【胃腸をケアする味噌汁】ちょい足しするだけ!胃腸をととのえるお味噌汁の3つの具材とは?
毎日の食事で胃腸をケアしたいけれど、忙しくて手間をかけられない…そんな方にぴったりの方法があります。それは、いつもの味噌汁に「ちょい足し」するだけ!胃腸を整える食材をプラスすることで、簡単に健康的な一杯が完成します。今回は、特におすすめの食材を使った味噌汁レシピと、ちょい足しする食材のそれぞれの効果についてご紹介します。
おすすめはこの3つ!「大根」「豆乳」「生姜」
大根
大根には消化を助ける酵素や抗炎症作用があり、胃腸を整える効果が期待できます。また、胃の不快感を和らげる作用も期待できます。具体的には以下の成分が重要です。:
ジアスターゼ(アミラーゼ)
大根に含まれる消化酵素「ジアスターゼ」は、でんぷんを分解する働きを持っています。この酵素は、食後の消化不良や胃もたれを軽減する効果があり、胃腸への負担を和らげます。加熱によって一部活性が失われるため、軽めの調理が理想的です。
イソチオシアネート
大根を切ることで生じる成分で、胃腸の動きを活性化させ、消化促進に寄与します。また、抗炎症作用やデトックス効果も注目されています。
水分補給効果
大根の約95%は水分で構成されており、胃腸を潤しながら、体内の老廃物をスムーズに排出するサポートをします。
豆乳
豆乳は大豆を原料とする植物性飲料で味噌との相性も良く、スープにコクを加えます。また、胃腸に優しい成分が多く含まれています。特に以下の点が注目されます。:
大豆イソフラボン
胃腸の粘膜を保護する働きがあるとされ、炎症を抑える可能性が示唆されています。ホルモンバランスの調整にも寄与し、女性の健康維持にも役立ちます。
オリゴ糖
豆乳には腸内の善玉菌を増やすオリゴ糖が含まれており、腸内環境の改善に効果的です。これにより便通が良くなり、腸内での栄養吸収率が高まります。
たんぱく質と脂質の消化吸収性
豆乳に含まれる植物性たんぱく質は消化吸収が良く、胃腸に負担をかけずに栄養補給ができます。また、大豆由来の脂質は健康的な脂肪酸が多く、胃腸の働きを助けます。
生姜
生姜は古くから薬用として利用されてきた食材で、適量を使えば香りと風味もプラスされ、食欲をそそる仕上がりになります。胃腸を温めて消化不良の改善に役立つので、特に冷えが気になる季節にもおすすめです。:
ジンゲロール
生の生姜に含まれる成分で、強い抗酸化作用があります。胃腸を刺激して消化を促進し、胃腸内の血流を改善します。また、ジンゲロールは体温を上げる効果があり、胃腸が冷えているときに特に有効です。
ショウガオール
生姜を加熱または乾燥させることで生成される成分で、より強い血流改善効果があります。これにより胃腸の働きが活性化され、代謝が促進されます。
抗菌・抗炎症作用
生姜は胃腸内で発生する悪玉菌の繁殖を抑制する働きがあり、腸内環境を健全に保つのに役立ちます。
3つの食材の相乗効果
これら3つの食材を組み合わせることで、相乗効果が期待できます。大根の消化促進作用と豆乳の粘膜保護効果が胃腸を優しくケアし、生姜の血流改善と抗炎症作用が胃腸全体の働きを底上げします。この「消化促進」「腸内環境改善」「血流促進」のトリプル効果により、胃腸が効率よく働き、健康な消化吸収をサポートする一杯が完成します。
大根と豆乳と生姜の「ちょい足し味噌汁」簡単レシピ
【材料】(2人分)
大根(薄切りまたは短冊切り)……約100g
豆乳(無調整)……100ml
生姜(すりおろし)……小さじ1/2
水……300ml
味噌……大さじ2
だしの素……小さじ1(または好みのだし)
あさつき(お好みで)……少々
【作り方】
1. 大根を短冊切りにする
2. 大根を下茹でする
鍋に水(300ml)とだしの素を入れ、大根を柔らかくなるまで中火で煮ます。
3. 豆乳を加える
大根が煮えたら、豆乳を加えて弱火にします。豆乳は沸騰させると分離するので、煮立たせないように注意しましょう。
4. 味噌を溶き入れる
火を弱め、味噌を溶き入れます。味噌を直接加熱すると風味が飛ぶため、火を止めてから溶くのがポイント。
5. 生姜を加える
すりおろした生姜を最後に加えてひと混ぜし、香りが立ったら完成。
6. 盛り付け
器に盛りつけて、お好みであさつきを散らします。
【ポイント】
豆乳と水の量は目安です。風味の調整をお好みで行ってください。
生姜はお好みで量を調整してください。ピリッとしたアクセントが欲しいときは少し多めにしてみてください。
胃腸をいたわる味噌汁で健康的な毎日を!
忙しい日々の中でも、味噌汁にちょっと工夫を加えるだけで、胃腸を整えることができます。今回ご紹介したレシピは、簡単に作れるうえに風味豊かで満足感も抜群。冷えやすい季節はもちろん、食欲がないときにもおすすめです。
ぜひ、今日の食卓に取り入れてみてください。毎日のちょい足し習慣で、体が喜ぶ一杯を楽しんでくださいね!
AUTHOR
亘美玲
管理栄養士。病院栄養士を7年経験後、食品会社で約15年間メディカルサプリメントや機能性表示食品の商品開発責任者として従事。 2児の母で、自身の妊娠と出産、離乳食作りの経験から母子栄養の研究を重ね、 産前産後ママの栄養サポート、栄養相談、料理教室、レシピ提案、執筆、栄養学講座の活動を行っている。 離乳食や調理の基本についてSNSでも発信をしている。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く