「60代は自分のために生きる、最も自由で自立した時期」デミ・ムーア、子どもたちが巣立った今を語る

 「60代は自分のために生きる、最も自由で自立した時期」デミ・ムーア、子どもたちが巣立った今を語る
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山口華恵
山口華恵
2024-09-19

デミ・ムーアは、ハリウッドのトップ女優として華々しいキャリアを築いてきたが女優としてだけではなく、3人の娘を持つ母親としても忙しい日々を送ってきた。娘たちが成長し、自立した今、「自分のために生きる」ことを楽しんでいる。

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「子どもが巣立った後、自分の人生をどうデザインするか?」

デミ・ムーアは、60代を迎えた今、3人の娘たちが独立していく過程で、「子どもが巣立った後、自分の人生をどうデザインするか?」という問いに直面したという。この問いは、多くの女性が経験するものだ。母親としての役割が減っていき、自分だけの時間が増えると、改めて「自分とは何か?」「次に何をすべきか?」と自問する時期が訪れる。デミにとっても、これは避けられないプロセスだった。そして今彼女は、子育てを終えた後の新たなステージに希望と前向きな姿勢を持って向き合っている。

新作映画『The Substance(原題)』は、彼女のキャリアにおける集大成ともいえる作品で、エイジングや美に対する業界の偏見を辛辣に描き出しており、デミ・ムーア自身が経験してきた年齢差別や外見に対するプレッシャーも描かれているという。

外見や年齢に対する固定観念に挑んだ40代

デミ・ムーアは、40代に入った頃、キャリアの大きな転機を迎えた。『チャーリーズ・エンジェル』の出演中に40歳を迎えた彼女は、「40代に突入すると、身の置き所がなかった」と振り返る。30代でもない、そしていわゆる母親像とも合わない存在であったため、業界内での自分の立ち位置に難しさを感じた。この経験は、年齢や外見にとらわれずに自分自身を表現する必要性を強く感じるきっかけとなった。

そこでデミ・ムーアは、挑発的な作品や行動を通じ、外見や年齢に対する固定観念に挑んだ。たとえば、28歳の時には妊娠中の自分をヌードで撮影した「ヴァニティ・フェア」誌の表紙を飾り、40代では『チャーリーズ・エンジェル』でアクションシーンに挑戦し、50代では映画で再びヌードを披露した。これらはすべて、単なる身体の誇示ではなく、彼女自身が持つ身体に対する不安を乗り越えるための挑戦でもあったという。「私に対する最大の誤解は、私が自分の体を愛していると思われていたこと。実際には、むしろ自分自身を解放するためだった」と語っている。彼女は、自分の体に対して複雑な感情を抱えながらも、その感情に立ち向かうために、あえて自分をさらけ出し続けてきたのだ。

60代は「最もエキサイティングな時期」

デミ・ムーアは、50代から60代にかけて、より一層自分らしい生き方を追求するようになった。最新作『The Substance』では、彼女が演じるキャラクター、エリザベス・スパークルが自身の老化と向き合い、若返りの薬に手を出すというストーリーが描かれている。この物語は、ムーア自身の人生における変化や挑戦を象徴しているかのようだ。彼女は、「この映画は私自身をより深く理解するための作品だった。加齢や外見にとらわれず、自分自身を受け入れることの大切さを感じた」と語る。年齢を重ねるごとに、「自分の物語を他者に決められるのではなく、自分で書く」という意識が強くなっていると言う。

デミ・ムーアにとって、60代は60代は昔の60代ではない。最もエキサイティングな時期」だと言う。「今が私にとって最も自由で、自立した時期」と語る彼女は、子育てを終えた後の新たな人生に希望を抱いている。今の60代は、若々しさと成熟を同時に享受できる時代であり、デミ・ムーアはその象徴的な存在と言えるだろう。

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2024年3月10日、ウォリス・アネンバーグ・センター・フォー・パフォーミング・アーツで開催されたラディカ・ジョーンズ主催のヴァニティ・フェア・オスカー・パーティに出席した(左から)ルーマー・ウィリス、デミ・ムーア、タルーラ・ウィリス、スカウト・ラルー・ウィリス。Photo by Amy Sussman/Getty Images

出典:

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山口華恵

山口華恵

翻訳者・ライター。大学卒業後、製薬会社やPR代理店勤務を経て10年間海外(ベルギー・ドイツ・アメリカ)で暮らす。現在は翻訳(仏英日)、ライフスタイルや海外セレブリティに関する記事を執筆するなど、フリーランスとして活動。趣味はヨガとインテリア。



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