「微熱」「疲れ」も関係する?心療内科・精神科にかかるべき心と身体のサインとは|臨床心理士が解説
心のしんどさや疲れに対し、私たちはつい「病院に行くほどではない」と判断してしまいがち。でも、早めに病院に行けばダメージが軽いうちに治せることもあるのです。今回は心療内科や精神科にかかるべき心と身体のSOSサインをご紹介します。
心のSOSサイン
心が疲れているときの「心」そのものに現れるサインを見てみましょう。
□いつもより不安を感じる
□なんだか気分がどんよりする
□以前は気にならなかったことでイライラする
□常に焦りを感じて落ち着かない
□やる気が出ない
□思考がうまくまとまらない
□嫌な考えが頭のなかに繰り返しよぎる
□死にたい気持ちになる
身体のSOSサイン
心が疲れていると「身体」にも、次のようなサインが現れます。
□睡眠の変化(眠れない、寝すぎる、何度も起きる…など)
□食欲の変化(食べられない、食べ過ぎる、味がしない、体重が急激に変化した…など)
□疲れやすい
□悲しくないのに涙が出る
□頭痛や肩こりなど身体の痛みを感じる
□めまいや吐き気がする
□喉の辺りがつまった感覚がある
□手足が冷える
□お腹の調子が悪い(胃痛、下痢、便秘…など)
□風邪ではないのに微熱が続く
光や音などの刺激に敏感になる 行動の変化
心の疲れは「行動」の変化ももたらします。
□以前は楽しかったことが楽しめない
□以前は簡単にできた作業にもたつく
□一人になりたくなる
□家族や友人とのケンカが増えた
□気分を晴らしたくてお酒やタバコの量が増えた
□何も考えたくなくてギャンブルやゲームにのめり込んでいる
□理由もないのに特定の場所が怖い
□絶好調と絶不調を繰り返して中間がない
□繰り返し悪夢を見る
自分に合う精神科や心療内科の見つけ方
精神科や心療内科は数ヶ月待ちの場合があるため、SOSサインが出ているなら早めに予約しておくのがおすすめ。ここでは、自分に適した精神科や心療内科の見つけ方を解説します。
近隣の病院を探す
精神科や心療内科は、気持ちが落ち込み、なにもかも億劫なときにこそ通院が必要になる病院です。そのため、「評判がいいから」と遠方の病院を選ぶと、通いたいときに足が向かず、通院が途絶えてしまうことも。
まずは、通院しやすい距離の病院を検討してみましょう。
口コミを参考にするのはほどほどに
最近では、病院の評価や口コミもネットで簡単に調べられるようになりました。
ただ、医師との相性は人によって大きく異なります。淡々と話す医師を「必要な情報をわかりやすく話してくれる良いお医者さんだ」とポジティブに捉える人もいれば、「冷たくて人間味がないお医者さんだ」とネガティブに捉える人もいます。
口コミを比較して悩み続けるよりも、実際に行ってみることも大事です。
予約しよう
基本的に精神科や心療内科は「予約制」となっています。電話での予約が求められる病院が多いですが、ネット予約ができる病院も増えています。
電話予約するときには
・初診であること
・自分の名前
を伝えれば、あとはスタッフの方が質問することに答えるだけ。
・困っていること(症状)
・電話番号
などを聞かれる場合があります。
医師と自分の相性をチェック
病院に来たら、医師が自分にとってほどほどに安心できそうな人かを確認しましょう。
・こちらの話を聞いてくれる
・話し方が不快ではない
・わかりやすく説明してくれる
・質問に答えてくれる
など、自分にとって「良い」と思えたら、かかりつけの病院にして良いでしょう。
ただし、100%安心できる医師や病院を見つけるのは現実的ではありません。60~70%くらいの安心感でOKとしておきましょう。
精神科や心療内科はカウンセリングではないことに注意
精神科や心療内科では、初診は30分から1時間ほどの時間をかけて話を聞いてくれるものの、それ以降の通院では5〜10分の診察時間で終わるケースがほとんど。
「カウンセリングのようにじっくり話を聞いてもらえるはず」と期待すると、がっかりしてしまうことになります。
「カウンセリングも受けたい!」と思っている方は、院内でカウンセリングを実施している病院や外部のカウンセリング機関と提携している病院を選ぶと良いでしょう。
ただし、カウンセリングは自分を見つめ、考え、言葉にする作業ですから、心身への負担は決して軽くありません。状態によってはカウンセリングを希望しても医師がストップをかけることもあります。
おわりに
虫歯を放置すると悪化するように、心のダメージも放置すると悪化します。
普段から心をケアするとともに、SOSサインを見つけたら早めに病院等で対処する習慣をつけましょう。
AUTHOR
佐藤セイ
公認心理師・臨床心理士。小学生の頃は「学校の先生」と「小説家」になりたかったが、中学校でスクールカウンセラーと出会い、心の世界にも興味を持つ。大学・大学院では心理学を学びながら教員免許も取得。現在はスクールカウンセラーと大学非常勤講師として働きつつ、ライター業にも勤しむ。気がつけば心理の仕事も、教える仕事も、文章を書く仕事もでき、かつての夢がおおよそ叶ったため、新たな挑戦として歯列矯正を始めた。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く