〈ダイエットの落とし穴〉低カロリー食材「きのこ」を食べるときの注意点とは?管理栄養士が解説

 〈ダイエットの落とし穴〉低カロリー食材「きのこ」を食べるときの注意点とは?管理栄養士が解説
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低カロリーでダイエットによさそうな「きのこ」。毎日の食事に取り入れている方も多いのではないでしょうか?ですが、食べ方によってはダイエットの逆効果になる可能性があります。そこで今回は、意外と知らないきのこを食べる時の注意点をご紹介します。

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きのこの栄養と効果

まずは、きのこにはどんな栄養素が含まれるのか、その効果について解説します。

きのこに含まれる栄養素とは?

食物繊維やカリウム、ビタミンD、ビタミンB2などの栄養素が含まれています。特に干したきのこは、骨の健康を維持するビタミンDがより多く含まれます。

・食物繊維

小腸で消化・吸収されずに大腸まで達する食品成分。便秘の予防をはじめとする整腸効果だけでなく、血糖値上昇の抑制、血液中のコレステロール濃度の低下などが期待できる。

・カリウム

体内の浸透圧や水分を保持する。体内にあるナトリウムを排泄する働きもあり、塩分のとりすぎを調整するために必要となる。

・ビタミンB2

皮膚や粘膜の保護、成長を促す。体内での脂質代謝を助ける。

・ビタミンD

強い骨を維持するために必要となる栄養素。免疫系が体内に侵入してくる細菌やウイルスを撃退するために不可欠。

きのこを食べる時の注意点

きのこはカロリーが低いためダイエットに効果が期待できますが、食べ方によっては逆効果になることもあります。ここからはきのこを食べる際の注意点について解説します。

腹痛や便秘、下痢になる可能性も

きのこには多くの食物繊維が含まれますが、食物繊維を摂りすぎるとおなかが緩くなったり逆に便秘になったりと便通が乱れることがあります。1日100g程度を目安に食べすぎには気をつけましょう。

油を控えた調理法で

きのこが低カロリーといっても、炒め物や揚げ物などの油をたっぷり使った調理法では逆効果。カロリーを抑えたい場合は、ゆでる・蒸すといった油をあまり使わない方法がおすすめです。

きのこだけではなくバランスのよい食事を

きのこだけを食べたからと言って痩せるわけではありません。特定の食品に偏った食べ方は栄養バランスが乱れ、一時的に体重が減ったとしてもリバウンドしやすい体になります。

ボリュームを補うように使って取り入れるとよいでしょう。

ダイエット中に食べたい!おすすめのきのこ

ぶなしめじ

きのこに多く含まれているカリウムですが、特にぶなしめじに多く含まれています。カリウムは体内にある余分なナトリウムと水分を体の外に排出し、むくみを防いでくれます。不足すると脱力感や食欲不振などがみられることもありますので、積極的に取り入れましょう。

えのき

えのきにはGABAというリラックス効果が期待できる成分が含まれています。イライラがたまりがちなダイエット中にうまく活用したいですね。

舞茸

舞茸に含まれるβグルカンという成分は、腸内の免疫細胞に働きかけ免疫機能を高めてくれると言われています。

また、舞茸にはたんぱく質を分解するプロテアーゼという酵素が含まれています。プロテアーゼにはお肉のたんぱく質を分解してやわらかくする効果が期待できるので、お肉と一緒に漬け込んでから料理するとおいしく食べることができますよ。

まとめ

きのこには食物繊維やビタミンDなどダイエットに期待できる成分が多く含まれています。ただし、きのこばかり食べる食生活や油を多く使った調理法では逆効果になることもあるので、普段の食事にきのこをうまく取り入れてダイエットに活用してみてくださいね。

参考サイト

農林水産省 詳しく知って楽しく食べよう!おいしいきのこ図鑑

農林水産省 特集1きのこ(3)

食品成分表データベース

厚生労働省 ビタミンD

きのこらぼ 菌活辞典

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AUTHOR

管理栄養士 野口久美子

野口久美子

管理栄養士/調理師。大学卒業後、保育園栄養士と食品開発の仕事を経てフリーに転身。現在は子育てをしながらライターとしてレシピ紹介や栄養に関する分野でコラムを執筆している。



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