怒りたいときは怒ってもいい【心療内科医が教える】「怒りの感情」との付き合い方

 怒りたいときは怒ってもいい【心療内科医が教える】「怒りの感情」との付き合い方
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休んでも疲れが取れない、その理由はなんでしょうか。「日々の疲れが抜けない」 「ストレスを抱え苦しんでいる」「休職を考えている」「つらくて動けない」……。そんな人々を長年サポートしてきた鈴木裕介医師が【本当に心と体を回復させる】休み方を教えます。著書『心療内科医が教える本当の休み方』(アスコム)より、一部内容を抜粋してご紹介します。

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怒りの感情は敵ではない

よく、 「日本人は、感情を表に出すのが苦手な人が多い」といわれます。実際、私の知人や、クリニックにいらっしゃる患者さんを見ても、感情を出すことを「恥ずかしい」 「みっともない」と思っている人は少なくありません。中でも、多くの人が「怒り」という感情と付き合うことを苦手としています。社会には「人前で怒りをあらわにするべきではない」という暗黙の了解のようなものが存在しており、ほとんどの人が知らず知らずのうちに怒りの感情を出すことを抑えているのではないでしょうか

自分の力ではどうにもならない理不尽な目に遭い、 「怒っても仕方がない」とあきらめてしまっている人、怒りの感情を我慢しているうちに怒り方がわからなくなり、怒ることがおっくうになってしまっている人もいるでしょう。怒りという感情に非常にネガティブな印象を持っているため、 「怒りを感じたくない」 「怒りという感情が怖い」 「怒ってしまった自分が許せない」という人はたくさんいます。しかし、 「怒りに任せて相手を攻撃すること」と「怒ること、怒りという感情を抱くこと自体を我慢すること」とはまったく異なります。社会で生き抜いていくために、適切に攻撃性を発揮することはとても大事です。直接的な暴力ではなく、コントロール可能な興奮を伴って発揮される「健全な攻撃性」は、支配的な相手から身を守ることや、交渉において意志を貫くこと、挑戦することなどにつながります。

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怒りは、ラインオーバーしてくる相手を「押し返す力」として働き、他人との健全な境界線をつくるうえで欠かせない大切な感情です。怒りの蓄積を感じたときに、交感神経反応が活発化し、イライラしたり心拍が速くなったりするのは、正常な反応です。相手に直接ぶつけられないとき、怒るべき相手が目の前にいないときは、一人で怒りの言葉を口にしたり、紙に書いたりしてもいいでしょう。

健全な防衛としての交感神経の反応を「やりきる」ために、タオルを口にくわえて噛みしめたり、 「ウ~ッ」と唸ったり、ゴムボールや握力を鍛えるハンドグリップを思いきり握りしめたりするのもいい方法です。

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早く何度も行なうのではなく、絞り出すようにゆっくりじっくり行なうのがコツです。怒りは、自分を不当な攻撃から守るための自衛官や警備員のようなものです。決して敵ではありません。手放さず、うまく関係を作れるようにしていきましょう。

『心療内科医が教える本当の休み方』(アスコム)
『心療内科医が教える本当の休み方』(アスコム)

この本の著者/鈴木裕介

内科医・心療内科医・産業医・公認心理師。一般社団法人高知医療再生機構にて医療広報や若手医療職のメンタルヘルス支援などに従事。2015年よりハイズ株式会社に参画、コンサルタントとして経営視点から医療現場の環境改善に従事。2018年、「セーブポイント(安心の拠点)」をコンセプトとした秋葉原saveクリニックを開院、院長に就任。主な著書に17万部を突破した『我慢して生きるほど人生は長くない』(アスコム刊)がある。

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ヨガジャーナルオンライン編集部

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ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。



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