「太っていない40代」はすでに知っている〈スローダイエット〉について管理栄養士が教えます!
本記事は〈読むだけで〉痩せれる人は、痩せられます。40代以降は、ファストダイエットからスローダイエットに移行するタイミングだと聞いたことありますか? 初めて聞いた方は、ぜひ本文を読んで見てください。何をやっても痩せない40代の方、必見です。
何をしても太る40代って本当?
基礎代謝量(何もしていない状態でも消費されるエネルギー量)は年齢とともに低下します。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、40代の体重1kgあたりの基礎代謝量は、30歳未満に比べて約10%低くなります。
これは、筋肉量の低下やホルモンバランスの変化が関わっています。筋肉は脂肪よりも多くのエネルギーを消費するため、筋肉量が多いほど基礎代謝量が高くなります。しかし、加齢とともに筋肉量は減少するため、基礎代謝量も低下します。
また更年期に入ると、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量が減少します。エストロゲンには、脂肪の燃焼を促進する働きがあるため、エストロゲンが減少すると脂肪がつきやすくなります。これらの理由に加え、40代以降は運動不足やストレスが溜まりやすくなることも、痩せにくい原因となります。
残念なことに、短期的な体重減でその場をごまかせた若い頃は過ぎ去りました。。。。。。
私たちに重要なのは〈太りにくい体質〉を手に入れることなのです。
〈ファストダイエット〉が40代以降に不向きな理由
ファストダイエット(短期間で痩せるための極端な食事法)には、リバウンドがつきもの。40代以降の代謝をさらに悪くする原因となるでしょう。
例えば、糖質制限やケトジェニック、カロリー制限、高タンパク質、置き換え、ファスティング、ローフード、デトックス、低GI、パレオ、DASH、地中海式ダイエットなど…… さまざまなダイエット法がありますが、この中に「あなたが試したことのあるダイエット法はありますか?」
では「今も続いているダイエット法がありますか?」今、続いていないダイエット、それは〈ファストダイエット〉の可能性が高いです。
これらのダイエット方法には、それぞれメリットとデメリットがあるものの、どれも痩せるためのメソッドとしては間違っていません。ただし、注目すべきはデメリットの部分です。極端な食事制限を試みた場合、身体の一部機能は強いショックを受けます。そのため、そのダイエット法を続けられなかった時に、逆に太りやすい体質になってしまう可能性が高いのです。これがファストダイエットの大きなデメリット〈リバウンド〉です。
40代以降が始めるべき〈スローダイエット〉とは?
残念ながら40代以降は、短期間で大きな効果を上げようとするダイエットは向いていません。だからと言って「何をしてもダメ」ということではなく〈ファストダイエット〉→〈スローダイエット〉に切り替え、代謝のいい体質に変えていかなければならない時期だというだけの話です。
代謝を下げる大きな原因〈リバウンド〉を防ぐためには、何よりも続けられるダイエット法でなければなりません。スローダイエットは、2つのシンプルな考え方から始めましょう。
①何を食べる:糖質単体の食事にせず、タンパク質と野菜を組み合わせる
米やパン、麺を制限するという考え方ではなく、不足しがちな肉や魚、たまご、野菜と組み合わせましょうというシンプルな考え方をします。具体的にはランチのかけそばを、月見わかめそばに変えましょうというお話です。しつこいですが、重要なのはストレスにならない食事法の構築です。
②いつ食べる:寝る3時間前までには、食事を済ませる
寝る直前に食事をとると、胃腸が活発に働き、交感神経が優位になるため、眠りにつきにくくなります。また、消化が不十分な状態で寝ると、胃腸に負担がかかり、睡眠の質が低下するのです。
睡眠中に分泌される成長ホルモンは、脂肪の燃焼や筋肉の合成を促進する働きがあります。そのため、質の高い睡眠をとることは、ダイエットにおいて非常に重要です。また睡眠不足は、食欲増進ホルモンの分泌を促進し、代謝を低下させるため、痩せにくい体質になります。さらには睡眠不足になると、エネルギー消費を促進する交感神経の働きが弱くなり、代謝が低下するのです。
いかがでしょうか? 2つとも、すごくシンプルですよね??
ところで、スローダイエットは〈すぐに効果が出ない〉のでイライラしそうですか? おそらく、それも私たちがファストダイエットに慣れ過ぎているからこその考え方でしょう。ストレスのないスローダイエットは終わることなく、無理なく続き、いつの間にか痩せることができる40代以降の食事法です。
まとめ:ファストダイエット→スローダイエットのすすめ
ここまで、40代以降「何をしても痩せない!」と悩んでいる方に読んでいただきたい〈スローダイエット〉についてまとめました。
短期間で大きな効果を上げようとする〈ファストダイエット〉には、リバウンドがつきものです。リバウンドは代謝を悪くし、さらに太りやすい体質にしてしまいます。そのため代謝アップがカギを握る40代以降のダイエットには不向きです。今後、ファーストダイエットを始める時には、リバウンドのリスクを忘れるべきではありません。
リバウンドを生じさせないためには〈続けられる食事〉であることが何よりも大切です。そのためのスローダイエットとして〈いつ、何を食べるか〉という2つのシンプルな心がけを紹介しました。リスクがなく、すぐに始められるものです。
また、これまで主流のダイエット法の中でも、自分が苦痛なく取り入れられるものはそのまま取り入れつつ、ストレスなく、心地よく続けられる食事を見つけていくことができれば、ベストです。頑張らない食トレで、無理なくおいしく正しい食事法を続けましょう。
AUTHOR
石松佑梨
サッカー日本代表選手をはじめ、世界で活躍するトップアスリートたちの専属管理栄養士として従事。のべ2万人以上に提供してきた「頑張らない食トレ」を武器に、近年は企業の健康経営や地域創生も展開する。幼い頃から「おいしい」への執着心が人一倍強く、おいしく健康に食べるための「ずるい栄養学」で、誰もがおいしく食べて健康になれる社会を目指している。著書に『過去最高のコンディションが続く 最強のパーソナルカレー』(かんき出版)がある。
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