自律神経が整う食べ物がある?管理栄養士が解説

 自律神経が整う食べ物がある?管理栄養士が解説
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古山有紀
古山有紀
2025-04-05

自律神経の乱れは、体に様々な不調をもたらします。そのため健康を維持するためには、自律神経を整えることがとても重要です。本記事では、自律神経と食べ物に着目。自律神経を整える食べ物について解説します。

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自律神経とは

自律神経は、呼吸や消化など生命維持に必要な機能を調整する神経です。交感神経と副交感神経の2つから成りますが、この2つは全く逆の働きをしています。

交感神経は活動時によく働き、緊張を高めて心も体も動きやすい状態にします。一方、副交感神経はリラックスの方向に働く神経です。疲れを取り、次の活動のために体を整える働きをしています。

自律神経の乱れによる体の不調

交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、身体の調整がうまくいかないことを「自律神経が乱れる」といいます。自律神経が乱れると、心と体の様々な部分において不調が現れます。

<表:自律神経の乱れによって起こる身体の不調>

体の不調

頭痛、めまい、動悸、だるさ、疲れ、便秘、下痢

心の不調

不安、イライラ、不眠、集中力の低下、やる気が起きない

このような不調を感じる場合、自律神経を整えることで症状が改善する可能性があります。

自律神経を整える栄養素と食べ物

食べ物の中には、自律神経を整える作用がある栄養素があります。そのような栄養素を積極的に摂ることで、自律神経を整えることができます。ここでは、自律神経を整える栄養素とそれらを多く含む食べ物を紹介します。

ビタミンC

●多く含まれる食べ物:野菜、果物

ストレスを感じたとき、それに抵抗するためビタミンCが使われます。そのため、ストレスが多い時ほど大量のビタミンCが消費されてしまい、免疫力の低下など他の部分に支障をきたすこともあります。ビタミンCは体内で合成できないため、食べ物からしっかり摂る必要があります。

トリプトファン

●多く含まれる食べ物:牛乳、チーズ、肉、魚、大豆製品、卵

トリプトファンは、心を安定させる役割を持つホルモン「セロトニン」の材料です。体内では合成できないため、食事から摂る必要があります。セロトニンは、ストレスの抑制やリラックス効果があり、自律神経のバランスを整えるのに役立ちます。

GABA

●多く含まれる食べ物:トマト、発芽玄米、キムチ、じゃがいも

GABAは、γ-アミノ酪酸とも呼ばれ、アミノ酸の一種です。脳や神経で働く神経伝達物質で、自律神経のバランスを整える作用があります。リラックス効果もあり、副交感神経の働きを亢進することで、心と体を落ち着かせてくれます。

たんぱく質

●多く含まれる食べ物:肉、魚、卵、大豆製品

たんぱく質はストレスに対するホルモンや神経伝達物質の材料として必要です。ストレスを受けるとより多くのホルモンが消費されるため、自律神経を整えるためにはたんぱく質が不足しないようにしましょう。

ビタミンB6

●多く含まれる食べ物:カツオ、マグロ、鮭、バナナ、玄米

ビタミンB6は、トリプトファンからセロトニンを作る際に必要な栄養素です。セロトニンによって交感神経と副交感神経のバランスを整えることで、自律神経を正常に保つことができます。不足すると、イライラや恐怖などのストレスを感じやすくなり、自律神経を乱すことにつながります。

自律神経を整える効果のある食べ物を積極的に取り入れて、心身ともに元気な毎日を送りましょう。

【参考】

わかさ生活|わかさの秘密 GABA

大塚製薬|栄養素カレッジ ビタミンB6
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