゲル化したものに、防腐剤や安定剤を加えて作られます。高吸水性ポリマーは1gのポリマーで約1リットルの水を吸収する働きがあることから紙おむつなどにも使われています。防腐剤は中の水にカビが生えたり、菌が増殖して万一破れたり破損した時、食品が汚染してしまうのを防ぎます。安定剤は中の水の安定した凍結を促して突起を出にくくし、袋の破損を防ぎます。保冷剤とはただ水を凍らせたものではなく一定の温度を保ち、食品の衛生状態も保てるような工夫がされています。
自然解凍品と一般的な冷凍食品の違いとは?

自然解凍品とは加熱せずとも自然解凍するだけで食べられる冷凍食品のことを指し、商品のパッケージに「自然解凍品」と表示がされています。加熱加工した冷凍食品との違いは明確な規格基準があることです。自然解凍品と呼ばれる商品は「35度で9時間保存した上で、細菌試験、味・風味・食感の官能試験を行い、それをクリアすること」という条件が必須となっていて、この厳しい基準をクリアした商品だけが自然解凍品の表示が許可できます。冷凍食品は基本的に加熱をして食べることが条件ですので、「自然解凍」という表示がない食品を加熱せずに食べるのはNGです。
冷凍食品を買って持ち帰る時の注意点は?
冷凍食品を買って家まで持ち帰る時は、できるだけ溶けないように温度を保つことが大切です。買い物には内側にアルミフィルムが貼られた保冷バッグを使うのがおすすめ。保冷バッグを除菌して衛生的な状態を保ち、菌を残さないようにすることも大切です。水洗いや洗濯機で洗うと傷みやすいのでアルコールで拭いて除菌をしましょう。
まとめ
冷凍食品が保冷材のかわりにならない理由として冷凍食品には一定の温度を保つ働きがないことと、解凍した冷凍食品は生の食品と同じであることが挙げられます。暖かくなり食品が傷みやすい季節ですので、正しい保冷方法を知って衛生管理をしっかり行いましょう。
〈参考文献〉
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