ダンプリングの中の愛|インドの僧侶に教わった愛の形

 ダンプリングの中の愛|インドの僧侶に教わった愛の形
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ソナムはうなずいた。「いくつかのダンプリングがいいほうへ向かう方法を知っているよ」と、彼は言った。「ダンプリングみたいに、中には良いものが入ってるから」。彼は、私のいびつなダンプリングを彼のつくったきれいなものが乗った皿に移した。「これは良い宗教で良い先生、人が内に持っている良いものの見つけ方を教えてくれる。これは悪い宗教で、まったく違うことを言う。すると多くの人たちが闘いをする」
私は微笑んだ。もっと聞きたいことがあったが、ソナムはシンプルだからこそいっしょにいるとほっとするのだ。だから私たちは、そのときやるべきこと、つまりソナムのダンプリングを浸すソースつくりへと移っていた。とうがらしとニンニクを細かく刻み、そこに酢、しょうゆ、はちみつを加えた。ダンプリングが出来上がると、ソナムは形が丸くても四角くても「味はまったく同じ」だと強調した。そして私のつくったいびつな形の大量のニョッキを味見して「ジャマ」と私の名を言った。「次に生まれ変わったときには、もっと上手にモモがつくれると思うよ」
「うーん」と私は口をいっぱいにして言った。だが、もうその時に言葉は出てこなかった。私は、今まででいちばんおいしいモモ……純粋な愛に包まれていたのだ。

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text by Jaimal Yogis
translation by Yuko Altwasser



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